ショルダープレス(ミリタリープレス)の効果的なやり方!

ショルダープレス

ショルダープレス・ミリタリープレスは、初心者から上級者まで、効果的に肩の筋肉を鍛えられるトレーニングです。

ポイントを押さえて正しいフォームで実践すれば、非常に高いトレーニング効果を得られます。

その一方、フォームが間違っていると、肩や背骨のケガをする危険性もある種目です。

この記事で、効果を最大限に高めてカッコイイ肩を作れる、ショルダープレスのやり方が分かります!

この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。

(ダイエットの結果には個人差があります)

1.ショルダープレス・ミリタリープレスとは

ショルダープレス・ミリタリープレスとは

ショルダープレスは、肩と腕の力で、ウエイトを頭上に持ち上げるトレーニングです。

初心者から上級者まで、肩のメインのトレーニングにできる、効果の高い筋トレメニューです。

プレズ<Plez>のトレーニング指導でも、取り入れることが多い種目です。

肩のトレーニングの中では、最も重い重量を扱うことが出来ます。

ショルダープレスは肩を鍛えて、丸い肩を作ったり、肩幅を広げる効果があります。

ショルダープレスという一般的な名称の他に、海外でよく使われる【ミリタリープレス】や【オーバーヘッドプレス】という名前で呼ばれることもあります。

「ミリタリープレスは立って行う種目」と区別されることもありますが、一般的には、同じ筋トレ種目を指します。

バーベルやダンベルといった器具の違いや、フォームの違いによって、様々なバリエーションがあります。

バリエーションごとの効果の違いも、この記事でしっかり把握できます。

2.ショルダープレスで鍛えられる筋肉

ショルダープレスでは、多くの筋肉を一度に鍛えることが出来ます。

肩の三角筋の他に、上腕三頭筋・僧帽筋・腹筋・脊柱起立筋を鍛えられる筋トレメニューです。

2.1ショルダープレスで三角筋を鍛える

三角筋は、肩周りにある筋肉です。

文字通り三角形の筋肉なので、三角筋という名前が付いています。

三角筋

三角筋の動きは複雑ですが、前部・中部・後部に分けて考えると、働きが分かりやすくなります。

主に、前部は上腕を前に押し出す、中部は上に上げる、後部は後ろに引くときに使う筋肉です。

前部・中部・後部が明確に独立して動く訳ではありませんが、このように考えるとイメージしやすくなります。

上腕を動かす角度によって、使う部位が変わってきます。

ショルダープレスでは、上腕を上げるために三角筋を使います

ショルダープレスで鍛えられるのは、三角筋の前部~中部です。

ショルダープレスは前腕を上げるので、サイドレイズやアップライトローイングに比べて、三角筋の停止(上腕の骨に付く部分)が少し後ろに移動します。

ショルダープレスの三角筋

それに伴って、サイドレイズなどに比べると、三角筋の前部も使うようになります。

2.2ショルダープレスで鍛えられる筋肉

ショルダープレスでは、三角筋以外に、上腕三頭筋・僧帽筋・腹筋・脊柱起立筋を鍛えられます。

上腕三頭筋は二の腕の筋肉です。

主な働きは、ヒジを伸ばすことです。

上腕三頭筋

僧帽筋は、肩~背中にある広い筋肉です。

ショルダープレスで使うのは、肩から首にかけての、僧帽筋上部です。

ちょうど、肩こりが起こる部分の筋肉です。

ここの部位は、肩をすくめる働きをします。

僧帽筋

ショルダープレスでは、僧帽筋を使いすぎると、あまり三角筋を使わなくなってしまいます

三角筋をメインで使う方法を、【3.2三角筋をメインで使うポイント】で解説します。

また、ショルダープレスでは、肩周りや腕の筋肉以外にも、腹筋や脊柱起立筋を鍛えられます。

脊柱起立筋は、腰から首にかけて、背骨周りに走っている複数の筋肉です。

脊柱起立筋

ショルダープレスでは、バックエクステンションやクランチといった筋トレメニューのように、腹筋・脊柱起立筋をストレッチ・収縮させるわけではありません。

体幹を安定させるために、これらの筋肉を使います。

特に、立った状態でショルダープレスを行う場合、体幹を安定させるためにこれらの筋肉の使用が増えます。

3.ショルダープレス・ミリタリープレスのやり方

それでは、ショルダープレスの正しいフォーム・効果的に実践するポイントを紹介します。

ショルダープレスは、重い重量を扱えて効果が高い分、肩や背中をケガするリスクもある筋トレメニューです。

ポイントを押さえて、安全で効果的なトレーニングを実践しましょう。

3.1ショルダープレスのフォーム

ショルダープレスのフォーム

ショルダープレスはそれほど難しい種目ではありませんが、いくつかポイントがあります。

大事なことは、ケガを防止し、三角筋をメインで使うことです。

 基本のフォーム

1:背筋を伸ばし、背中が反ったり猫背にならないようにする

2:腕を180°近く、違和感のない所まで開いてウエイトを持つ

3:上腕を上げる力をメインで使って、ウエイトを上げていく

4:息を吸いながらウエイトを上げるか、息を止めて上げ、上げきってから息を吐く

5:息を吸いながら、元のポジションに下ろしていく

下ろす時は、上腕が体の横に来るまで下ろしましょう。

「上腕が地面と平行になるぐらいで止める方が、負荷が逃げずに効果的」と言われることもあります。

しかし、実際は、フルレンジで行う方が筋トレの効果が高くなります

根拠論文:Effect of range of motion on muscle strength and thickness.

また、フルレンジの方が扱える重量が軽いので、ウエイトをコントロールしやすくなります。

そのため、ケガも防ぎやすく、三角筋を意識しやすくなるので、フルレンジのトレーニングがオススメです。

フルレンジにすると、扱う重量は軽くなりますが、トレーニング効果は上がります。

3.2三角筋をメインで使うポイント

三角筋をメインで使うポイント

ショルダープレスで、三角筋をメインで使うために一番大事なことは、三角筋の動きを意識することです。

上腕を上げる三角筋の動きを意識して、その力でウエイトを上げるようにしましょう。

ショルダープレスでよくあるのが、「僧帽筋にばかり効いてしまって、肩を鍛えられない」ということです。

僧帽筋は、肩をすくめる働きをします。

ウエイトを上げる時に、肩をすくめること自体は問題ありません。

大事なのは、肩をすくめる力ではなく、上腕を上げる三角筋の力でウエイトを上げることです。

三角筋の働きを知って、動きを意識すれば、効き方も変わってきます。

意識をしても、肩をすくめると僧帽筋に効いてしまうという場合は、肩を固定したまま腕を上げましょう。

また、座ってショルダープレスを行う方が、上体が安定し、三角筋を意識しやすくなります。

ジムのシートなら背もたれがあり、より体を安定出来ます。

シートを倒すほど、肩の前部と胸筋を使うようになり、ベンチプレスに近づいていきます。

シートを直角から1段だけ倒すと、体を安定させながら、三角筋をバランスよく使うことが出来ます。

3.3ショルダープレスでケガを防止するポイント

ショルダープレスでケガを防止するポイント

ショルダープレスは、肩の筋トレの中で最大の重量を扱うことが出来ます。

その分、体に負担もかかります。

ケガをしないために、ポイントを押さえて、正しいフォームでトレーニングを実践しましょう。

 コントロールできる重量で行う

ケガを防止するために、重すぎる重量は避けて、しっかりコントロールできる重量でトレーニングをしましょう。

初心者や女性の場合、バーベルのバーだけ(20kg)でも重いかもしれません。

まずはダンベルやマシンで、軽い重量から始めるのがオススメです。

 背筋を伸ばす

終始、背筋を伸ばしてトレーニングを行うことで、背骨にかかる負担を減らすことが出来ます。

背中を極端に反ったり、猫背になると、背骨の1点に負荷が集中してしまいます。

背筋を伸ばしてショルダープレスを行うことで、負荷を分散して、ケガを防止できます。

 腕を開きすぎない

腕を開きすぎると、肩を痛めてしまうことがあります。

肩の柔軟性などは個人差がありますので、違和感のないところまで開いてトレーニングをしましょう。

 横から見た時に、ウエイトがヒジの真上に来るようにする
ヒジとウエイト

横から見て、ヒジとウエイトが一直線になっていないと、ヒジに負担がかかります。

また、肩が意識しにくくなり、重量も扱いづらくなります。

ケガを防ぐためにも、重量を上げてトレーニング効果を高めるためにも、ウエイトがヒジの真上に来るようにコントロールしましょう。

ウエイトを持つというより、前腕に乗せるイメージです。

 ウエイトを手のひらに乗せる

ウエイトを握るようにして持つと、手首に負担がかかります。

握るというより、ウエイトを手のひらに乗せるようにすると、手首ではなく前腕でウエイトを支えられます。

サムレスグリップという、親指を使わない握り方をやってみると、手のひらに乗せるイメージが分かりやすいと思います。

サムレスグリップとサムアラウンドグリップ

よくサムレス・サムアラウンドの違いが議論されますが、率直言うと、どっちでも大丈夫です。

ただ、一度サムレスをやってみると、手のひらに乗せるイメージがつかみやすくなります。

3.4ショルダープレスの重量・回数・セット数

ショルダープレスの重量・回数・セット数

ショルダープレスを初めて行う時は、軽めの重量から行いましょう。

初めから限界ギリギリの重量を使うと、ケガの原因になったり、変なフォームが身に付いてしまうこともあります。

また、初めからハードにやりすぎると、しばらく腕が上がらないぐらい筋肉痛になります。

参考記事:1番有効な筋肉痛の治し方!筋肉痛知らずの運動&筋トレ

トレーニングにも慣れてきて、フォームが身に付いたら、重量を上げていきましょう。

10回ぐらいで限界がくる重さが、効果的にトレーニングができてオススメです。

そして、筋トレは、しっかり筋肉を使い切ることが大切です。

しっかり筋肉を使い切ることで、タンパク質が筋肉に同化する量が増えて、筋肉が成長します。

限界までの拳上を、4セット行うことが効果的です。

1セットでは筋肉を使い切れず、セット数が多すぎると、効果が上がらないのに疲労ばかり溜まってしまいます。

4.ショルダープレスのボディメイク効果

ショルダープレスの効果

ショルダープレスは、肩の三角筋を鍛えられる筋トレです。

三角筋を大きくすることによって、さまざまなボディメイク効果があります。

4.1筋肉で肩幅を広くする効果

三角筋を鍛えると、肩幅を広くする効果があります。

肩幅が広くなると、相対的に顔が小さく見えて、小顔効果があります

また、逆三角形の上半身を作ることが出来ます。

男性が筋肉質な体を作れるのはもちろんですが、女性のボディメイクにも効果的です。

女性の場合、三角筋が大きすぎるとゴツイ印象になりますが、適度に鍛えることで、小顔効果やウエストのくびれを強調させる効果があります。

参考記事:ダイエットと筋トレで美しい体を作る!キレイに痩せる方法

4.2肩の筋肉を付けるボディメイク効果

肩を鍛えると、筋肉のバランスを良くして、カッコイイ上半身を作ることが出来ます

男性の場合、腕の筋肉に注目しがちですが、腕が太いのに肩の筋肉がないと、バランスが悪くなってしまいます。

せっかく腕を鍛えても、カッコイイ体にはなれません。

肩の筋肉は、鍛えている・鍛えていないがハッキリ現れやすい部位です。

ショルダープレスで丸い肩を作ることで、カッコイイ上半身を作ることが出来ます。

参考記事:カッコイイ肩の筋肉を作る、三角筋の筋トレ11種目!

5.ダンベル・バーベル・マシンのショルダープレス比較

ショルダープレスは、主にダンベル・バーベル・マシンで行える筋トレメニューです。

それぞれに特徴がありますので、ぜひ実際に試してみて、自分に合ったトレーニングを実践しましょう。

5.1ダンベルショルダープレスの特徴

ダンベルショルダープレスの特徴

ダンベルショルダープレスの特徴は、軌道が自由なことです。

軌道を自由に変えられるので、自分の体に合ったトレーニングが出来ます。

軌道の制約もないので、フルレンジでトレーニングが出来ます。

反面、ウエイトが独立していて不安定なので、フォーム習得の難易度が上がります。

しかし、不安定な分、体幹を鍛えることが出来ます。

扱える重量は、バーベルやマシンよりも少し軽くなります。

ダンベルの場合、アーノルドプレスという筋トレが出来ます。

これは、ボディビルの元世界チャンピオン、アーノルド・シュワルツェネッガーが好んで行ったトレーニングです。

アーノルドプレスは、直線的に上げるのではなく、ひねりを加えながらウエイトを上げます。

普通のショルダープレスよりも、三角筋の前部をよく使う筋トレメニューです。

5.2ショルダープレスマシンの特徴

ショルダープレスマシンの特徴

ショルダープレスマシンの特徴は、軌道が安定していて、高重量を扱えるところです。

軌道が決まっているので、初心者でも正しいフォームでトレーニングを行いやすくなります。

一方、マシンによっては、軌道が体に合わないこともあります。

特に海外製のマシンだと、体が大きいトレーニーに合わせて作っていることも多く、日本人の体に合わないことがあります。

軌道が合えば安全で効果の高いトレーニングが出来ますが、軌道が合わないと、効果が下がったりケガをするリスクも高まります。

専用のショルダープレスマシンだけでなく、スミスマシンというバーベルの軌道を固定したマシンを使うこともできます。

スミスマシンのショルダープレス

スミスマシンは軌道が上下だけで、持つ位置も自由に変えられるので、体に合わないことはほとんどありません。

マシンは安定している分、体幹はあまり使わなくなります。

5.3バーベルショルダープレスの特徴

バーベルショルダープレスの特徴

バーベルショルダープレスは、ダンベルとマシンの中間といったところです。

軌道は固定されていませんが、2本の腕で1本のバーを扱うので、ダンベルよりも安定します。

ダンベルと違い、バーが体にあたる所までしか下ろせず、腕も真上までは上がらないので、レンジは少しだけ限定されます。

バーベルショルダープレス専用のラックが置いてあるジムもありますが、専用のラックがなければ、パワーラックでトレーニングが出来ます。

ショルダープレスラックとパワーラック

バーベルの場合、顔の前に下ろすフロントプレスと、顔の後ろに下ろすバックプレスで、特徴が少し変わります。

5.4フロントプレス・バックプレスの比較

フロントプレス・バックプレスの比較

フロントプレスとバックプレスでは、使う筋肉が微妙に変わってきます。

フロントプレスはバーベルを顔の前に下ろし、腕が少し閉じるため、少しだけ三角筋前部に刺激が移ります。

バックプレスは、腕を180°開くため、三角筋中部を中心に鍛えられます。

肩の柔軟性によっては、バックプレスだと、肩を痛めることもあります。

バックプレスで肩に違和感があれば、フロントプレスの方がオススメです。

フロントプレスの場合、少し背中が反り気味になるので、しっかり背筋を伸ばして行うようにしましょう。

ショルダープレス・ミリタリープレスまとめ

ショルダープレスまとめ

いかがでしたでしょうか?

ショルダープレスを実践すれば、丸い肩・逆三角形のカッコイイ上半身を作ることが出来ます。

正しいフォームでショルダープレスを実践することで、初心者から上級者まで、効果的な肩の筋トレが出来ます。

バリエーションもたくさんあるので、いろいろ試してみて、自分にあったトレーニング方法を見つけてください。

ショルダープレスを実践して、カッコイイ理想の肩を作りましょう!

この記事のポイントまとめ

 ショルダープレスは肩を中心に、多くの筋肉を鍛えられる

 肩の筋肉をメインで使い、ケガを防止するフォームで行うことが重要

 ショルダープレスは丸い肩を作り、肩幅を広くして、逆三角形の上半身を作る効果・小顔効果がある

 ショルダープレスはいろいろなバリエーションがあるので、自分に合った筋トレを実践できる

 プレズ<Plez>

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