ダイエットでタンパク質を摂る理由、タンパク質の正しいダイエット効果を知っているでしょうか?
タンパク質はダイエット・ボディメイクで注目される栄養素ですが、正しい効果・摂り方はあまり知られていません。
タンパク質を摂っているからと安心していると、ダイエットに失敗してしまうこともあります。
この記事で、タンパク質の正しいダイエット効果と、ダイエットに成功できる摂り方を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1.タンパク質のダイエット効果
タンパク質とは、筋肉など体を作ったり、体のエネルギーになる栄養素です。
人だけでなく、あらゆる動物の体を構成している栄養素です。
タンパク質はダイエットで注目されるポイントですが、かなり間違った情報が流れていて、正しい効果・摂り方はあまり知られていません。
まずは、タンパク質の正しいダイエット効果を紹介します。
1.1タンパク質の代謝アップ効果
タンパク質を摂ると、代謝がアップして、脂肪を燃焼すると言われます。
そのため、タンパク質をたくさん摂ると、ダイエットに効果的と言われます。
しかし、実際のところ、タンパク質をプラスしても、全くダイエット効果はありません。
むしろ、ダイエットには逆効果です。
確かに、タンパク質を摂ると、消化・吸収にエネルギーを使うため、代謝(=消費カロリー)はアップします。
しかし、代謝がアップする以上に、摂取カロリーが増えます。
消化・吸収に使うカロリーは、摂取カロリーの30%程度です。
つまり、タンパク質を摂ると、70%分は摂取カロリーが増えてしまうのです。
ダイエットの本質は、摂取カロリー<消費カロリーにすることです。
体脂肪はカロリーのカタマリであり、摂取カロリー<消費カロリーにすることで、不足したエネルギーを体脂肪から使って痩せていきます。
逆に、摂取カロリー>消費カロリーになると、余った分をどんどん体脂肪として溜めていきます。
タンパク質や糖質が脂肪になることは99%ありませんが、食事で摂った脂質をどんどん体脂肪にしていくのです。
タンパク質は摂取カロリーが増えるので、追加で摂ると、実はダイエットにはマイナスになるのです。
1.2タンパク質のボディメイク効果
タンパク質をプラスしても、ダイエットには逆効果です。
しかし、タンパク質には、キレイな体を作る効果があります。
タンパク質は筋肉の材料になる栄養素です。
タンパク質を多く摂ると、タンパク質→筋肉に合成される量が増えます。
普通にダイエットをすると、体脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまいます。
だいたい、体脂肪と筋肉は3:1の割合で減っていきます。
筋肉が落ちてしまうと、メリハリのない体になったり、たるみが残ってしまうことがあります。
そこで、タンパク質を多く摂ることによって、ダイエット中に筋肉をキープしやすくなります。
筋トレとタンパク質摂取によって、ほとんど筋肉を減らさずに痩せられます。
ダイエットで摂取カロリー<消費カロリーに状態になっているときは、筋肉はほとんど増えません。
しかし、筋肉をキープしたまま痩せると、筋肉のラインが浮かんできて、筋肉増+脂肪減になったように体が変化します。
参考記事:ダイエットと筋トレで美しい体を作る!キレイに痩せる方法
1.3筋肉の代謝アップ効果
筋肉が増えると、基礎代謝がアップして、ダイエットに効果的とよく言われます。
実際に多くのトレーナーが、「筋トレで筋肉をつけて、基礎代謝を上げて痩せましょう!」という指導を行っています。
しかし、筋肉を付けて基礎代謝を上げて痩せる、というのは現実的ではありません。
筋肉をやっと1kgつけて、上がる基礎代謝は10~30kcal/日程度だからです。
しかも、ダイエット中は、筋肉はほとんど増えません。
筋肉をキープすると代謝は下がりにくくなりますが、影響はわずかで、補助的な役割でしかありません。
食事を管理して摂取カロリー<消費カロリーの状態を作らないと、まずダイエットは成功しません。
筋肉量が多く、タンパク質をたくさん摂るボディビルダーでも、体脂肪を落とす時はカロリーコントロールをします。
タンパク質や筋肉量は、ダイエットでそれほど大きな影響はないのです。
リバウンドも、筋肉が減ることや、タンパク質を摂らないことが主な原因ではありません。
ほとんどの場合が、カロリーコントロールの失敗です。
ダイエットで最も大事なのは、カロリーをしっかり管理して、摂取カロリー<消費カロリーの状態を作ることです。
参考記事:ダイエットを成功に導くカロリーの扱い方!
1.4タンパク質と食欲
タンパク質は、追加で摂ってもダイエット効果はありません。
しかし、ダイエットでタンパク質を摂るメリットもあります。
メリットの1つは、筋肉をキープしやすいことです。
他にも、タンパク質をたくさん摂ると、食欲を抑えやすくなります。
根拠論文:The Effects of Increased Protein Intake on Fullness: A Meta-Analysis and Its Limitations.
タンパク質は、消化・吸収に時間がかかります。
タンパク質は、20種類のアミノ酸が何万と結びついている栄養素です。
腸からタンパク質を吸収するには、これを1つ1つのアミノ酸に分解する必要があります。
タンパク質を吸収するペースは、多くても1時間に10gぐらいです。
根拠論文:A review of issues of dietary protein intake in humans.
タンパク質を多く摂れば、消化・吸収に何時間もかかり、空腹を感じにくくなります。
プレズ<Plez>のクライアントさんでも、「高タンパク質の食事を始めてから、空腹を感じにくくなった」という方が多くいます。
1.5タンパク質と脂肪燃焼効果
さらに、タンパク質を摂ることには、もう1つメリットがあります。
筋肉をキープしやすい分、脂肪を燃焼しやすくなることです。
筋肉をエネルギーとして使う量が減る分、若干ですが、体脂肪をエネルギーにする量が増えるのです。
「タンパク質にダイエット効果はない」ということと、一見矛盾しているように見えるので、少し理解が難しいかもしれません。
1.1タンパク質の代謝アップ効果の説明の通り、タンパク質を追加で摂っても、摂取カロリーのプラスになってダイエットにはマイナスです。
しかし、摂取カロリーが同じであれば、タンパク質を多く摂る方が筋肉をキープでき、筋肉がエネルギーとして使われる量が減ります。
その分、若干ですが、体脂肪を使う量が増えるのです。
根拠論文:Effects of energy-restricted high-protein, low-fat compared with standard-protein, low-fat diets
タンパク質自体にダイエット効果がある訳ではありませんが、タンパク質を摂ることには3つのメリットがあるのです。
● 消化・吸収に使うカロリーが多い
● 筋肉をキープしやすい
● 筋肉をキープできる分、少し脂肪を使いやすい
2.ダイエットでのタンパク質の摂り方
2.1タンパク質の正しいアプローチ
タンパク質は、追加で摂ってもダイエット効果はなく、むしろ逆効果になります。
一方で、タンパク質は消化・吸収に使うカロリーが多く、同じ1kcalを摂るならタンパク質の方が有利です。
栄養素 | カロリー (1g) | 消費する 割合 | 正味カロリー (1g) |
---|---|---|---|
タンパク質 | 4kcal | 30% | 2.8kcal |
脂質 | 9kcal | 4% | 8.6kcal |
炭水化物 | 4kcal | 6% | 3.8kcal |
アルコール | 7kcal | 30% | 5.0kcal |
また、食欲を抑えやすく、筋肉をキープしながら痩せられます。
同じカロリーを摂るなら、脂質・糖質・アルコールより、タンパク質の方がダイエット・ボディメイクに効果的です。
プレズ<Plez>のダイエット方法では、全体のカロリーを抑えながらタンパク質をたくさん摂るというアプローチをとります。
参考記事:ダイエット・肉体改造に成功するタンパク質の摂り方!
2.2タンパク質の正しい摂り方
タンパク質はいろいろな摂り方が言われています。
「1回に摂る量は30gまで」「筋トレ後30分以内のゴールデンタイムに摂る」「1日に6回以上摂る」などがあります。
しかし、タンパク質を摂る上で大事なことは1つです。
それは、量を摂ることです。
タンパク質は、タイミングではなく摂る量が大事なのです。
量が同じであれば、いつとっても大した違いはありません。
根拠論文:The effect of protein timing on muscle strength and hypertrophy: a meta-analysis.
プレズ<Plez>の食事方法では、タイミングではなく、量を摂ることを重視します。
タイミングを気にするよりも、たくさん摂ることに集中しましょう。
2.3タンパク質を摂る量
タンパク質をたくさん摂ると、筋肉をキープしながら痩せやすいなどのメリットがあります。
しかし、ダイエットで摂取カロリーを減らすと、自然とタンパク質も減ってしまいがちです。
特に、野菜・こんにゃくばかり食べ続けると、タンパク質はほとんど摂れません。
しかも、食事も楽しくありません。
タンパク質が少ないと、筋肉はどんどん減ってしまいます。
普通は体脂肪と筋肉は3:1ぐらいで減っていきますが、タンパク質が少ないと、それ以上のペースで減ることもあります。
筋肉を減らさないためには、意識して高タンパク質の食品を摂るようにしましょう。
1日に必要な量は、体脂肪を除いた体重で決まります。
こちらが、ダイエット中、1日に摂るタンパク質の目安です。
体脂肪量 | 体重1kgにつき 摂るタンパク質 |
---|---|
体脂肪:少ない | 2.0g |
体脂肪:普通 | 1.75g |
体脂肪:多い | 1.5g |
ダイエットでの正しいアプローチは、トータルの摂取カロリーを抑えながら、タンパク質をたくさん摂ることです。
そのためには、高タンパク低カロリーの食品が最適です。
次に、ダイエットに最適な、高タンパク低カロリーの食品を紹介します。
3.ダイエットに役立つ高タンパク低カロリーの食品
ダイエットに成功するポイントの1つは、高タンパク低カロリーの食品を取り入れることです。
ダイエットの強い味方になる高タンパク低カロリーの食品99選を、リスト形式で紹介します。
表は100g当たり。
● 輸入牛
和牛は美味しいですが、脂質が多く高カロリーです。
輸入牛肉の方が脂質が低く、低カロリーです。
種類 | 脂身 | タンパク質 | カロリー |
---|---|---|---|
カタ | 有 | 19 | 180 |
カタ | 無 | 20 | 157 |
モモ | 有 | 20 | 165 |
モモ | 無 | 20 | 149 |
そともも | 無 | 19 | 195 |
ランプ | 無 | 20 | 190 |
ヒレ | 21 | 133 |
● 牛肉のその他の部位
牛モツの中にも、低カロリーの部位があります。
また、ビーフジャーキーはもも肉を使うことが多く、カロリーの大部分がタンパク質のものです。
ダイエット中のおやつやおつまみにオススメです。
種類 | タンパク質 | カロリー |
---|---|---|
ハツ | 17 | 142 |
レバー | 20 | 132 |
ミノ | 25 | 182 |
スジ | 28 | 155 |
ジャーキー | 55 | 320 |
● 豚肉
豚肉は、輸入牛と同じぐらいの脂質・カロリーです。
種類 | 脂身 | タンパク質 | カロリー |
---|---|---|---|
カタ | 無 | 20 | 171 |
ロース | 無 | 21 | 202 |
モモ | 有 | 21 | 183 |
モモ | 無 | 22 | 148 |
そともも | 無 | 20 | 187 |
ヒレ | 22 | 130 | |
レバー | 20 | 128 | |
ボンレスハム | 19 | 118 | |
ショルダーベーコン | 17 | 186 |
● 鶏
鶏肉は脂質が少なく、ほとんどの部位が高タンパク低カロリーです。
ただし、鶏皮は脂質が多いので注意しましょう。
鶏皮を外すと、さらに高タンパク低カロリーになります。
種類 | 皮 | タンパク質 | カロリー |
---|---|---|---|
手羽先 | 無 | 20 | 150 |
むね | 有 | 21 | 145 |
むね | 無 | 23 | 116 |
もも | 無 | 19 | 127 |
レバー | 19 | 111 | |
サラダチキン | 22 | 100 |
● その他の肉・卵・乳製品
ジビエには、高タンパク低カロリーのものが多くあります。
卵の黄身は脂質が多く高カロリーですが、白身のカロリーはほぼ全てタンパク質由来です。
また、チーズはほとんどが高カロリーですが、唯一カッテージチーズがオススメです。
プレズ<Plez>のクライアントさんにも人気の食品です。
種類 | タンパク質 | カロリー |
---|---|---|
ラム モモ | 20 | 198 |
鴨 皮なし | 20 | 106 |
くじら 赤身 | 24 | 106 |
馬肉 | 20 | 110 |
シカ肉 | 23 | 147 |
卵白 | 4 | 20 |
カッテージチーズ | 13 | 105 |
● 魚
魚は、ほとんどの食品が高タンパク低カロリーです。
トロ・サンマ・ウナギは少しカロリーが高いですが、それ以外はほとんど全てがオススメの食品です。
高タンパク低カロリーの食品が多いので、好みや気分に合わせて自由に選べます。
種類 | タンパク質 | カロリー |
---|---|---|
アジ(生) | 20 | 126 |
アジ(干) | 20 | 168 |
アナゴ | 17 | 161 |
甘鯛 | 19 | 113 |
アユ | 18 | 100 |
いかなご | 17 | 125 |
いかなごのつくだ煮 | 29 | 282 |
イクラ | 33 | 272 |
イワシ | 19 | 169 |
ウニ | 16 | 120 |
カジキ | 23 | 115 |
カズノコ | 25 | 162 |
カツオ(春) | 26 | 114 |
カツオ(秋) | 25 | 165 |
かつお節 | 77 | 356 |
カマス | 19 | 148 |
カレイ | 20 | 95 |
カワハギ | 19 | 80 |
カンパチ | 21 | 129 |
キス | 19 | 80 |
金目鯛 | 18 | 160 |
コノシロ | 19 | 160 |
サケ | 22 | 133 |
鮭とば | 60 | 330 |
サヨリ | 20 | 95 |
サワラ | 20 | 177 |
シーチキン 水煮 | 16 | 71 |
シシャモ | 21 | 166 |
舌平目 | 19 | 96 |
シマアジ | 22 | 168 |
しらす(生) | 15 | 76 |
しらす干し | 41 | 206 |
スズキ | 20 | 123 |
タイ | 21 | 177 |
タラ | 18 | 77 |
タラコ | 24 | 140 |
トビウオ | 21 | 96 |
煮干し | 65 | 332 |
ハモ | 22 | 144 |
ヒラマサ | 23 | 142 |
ヒラメ | 22 | 126 |
トラフグ | 19 | 85 |
ほっけ(生) | 17 | 115 |
ほっけ(干) | 21 | 176 |
マグロ(赤身) | 22 | 93 |
マス | 22 | 154 |
● 貝類
貝類も、魚と同様に高タンパク低カロリーのものがほとんどです。
種類 | タンパク質 | カロリー |
---|---|---|
さざえ | 19 | 89 |
つぶ貝 | 18 | 86 |
バイガイ | 16 | 87 |
ホタテ貝柱 | 17 | 88 |
ミル貝 | 18 | 82 |
とこぶし | 16 | 84 |
● 魚介類
イカ・タコ・エビなども高タンパク低カロリーで、魚介類は全般的にオススメの食品です。
種類 | タンパク質 | カロリー |
---|---|---|
車エビ | 22 | 97 |
桜エビ干し | 65 | 312 |
ブラックタイガー | 18 | 82 |
甘エビ | 20 | 87 |
伊勢エビ | 21 | 92 |
毛ガニ | 16 | 72 |
スルメイカ(生) | 18 | 83 |
するめ | 69 | 334 |
さきいか | 46 | 279 |
イカ燻製 | 35 | 206 |
タコ | 16 | 76 |
● 植物性
植物性タンパク質というと、納豆・豆腐など、大豆製品が代表的です。
しかし、大豆は脂質・糖質もある程度含んでいて、あまり高タンパク低カロリーではありません。
タンパク質とカロリーのバランスを見ると、牛ロース(輸入牛)と同じぐらいです。
そして、植物性タンパク質に特にダイエット効果はありません。
植物性にこだわりがある場合は、ソイプロテインがオススメです。
食品としては、お麩の材料になる小麦粉の「ふすま」から作った、ブランパン(ふすまパン)がオススメです。
ローソンでブランパンシリーズとして販売されています。
種類 | タンパク質 | カロリー |
---|---|---|
ブランパン | 21 | 213 |
● プロテイン
最も手軽にタンパク質を摂れるのがプロテインです。
プロテインは、筋肉増強剤などの薬物ではありません。
牛乳や大豆から作った単なる加工食品なので、安心して摂れます。
種類 | タンパク質 | カロリー |
---|---|---|
プロテイン(粉状) | 70~90 | 400 |
タンパク質のダイエット効果まとめ
いかがでしたでしょうか?
タンパク質は、上手く使うとダイエットの強い味方になります。
タンパク質それ自体にダイエット効果はないので、タンパク質を摂っているからと安心しないようにしましょう。
トータルのカロリーをしっかりと管理しながら、タンパク質を十分摂ることで、ダイエット・ボディメイクの成功がグッと近づきます。
高タンパク低カロリーの食品を上手く取り入れると、豪勢な食事をしながらダイエットをすることも可能です。
タンパク質の効果を正しく理解し、高タンパク低カロリーの食品を上手く摂って、理想のスタイルと健康な体を手に入れましょう!
この記事のポイントまとめ
● タンパク質はダイエットをする上で3つのメリットがある
● タンパク質そのものにダイエット効果はない
● タンパク質は量を摂ることが大事
● 全体のカロリーを抑えながらタンパク質を多く摂る
● 高タンパク低カロリーの食品を上手く取り入れると、ダイエット・ボディメイクの成功が近づく