誰でも、運動や筋トレをして筋肉痛になった経験があると思います。
その時、筋肉痛を治すために、ストレッチやマッサージをしたり、プロテインを飲んだりしていませんか?
ストレッチやマッサージ、プロテインでは、筋肉痛は治りません。
筋肉痛を治す方法は1つだけです。
努力がムダに終わってしまわないように、効果的な筋肉痛の治し方と、筋肉痛にならない方法を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1.筋肉痛が起きる原因
筋肉痛が起きる原因には、いろいろな説があります。
まずは、筋肉痛が起きる原因の真相を紹介します。
1.1筋肉痛の説
筋肉痛が起きる原因としては、いろいろな説があります。
よく言われる筋肉痛の原因は、【筋トレによって筋肉が傷つく】というものです。
筋トレによって筋繊維が傷つき、それが筋肉痛の原因になるというものです。
他にも、運動によって疲労物質が蓄積されたり、発痛物質が発生することが原因と言われることもあります。
1.2筋肉痛の真相
筋肉痛の原因はいろいろな説があります。
しかし、実は、筋肉痛の原因は分かっていないのです。
筋肉痛の原因
【筋肉痛の原因は分からない】というのが、現時点での真相です。
そのため、「筋肉痛の原因はこれです!」と言うと、ウソになってしまうのです。
紹介される筋肉痛の原因は、あくまでも【説】であって、事実ではないのです。
筋肉がキズづくことが原因なら、筋肉痛は翌日ではなくすぐに起こるはずです。
筋肉痛が起こるメカニズムは、まだ解明されていません。
これが解明できれば、かなりの大発見です。
原因が分からなくても大丈夫
筋肉痛のメカニズムはまだ分かっていません。
しかし、「筋肉痛がどういう時に起きるか」「筋肉痛はどうやって治せばいいか」ということは分かっています。
電気がつく仕組みを知らなくても、スイッチを押して電気をつけることができるようなものです。
大事なのは、電気の付く仕組みを知ることではなく、どこにスイッチがあるかを知ることです。
筋肉痛がどういう時に起き、どうすれば治るのかを知れば、筋肉痛を上手くコントロールできるようになります。
筋肉痛の治し方
筋肉痛を治すのに、難しいことや特別なことは必要ありません。
正しい筋肉痛の治し方はシンプルです。
シンプルで地味ですが、一番効果があります。
そして、これ以外の特別な方法を試しても、ほとんどがムダに終わってしまいます。
正しい知識があれば、やることはシンプルになり、ムダなことをせずに済むようになります。
2.筋肉痛の効果的な治し方
一番効果的な筋肉痛の治し方は、【放っておくこと】です。
時間が、一番効果的に筋肉痛を治してくれます。
地味ですが、これが最も効果があります。
今まで、放っておいて治らなかった筋肉痛はなかったと思います。
今現在、1ヶ月前や1年前の筋肉痛が残っているということはないですよね。
2.1時間以外の筋肉痛の治し方
筋肉痛を取り上げるとき、だいたいの記事で、「○○が筋肉痛を治すのに効果的!」「○○をして筋肉痛を治しましょう!」と言われます。
しかし、時間以外、完全に筋肉痛を治してくれるものはありません。
マッサージもストレッチもサプリメントも、筋肉痛を完全に治してはくれません。
そして、全く効果のない方法でも、堂々と「効果あり!」と紹介されています。
結局、筋肉痛は放っておくことが、労力もお金もかからない一番効果的な方法なのです。
プレズ<Plez>のトレーニング指導でも、筋肉痛を治すために特別なことを実践していただくことはありません。
ですが、筋肉痛が治らなかったクライアントさんはもちろんいらっしゃいません。
2.2効果のない筋肉痛の治し方
「これが筋肉痛を治すのに効果的!」というのは、だいたいが、記事を盛り上げるためや商品を売るための間違った情報です。
大して効果のないことを、「これで筋肉痛が治る!」と書いて、記事を盛り上げたり、商品を宣伝したりします。
地味で記事が盛り上がらなかったり、商品が売れないので、本当のことはあまり書かれません。
しかし、一番効果的で、完全に筋肉痛を治してくれるのは時間だけです。
それでは次に、間違った努力をしてしまわないように、ストレッチやマッサージなど、よく言われる筋肉痛の治し方の真相を解明します。
3.筋肉痛の治し方5つの真相
筋肉痛の治し方は、放っておくことが一番です。
しかし、マッサージやサプリなど、筋肉痛の治し方としていろいろな方法が紹介されます。
よく言われる筋肉痛の治し方の真相を、しっかりした根拠と一緒に、分かりやすく解明します。
3.1プロテインと筋肉痛
よく、「筋トレの後にプロテインを飲むと、筋肉痛を抑えられる」と言われます。
筋肉痛に関する多くの記事で、この情報を目にします。
実際に、筋肉痛を抑えるために、プロテインを飲んだりタンパク質を摂るようにススメるトレーナーも、けっこういます。
タンパク質の効果
タンパク質は筋肉の材料です。
そして、タンパク質をたくさん摂ると、筋肉をつける効果があります。
そのため、タンパク質やプロテインは、筋肉痛を治すのにも効果がありそうな気もしてしまいます。
しかし、筋肉痛を抑えたり治すのに、タンパク質やプロテインは大して効果がありません。
こちらの実験では、運動前+運動中、運動後のどちらでプロテインを摂っても、筋肉痛に違いはありませんでした。
根拠論文:Timing influence of carbohydrate-protein ingestion on muscle soreness
こちらの研究でも、「理論的には、タンパク質は運動後の筋肉を回復させるものだが、データでは、タンパク質は筋肉痛を抑えてはいない」となっています。
根拠論文:Effects of protein supplements on muscle damage, soreness
筋肉痛とプロテイン
タンパク質は、筋肉をつける効果はあります。
タンパク質を手軽に摂れるプロテインも、筋肉をつけるのに効果的です。
しかし、筋肉痛を抑える効果は特にありません。
筋肉痛を抑えるために、プロテインを飲んだりタンパク質を摂っても、ムダに終わってしまう可能性が高いのです
ちなみに、アミノ酸はタンパク質の一部なので、アミノ酸サプリも効果は同じようなものです。
筋肉痛を治すためには、放っておくのが1番効果的です。
参考記事:ダイエット・肉体改造に成功するタンパク質の摂り方!
3.2マッサージと筋肉痛
筋肉痛になった時に、マッサージをすることは多いのではないでしょうか。
マッサージは、実験・研究では、筋肉痛を軽減する効果があるかもしれないというものと、効果がないというものの両方があります。
根拠論文:Immunological effects of massage after exercise: A systematic review.
根拠論文:Manual massage and recovery of muscle function following exercise: a literature review.
効果があるかもしれないという研究も、あくまで、かもしれないというレベルです。
筋肉痛を完全に治すようなものではありません。
よっぽど筋肉痛がツラくて、仕事もまともに手につかないというレベルなら、マッサージは良いかもしれません。
しかし、普通の筋肉痛を治すだけであれば、時間やお金を使ってマッサージをする必要はありません。
放っておけば、筋肉痛は自然に治っていきます。
3.3ストレッチと筋肉痛
ストレッチは運動や筋トレの前後に行われることも多く、筋肉痛を減少させそうな気がします。
しかし、こちらの実験・研究では、運動の①前、②後、③前と後の両方、この3つの場合ともに、特に筋肉痛は軽減していません。
根拠論文:Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise.
ストレッチは、柔軟性を高める効果はあります。
しかし、こちらの研究によると、ストレッチは特に筋肉痛を治す効果はありません。
筋肉痛は、放っておくことで治しましょう。
3.4お風呂&冷水浴
入浴は、筋肉痛の解消のために効果的というイメージがあるかもしれません。
入浴で、筋肉痛を軽減する効果はあるのでしょうか?
入浴の効果
入浴で体を温めると、体が温まって、その時点では筋肉痛が和らぎます。
しかし、それは一時的なもので、筋肉痛が治るものではありません。
筋トレ直後と24時間後で、体を温めた場合と冷やした場合に、筋肉痛が軽減するかを調べた実験があります。
この実験では、体を温める場合よりも、冷やす方が筋肉痛を軽減する効果がありました。
根拠論文:Cold Vs. Heat After Exercise-Is There a Clear Winner for Muscle Soreness.
冷水の弊害
冷水浴は、筋肉痛を軽減する効果があります。
しかし、筋トレ後に冷水で冷やすと、筋力や筋量が増えにくいという実験結果もあります。
根拠論文:Does Regular Post-exercise Cold Application Attenuate Trained Muscle Adaptation?
温水・冷水ともに、完全に筋肉痛を治すものではありません。
そして、冷水は筋肉痛を軽減する一方、筋トレの効果も軽減してしまいます。
そのため、筋トレの後に水風呂に入って筋肉痛を抑えるのは良くありません。
お風呂は、ガマンして水風呂に入ったりせず、普通に入っていれば大丈夫です。
筋肉痛は、放っておけば、その内自然に治っていきます。
3.5軽い運動と筋肉痛
筋肉痛の時に、「軽い有酸素運動で疲労物質を流して、筋肉痛を解消しましょう!」と言われることがあります。
軽い運動に、筋肉痛を軽減する効果はあるのでしょうか?
軽い運動の効果
運動も、体が温まることで一時的に筋肉痛がまぎれます。
しかし、しばらくするとまた筋肉痛が出てきます。
こちらに、軽い運動が筋肉痛を軽減するか調べた研究があります。
結果として、軽い運動が筋肉痛を軽減するという証拠はほとんどありませんでした。
運動のダイエット・ボディメイク効果
軽い運動には、ダイエット・ボディメイクの効果がほとんどありません。
軽い運動には、筋肉をつける効果がほとんどありません。
筋肉によるボディメイクをするには、軽い運動より、筋トレの方がはるかに効果的です。
そして、体脂肪を減らす効果は、運動より、食事でカロリーを抑える方がずっと効果的です。
運動で1kcal消費するのも食事で1kcal抑えるのも、同じダイエット効果ですが、食事の方がはるかにラクにカロリーを抑えられます。
そのため、競技のパフォーマンス向上のためでなければ、特に有酸素運動をする必要もありません。
筋肉痛を治すためにも、軽い運動は不要です。
筋肉痛は、放っておけば、時間が治してくれます。
3.6筋肉痛の治し方の真相まとめ
このように、よく紹介される筋肉痛の治し方の中で、効果があるのはマッサージと冷水浴ぐらいです。
ただし、冷水浴は筋肉痛だけでなく、筋トレの効果まで少なくしてしまいます。
そのため、実質的に有効なのはマッサージぐらいです。
そのマッサージも、効果がありそうというレベルで、筋肉痛を完全に治すものではありません。
筋肉痛を完全に治してくれるのは、時間だけです。
特別なことをして、労力やお金を使わなくても、筋肉痛は放っておくだけで治すことができます。
筋肉痛を予防する
筋肉痛の治し方の他に、重要なことが、筋肉痛を予防することです。
筋肉痛にならなければ、治す必要もありません。
次に、筋肉痛にならないために、筋肉痛はどんな時に起きるのか、どうすれば起きないかを紹介します。
4.筋トレ・運動と筋肉痛
筋肉痛は、起きないようにすることで、治す必要もなくなります。
そこで、どういう場合に筋肉痛が起きるのか、どうすれば起きないかを紹介します。
4.1筋肉痛が起きる運動
筋肉痛が起きる運動は、この2つのパターンです。
①慣れない運動
②筋肉が伸ばされる運動
筋肉痛は、このような運動をしたときに起こります。
逆に、この2つの運動を避けることで、筋肉痛を予防できます。
4.2慣れない運動
慣れない運動とは
慣れない運動をして筋肉痛になった、という経験はあるのではないでしょうか?
いきなり慣れない運動をやると、強烈な筋肉痛に襲われます。
例えば、水泳選手は当然泳ぐことに慣れていますので、ちょっと泳いだぐらいで、筋肉痛にはなりません。
しかし、普通の人がいきなる水泳をすると、強烈な筋肉痛に襲われます。
筋肉痛にならないために
運動を始める時は、初日は軽めにして、日を追うごとに徐々に激しくしていきましょう。
ランニングを始める場合、【気合を入れて初日は20km!】とすると、しばらく歩きたくもない体になります。
筋トレも同じです。
初めて筋トレをする時や、久しぶりに筋トレをする時、新しい種目を行う時は、軽い重量から始めましょう。
初日はウォーミングアップ程度で終えるのがオススメです。
そして、日を追うごとに、重量や回数を上げていきましょう。
筋トレも、慣れると、ほとんど筋肉痛が来なくなります。
そして、筋トレの効果と筋肉痛は別物です。
しっかりトレーニングできていれば、筋肉痛がこなくても、筋肉は成長していきます。
参考記事:毎日の筋トレは逆効果!?確実に筋肉が成長する方法!
4.3筋肉が伸ばされる運動
筋肉痛が起こりやすい運動は、慣れない運動と、もう1つは【筋肉が伸ばされる運動】です。
筋肉が伸ばされる運動とは
【筋肉が伸ばされる運動】というのは、ピンときにくいかもしれません。
筋肉が伸ばされると言っても、ストレッチのことではありません。
【筋肉が伸ばされる運動】というのは、力を発揮するのと逆の方向に筋肉が引っ張られながら、それにブレーキをかける運動です。
筋肉が伸ばされる筋トレ
例えば、筋トレでアームカールという種目があります。
これは、上腕二頭筋、つまり力こぶのトレーニングです。
筋肉は、縮むことで力を発揮します。
アームカールの場合、上腕二頭筋が縮むことで、ウエイトを持つ手を上げます。
そして、ウエイトを下ろす時が、【筋肉が伸ばされる運動】です。
ウエイトを下す時、上腕二頭筋は、力を発揮するのとは逆方向に引っ張られます。
筋肉が引っ張られて伸びていく時に、そのスピードをゆっくりにするのが、【筋肉が伸ばされる運動】です。
簡単に言うと、ブレーキをかける力です。
筋肉が収縮してウエイトを上げる運動をコンセントリック、ウエイトを下ろして筋肉が伸ばされていく運動をエキセントリックと言います。
筋肉痛は、このエキセントリックでよく起こります。
筋肉痛にならない筋トレ
筋トレで、下ろす時にストンと落とすようにすれば、あまり筋肉痛になりません。
ストンとウエイトを下ろすようにして、筋肉痛にならなかったとしても、トレーニング効果はあります。
ただし、下ろす時の方が、筋肉をつける効果が上がります。
そこで、筋肉痛と効果を考えると、エキセントリックも徐々に取り入れていくようにしましょう。
慣れてくれば、下ろす時に力を使うようにしても、ほとんど筋肉痛は起こらないようになります。
初めて筋トレをする時は、軽い重量を使うことに加えて、ウエイトをストンと下ろすようにしましょう。
そしてトレーニングに慣れてくれば、重量を上げ、さらにゆっくり下ろすことで、筋トレの効果も上がります。
筋肉痛の治し方まとめ
筋肉痛の治し方として、一番効果的なのは、放っておくことです。
時間が、一番効果的に筋肉痛を治してくれます。
ストレッチやタンパク質の補給などは、筋肉痛の治し方として、ほとんど効果がありません。
そして、筋肉痛がどういう時に起こるかを知っていれば、予防することもできます。
筋肉痛は、①慣れない運動、②筋肉が伸ばされる運動で起こります。
運動や筋トレを始めるときは、いきなりハードに行わず、初めは軽く行いましょう。
また、筋トレは、はじめはストンと下ろすようにトレーニングをしましょう。
徐々にハードにしていき、徐々にゆっくり下ろすようにすることで、筋肉痛を避けながら、効果的な筋トレができるようになります!
この記事のポイントまとめ
● 筋肉痛の一番効果的な治し方は、放っておくこと
● それ以外の方法は、筋肉痛を治すのにほとんど効果がない
● 運動は、初めは軽く、慣れてくると徐々にハードにすれば、筋肉痛を避けられる
● 筋トレは、初めは下ろす時に力を使わず、だんだんゆっくり下ろすようにすると、筋肉痛を避けながら効果的にトレーニングができる