肩の筋肉は、逆三角形の筋肉質な上半身を作るパーツです。
肩の三角筋の筋トレによって、丸くカッコイイ肩を作ることができます。
また、三角筋は上腕を動かす働きをし、あらゆるスポーツで使用する筋肉なので、競技のパフォーマンスを高めるためにも大事な筋肉です。
しかし、よく紹介される肩の筋トレ方法の中には、間違ったフォームや効果の低い方法が多くあります。
効果的な筋トレを実践してカッコイイ肩が手に入るように、正しいフォーム・トレーニング方法を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1.肩の筋肉の筋トレ効果
肩の筋トレを行うと、丸くカッコイイ肩を作ることが出来ます。
肩幅を広くすることもでき、逆三角形の体を作れます。
小顔効果もあるので、女性も適度に肩を鍛えることで、キレイなスタイルを作れます。
1.1筋トレで丸くカッコイイ肩を作る
筋トレをして筋肉をつけると、肩は丸く盛り上がった形になります。
トレーニングをしておらず、筋肉が少ない状態だと、肩の形は骨格そのものと近い形になります。
このように、筋肉の有無によって、肩の形は全く違います。
後から見た時も、筋肉量によって肩の形は大きく変わります。
1.2筋トレで肩幅を広くする
筋トレをして肩の筋肉を付けると、肩幅も広くなります。
肩幅を広くすることで、逆三角形の上半身を作れます。
体脂肪を落としてウエストを絞り、広背筋(背中の筋肉)と三角筋を鍛えることで、逆三角形の体になります。
肩幅を広くすると、その分、相対的に顔が小さく見えます。
そのため、プレズ<Plez>では、男性だけでなく、女性にも肩の筋トレをオススメしています。
肩の筋肉が多すぎるとゴツく見えますが、適度に筋肉を付けることで、キレイなスタイルを作れます。
女性の場合、ほとんどの人は、全身かなり筋肉が少ない状態です。
そのため、少し肩の筋トレをしてもゴツくはならず、むしろキレイなスタイルになることがほとんどです。
また、1回でつく筋肉はわずかなので、ちょっと筋トレをしたぐらいでゴツくなることは絶対にありません。
十分と思ったところで止めれば大丈夫なので、ぜひ筋トレを実践しましょう。
1.3肩の筋トレと競技のパフォーマンス
肩は上腕を動かす筋肉で、ほぼ全ての競技で使います。
そのため、三角筋を鍛えることは、競技のパフォーマンスを高めるのにも効果的です。
野球やバスケットボールを始め、テニス、ボクシング、柔道など、あらゆるスポーツで力を発揮します。
走る動作1つとっても、腕を振って体の反動を作るために三角筋を使っています。
三角筋はパワーを発揮することに加えて、上腕の動きの調整をする役割もします。
2.バランスの良い三角筋の鍛え方
丸い肩を作るためには、三角筋をバランスよく鍛えることが重要です。
三角筋の構造と、部分ごとの働きを知って、バランスよく肩のトレーニングを実践しましょう。
2.1肩の筋肉の構造
三角筋は、肩関節を覆うように付いている筋肉です。
上腕の骨がボール状になっているので、肩関節は自由に動かせる、可動域の広い関節です。
三角筋は肩関節の周りを覆うように付いているので、上腕のあらゆる動きに関与します。
2.2三角筋の働き
腕を動かす角度によって、働く三角筋の部位が異なります。
三角筋はフロント(前部)・サイド(中部)・リア(後部)に分けると、イメージがしやすくなります。
三角筋はフロント・サイド・リアで明確に動きが分かれているわけではなく、使う部位をミックスして、腕をあらゆる角度に動かしています。
フロントは、腕を前に押し出したり、腕を前に上げる力を発揮する部位です。
フロントは大胸筋と連動して力を発揮します。
スポーツでは、ボールを投げる、ラケットを振る・ボクシングのパンチなどで力を発揮します。
サイドは、腕を開いたり、上に上げる力を発揮する部位です。
サイドが単独で力を発揮することはあまりなく、フロント・リアと連動して力を発揮します。
三角筋のサイドが大きくなると、肩幅を広くすることが出来ます。
そしてリアは、腕を後ろに引く力を発揮します。
広背筋などの背中の筋肉と連動して力を発揮します。
スポーツでは、柔道や相撲の引き手、ボクシングでパンチを戻す時などに使う筋肉です。
走る動作でも、腕を後ろに引く際に、リアが力を発揮しています。
3.カッコイイ肩を作る三角筋の筋トレ11種目
それでは、プレズ<Plez>がオススメする、肩の種目11選を紹介します。
メジャーな種目から、あまり知られていない効果的な種目、そして自重でできる筋トレ種目を紹介します。
自宅で出来る種目もありますので、ぜひ実践してみてください。
3.1肩のフロント(三角筋前部)の筋トレ
ショルダープレス
代表的な肩のトレーニングです。
肩と腕の力で、ウエイトを頭上に持ち上げます。
ダンベル・バーベル・マシンでトレーニングが出来ます。
肩のフロントとサイドを使い、上腕三頭筋(二の腕)も鍛えられます。
肩の筋トレの内、胸や背中を使わない種目としては、最も重い重量を扱えます。
肩をすくめる力を使いすぎると、肩~首にある僧帽筋の上部にばかり効いてしまいます。
肩に効かせるためには、上腕を上げる力をメインで使いましょう。
マシンは軌道が固定されているのでフォームが安定しますが、軌道が体に合わないと、効果が低くなったりケガの原因になります。
ダンベルは、軌道が不安定なためフォームが少し難しいですが、可動域を最も広く取れます。
また、軌道が自由なので、自分に合ったフォームでトレーニングが出来ます。
バーベルは、ダンベルとマシンの中間の特性があります。
フロントレイズ
腕を前方に上げるトレーニングです。
肩のフロントを集中的に鍛えられる種目です。
バーベル・ダンベル・ケーブルマシンで実践でき、手幅を広めに取るとサイドも使います。
両手で行うと体が安定しない場合、ダンベルで肩手ずつ上げましょう。
ベンチプレス
胸のトレーニングの代表的な種目です。
胸をメインで鍛える種目ですが、肩のフロント・上腕三頭筋も鍛えられます。
手幅を狭くすると、胸の負荷が減って、肩と腕をよく使います。
ベンチプレスは複数の筋肉の連動があり、実践に近い動きをするので、競技のパフォーマンスを高めるのに効果的な種目です。
腕立て伏せ
ベンチプレスと似た動きを、自重で行うトレーニングです。
ベンチプレスと同じく、胸・肩のフロント・上腕三頭筋を鍛えられます。
自重で手軽に行えますが、負荷を上げづらい種目です。
負荷が軽い場合、脚を高い位置に上げる・片足を浮かせる・少し脚を開いて片手で行う、という方法で負荷を増やせます。
体にプレートを乗せることで、加重もできます。
逆立ち腕立て伏せ
ショルダープレスを自重で行うイメージです。
自重で最も効果的に肩を鍛えられる種目で、フロント~サイドを鍛えられます。
負荷が大きすぎる場合は、体の昇降を行わず、逆立ちの姿勢をキープしましょう。
姿勢をキープするだけでも、肩に負荷をかけて鍛えることが出来ます。
3.2肩のサイド(三角筋中部)の筋トレ
アップライトローイング
肩幅ぐらいに持ったウエイトを、肩の力で引き上げるトレーニングです。
サイドを中心に、肩をバランスよく鍛えられます。
バーベル・ダンベル・ケーブルマシンで実践できます。
手幅を狭く取ると、フロントの使用が増えます。
腕の力で上げてしまうと肩を使わないので、三角筋の力でウエイトを上げましょう。
ヒジを高く上げるようにすると、肩を使いやすくなります。
また、腕に力を入れすぎず、ヒジが自然と曲がるようにしましょう。
ウエイトが手にぶら下がるようにして腕の力を抜くと、肩を使いやすくなります。
サイドレイズ
メジャーな肩の筋トレ種目です。
アップライトローイングと同じく、サイドを中心に、バランスよく肩を鍛えられます。
ダンベルか、ケーブルマシン(片手ずつ)で実践できます。
よく紹介されるフォームには、腕にばかり効いて、肩に効かないものが多くあります。
例えばこのように腕を直線に開くフォームだと、腕にばかり負荷がかかるか、全体的に負荷が軽すぎて、肩に効きません。
軽くひじを曲げ、ヒジをウエイトよりも少しだけ高く上げるようにすると、腕の関与が減って三角筋に効きやすくなります。
負荷の角度を変えるために手を高く上げることもありますが、まずはヒジを高く上げることで、肩に負荷を乗せる感覚が身に付きます。
また、上腕を上げる三角筋の力でウエイトを上げることを意識しましょう。
サイドレイズは三角筋とウエイトの距離が長くなる分、肩にかかる負荷が大きく、扱える重量は小さくなります。
サイドレイズとアップライトローイングのどちらが良いかは、好みや個人差もあるので、三角筋に効きやすい方を実践しましょう。
3.3肩のリア(三角筋後部)の筋トレ
リアレイズ
その名の通り、三角筋のリアを鍛えられる種目です。
ベンチに座るか立った状態で、上体を前に倒して、ダンベルを引き上げます。
背中や肩周りの他の筋肉を使いすぎず、三角筋の力をメインで使いましょう。
特に、肩甲骨を寄せる力をメインにすると、他の筋肉に効いてしまいます。
また、腕をあまり開かずに上げると、広背筋の負荷が大きくなります。
リアデルトの場合、腕は180°ぐらいに開いてウエイトを上げましょう。
ウエイトが重すぎると、三角筋以外の関与が多くなるので、しっかりコントロールできる重さで実践しましょう。
ペックデック リアデルト
マシンを使った、リアの筋トレです。
軌道・姿勢が安定しているので、リアを意識して鍛えやすい種目です。
ペックデックという、胸のトレーニングマシンで実践する種目です。
● ペックデックマシン
ダンベルリアレイズと同じく、背中・肩周りの他の筋肉ではなく、三角筋の力で腕を開きましょう。
ケーブルクロスリアデルト
ケーブルマシンで行う、リアのトレーニングです。
ケーブルの高さを変えることで、刺激が入る角度を調整できます。
低い位置からケーブルを引くとサイドも使い、高い位置から引くと広背筋も使います。
両手で行うためには、一対のケーブルクロスマシンが必要です。
● ケーブルクロスマシン
一対ではないケーブルマシンの場合、片手ずつでトレーニングが出来ます。
ローイング全般
ベントオーバーローイング、Tバーローイング、プーリーローなど、ローイング系の種目全般でリアを鍛えられます。
メインで使うのは広背筋ですが、リアも同時に鍛えることができます。
腕を開いて引くと、リアレイズのフォームに近づき、リアの負荷が増えます。
4.肩の筋肉のトレーニング方法
次に、肩のトレーニング種目をどのように組み合わせて、どれぐらいのペース・重量で実践するのが効果的かを解説します。
正しいフォームで実践しても、ペースなどを間違うと、せっかくのトレーニング効果が減ってしまいます。
正しい筋トレのやり方を知って、効果的なトレーニングを実践しましょう。
4.1バランスよく肩を鍛える
見た目をカッコよくするためにも、競技のパフォーマンスを高めるためにも、バランスよく肩を鍛えることが大事です。
一部分だけ鍛えると、見た目にも、力を発揮するときにも、バランスが悪くなってしまいます。
といっても、肩の筋トレ種目を全て行う必要はありません。
肩のトレーニングとしては、1~3種目で十分です。
初~中級者の場合、ベンチプレス・ローイング系の種目で、ある程度三角筋を鍛えられます。
その場合、肩の種目としては、アップライトローイングかサイドレイズのどちらか1種目で大丈夫です。
肩の種目としては、よくショルダープレスがススメられます。
ショルダープレスも効果的な種目ですが、フロントの刺激が強いので、ベンチプレスで使う部位とかなり被ってしまいます。
バランスよく鍛えるためには、サイドを中心に使う、アップライトローイングかサイドレイズがオススメです。
胸・背中の種目を行わず、肩だけを鍛えたい場合は、ショルダープレス・アップライトローイング・サイドレイズのいずれか1種目がオススメです。
サイド~フロントを鍛えたいか、サイドを中心に鍛えたいかで選びましょう。
トレーニングのレベルが上がってくると、筋肉を成長させるためにはボリュームが必要になります。
その場合、フロント・サイド・リアでそれぞれ1種目、計3種目を行うのが効果的です。
例.
フロント:ショルダープレス
サイド:アップライトローイング
リア:ダンベルリアレイズ
どの時点で種目を増やすかは個人差がありますが、ショルダープレスで自分の体重×70%が上がらないなら、1種目で大丈夫です。
ある程度筋肉が付いてきて、カロリーとタンパク質をしっかり取っても重量が伸びなくなれば、ボリュームを増やしましょう。
4.2肩の筋トレ方法
筋トレの効果を高めるには、しっかりと筋肉を使い切ることが大切です。
トレーニングは、週に2回のペースが効果的です。
トレーニングは、ペースが早すぎると筋肉の疲労が間に合わず、遅すぎると効果が下がってしまいます。
その兼ね合いで、週に2回が効果的です。
重量や回数は気にしすぎる必要はありませんが、コントロールできる範囲で、ある程度高重量を使いましょう。
筋トレの情報で目にするような、「8~10回が限界の重量でないと筋肉は大きくならない」ということはありません。
ただ、負荷が軽すぎると、筋肉を使い切るのに何十回~何百回と必要になってしまいます。
そのため、高重量の方がラクに筋肉を使い切れます。
また、高重量だと神経が発達しやすく、筋力も伸びやすいので、パワーが必要な競技は高重量のトレーニングが効果的です。
筋肉をしっかり使い切るには、各種目で4セットが効果的です。
セット数が少ないと筋肉を使い切れず、セット数が多すぎると疲労ばかり溜まるので、4セットがオススメです。
参考記事:毎日の筋トレは逆効果!?確実に筋肉が成長する方法!
4.3肩のストレッチは不要?
肩のストレッチとして、いろいろな方法が紹介されています。
柔軟性が低いとケガをするリスクが高い競技や、肩の柔軟性がパフォーマンスに影響する競技なら、ストレッチで柔軟性を高めることは重要です。
しかし、筋トレの際に、ストレッチは特に必要ありません。
まず、ストレッチに、筋肉痛を治したり予防する効果はありません。
根拠論文:Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise.
ケガの予防について、ストレッチに効果があるという研究もありますが、ないという研究も多くあり、結論は出ていません。
ただ、60秒以上など長時間のストレッチを行うと、発揮する筋力の低下などのマイナスの効果があります。
根拠論文:Effect of acute static stretch on maximal muscle performance: a systematic review.
筋トレは、休息日を挟んでしっかり疲労を回復させ、コントロールできる重量で行えば、ケガのリスクは高くありません。
少なくとも、筋トレに合わせて、念入りにストレッチをしなくても大丈夫です。
筋トレの際は、ストレッチではなく、ウォーミングアップセットを入れましょう。
本番セットの50%と80%ぐらいで軽めに2セットこなすと、筋肉が温まって、力を十分発揮できます。
いきなり高重量を扱わず、ウォーミングアップセットを入れることで、ケガのリスクを低減しながらしっかり筋肉を使えます。
4.4肩のインナーマッスル
肩は三角筋だけでなく、インナーマッスルのトレーニングがよく取り上げられます。
インナーマッスルとは、他の筋肉の下にある小さい筋肉のことです。
腕を特定の角度に動かす時に力を発揮したり、動きの調整をしたりします。
ただ、野球の投手でもなければ、インナーマッスルを意識して鍛える必要はありません。
インナーマッスルは他の筋肉の下にある筋肉なので、鍛えても見た目の変化はありません。
そして、ダンベルやバーベルのトレーニングをしていれば、インナーマッスルは自然に鍛えられています。
肩の筋トレを実践するときは、特にインナーマッスルは意識せず、三角筋を鍛えることを意識しましょう。
効果的な肩の筋トレまとめ
いかがでしたでしょうか?
肩の筋肉を鍛えれば、丸くカッコイイ肩を作ることも、逆三角形の体を作ることもできます。
競技のパフォーマンスを高めるにも、肩の筋トレは効果的です。
バランスを考えて効果的な筋トレを実践すれば、肩の筋肉はカッコよく成長していきます。
効果的な筋トレを実践して、理想の肩を手に入れましょう!
この記事のポイントまとめ
● 肩を鍛えると、筋肉質な丸い肩になる
● 肩幅が広がって逆三角形の体になり、小顔効果もある
● 三角筋をバランスよく鍛えることが大事
● 胸や背中の種目とのバランスを考えて、肩の筋トレを行う