ココナッツオイルは、ダイエット効果のある、【痩せるオイル】と言われます。
ココナッツオイルダイエットは、オイルを摂るだけで痩せる、簡単なダイエットとして人気になっています。
しかし、ココナッツオイルの本当の効果を知らないと、全然痩せなかったり、むしろ太ってしまいます。
確実にダイエットに成功できるように、ココナッツオイルの効果・効能の真相と、効果的なダイエット方法をお伝えします!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1.ココナッツオイルの脂肪燃焼効果
ココナッツオイルは、ダイエット効果があり、摂ると痩せると言われています。
ココナッツオイルはエネルギーになりやすい油で、代謝されやすいので、食べても太らないと言われます。
本来ダイエットの天敵であるはずの油を、摂ると痩せるということはあるのでしょうか?
まずは、ココナッツオイルの脂肪燃焼効果を紹介します。
1.1ココナッツオイルの脂肪燃焼効果
ココナッツオイルは文字通り、油のカタマリです。
ココナッツオイルの油には、少し特徴があります。
それは、中鎖脂肪酸という脂肪酸が多くまれることです。
中鎖脂肪酸というのは、他の脂肪酸よりも分子が小さい油です。
ココナッツオイルに多い中鎖脂肪酸は、吸収・代謝が早く、エネルギーとして使われやすいと言われます。
そのため、摂っても体脂肪になりにくいオイルで、ダイエット効果があると言われます。
1.2体脂肪とココナッツオイル
脂肪は、エネルギーとして使われると、体脂肪にはなりません。
そのため、エネルギーになりやすい油だと、確かに体脂肪になりにくいということになります。
しかし、実際のところ、エネルギーになりやすいということとダイエット効果は関係ありません
体脂肪とオイル
ココナッツオイルの脂肪が優先してエネルギーになるということは、その間、体脂肪がエネルギーとして使われにくいということです。
そして、ココナッツオイルがエネルギーとして使われる分、エネルギーとして使われる体脂肪は減ります。
つまり、摂ったココナッツオイルの分、体脂肪が減らなくなります。
そのため、ココナッツオイルを摂らない場合と比べると、摂ったオイルの分、体脂肪が増えるのです。
体脂肪を減らすために大事なこと
体脂肪が減るかどうかは、カロリー次第です。
摂るカロリーと使うカロリーのバランスで、体脂肪は増減します。
カロリーのバランスが、プレズ<Plez>が提唱するダイエットの本質です。
摂るエネルギーが使うエネルギーよりも少ないと、体脂肪は自然と減っていきます。
1.3痩せるオイル?
ココナッツオイルを摂っても、特に消費カロリーは上がりません。
一方で、ココナッツオイルを摂ると、摂取カロリーは増えます。
しかも、100gで約900kcalという超高カロリーです。
これは、同じ量のごはんの5倍以上のカロリーです。
ココナッツオイルにダイエット効果はありません。
むしろ、摂った分だけ摂取カロリーが増えて、体脂肪が増えてしまいます。
他の油と同じように、ココナッツオイルは太る油です。
体脂肪とカロリー
体脂肪は、体に溜めている、カロリーのカタマリです。
体脂肪は、カロリーの貯金のようなものです。
貯金残高が減ることと、体脂肪が減ることは、同じようなものです。
貯金は、入金より出金の方が多ければ、減っていきます。
同じように、体脂肪は、摂るカロリーより使うカロリーの方が多ければ、自然に減っていきます。
そして、ココナッツオイルは、摂取カロリーを増やすものです。
ココナッツオイルを摂ることは、入金することと同じです。
入金をすれば、貯金残高は増えますね。
ココナッツオイルのダイエット効果
ココナッツオイルを摂っても、それ以上に他の摂取カロリーが抑える効果があるなら、ダイエット効果があると言えます。
しかし、わざわざ高カロリーのものを食べて、自然とトータルのカロリーが減るということは、ダイエット指導の経験上まずありません。
同じ肉でも、100g:500kcalのものより100g:100kcalのものを食べる方が、ダイエットに成功しやすくなります。
超高カロリーのココナッツオイルは、ダイエット向きの食品ではありません。
カロリーの低い食品を選ぶ方が、量も食べられて、ダイエットに成功しやすくなります。
2.ココナッツオイルの体質改善効果
ココナッツオイルを摂ると、ケトン体というものが作られると言われます。
ケトン体ができるようになると、体脂肪がケトン体になって燃焼され、痩せやすい体になると言われます。
オイルを摂るだけで、カロリーを制限しなくても痩せる体になるならば、夢のようなダイエット方法です。
2.1ケトン体とは
ケトン体とは、脂肪やタンパク質から作られる、体のエネルギーになる物質です。
簡単に言うと、脂肪やタンパク質が少し変化したものです。
ココナッツオイルを摂ると、体が脂肪からケトン体を作るようになり、効率的に体脂肪を燃焼できると言われます。
ケトン体ができる場合
ココナッツオイルを摂ると、体がケトン体を作るようになると言われます。
しかし、実際は、ココナッツオイルを摂ることと、ケトン体ができることは関係がありません。
ケトン体は、普通作られないものです。
普通に食事をしていれば、ココナッツオイルを摂ってもケトン体は作られません。
ケトン体が作られるのは、食事で摂る糖質を、極端にカットした時です。
糖質制限とココナッツオイル
ココナッツオイルは、糖質制限とセットで紹介されることがあります。
糖質制限をしながらココナッツオイルをプラスすると、体がケトン体を作りやすくなると紹介されます。
しかし、実際には、ココナッツオイルを摂ることではなく、糖質を制限することでケトン体が作られるのです。
ココナッツオイルだけ摂っても、特にケトン体は作られません。
ココナッツオイル自体に、ケトン体を作る効果はないのです。
2.2ケトン体を作っても作らなくても一緒
糖質を極端に制限すると、体はケトン体をという物質を作ってエネルギーにするようになります。
ケトン体は、脂質やタンパク質から作られる、体のエネルギーです。
糖質制限やココナッツオイルダイエットでは、脂質がケトン体になり、エネルギーとして使われるので、痩せやすくなると言われます。
しかし、実際は、ケトンを作っても作らなくても、ダイエットの結果は変わりません。
体脂肪の燃焼
ココナッツオイルや糖質制限では、「ケトン体を作らないと痩せない」というニュアンスで脂肪燃焼が説明されることがあります。
しかし、体脂肪はケトン体にならないと減らないわけではありません。
体脂肪は、ケトン体にならなくても、常にエネルギーとして使われています。
体温を作る、心臓や肺を動かす、日常の動作といったあらゆる場面で、体脂肪を使っています。
わざわざケトン体を作らなくても、体は常に体脂肪を燃焼しているのです。
そして、体脂肪をそのままエネルギーとして使っても、ケトン体にして使っても、ダイエット効果は変わりません。
日本で1万円を使うか、100ドルに両替して海外で使うか、というような違いだけです。
両方とも、1万円が減ることに変わりはありません。
ケトン体とダイエット
ケトン体を作っても作らなくても、痩せるかどうかはカロリー次第です。
消費カロリーより摂取カロリーの方が多いと、ケトン体に関係なく、体にどんどん体脂肪がたまっていきます。
逆に、摂取カロリーより消費カロリーの方が多いと、ケトン体に関係なく、体脂肪は減っていきます。
体脂肪が減るかどうかは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが1番大事です。
プレズ<Plez>のクライアントさんは、ココナッツオイルを摂る人は圧倒的に少数で、ほぼ全員糖質を摂っています。
それでいて、平均して月に3kg体脂肪を落としています。
2.3ココナッツオイルと糖質制限
糖質制限の効果の真相
糖質制限では、「糖質を制限すれば、カロリーを制限しなくても痩せる」と言われることがあります。
しかし、そんなことはありません。
糖質制限で痩せるのは、糖質のカロリーをカットした結果、トータルのカロリーが減りやすいからです。
日本人は平均して、カロリーの50~60%を糖質から摂っています。
その糖質のカロリーをカットすれば、多少脂質のカロリーを増やしても痩せる、というのが糖質制限の真相です。
糖質をカットしてケトン体を作っても、摂取カロリーが増えると太ります。
糖質を摂っていても、摂取カロリーを抑えれば、痩せることができます。
糖質制限とカロリー
糖質制限で糖質をカットすると、トータルのカロリーが減りやすいというのが、糖質制限で痩せる真相です。
ダイエットの本質は、カロリーです。
そして、カロリーを抑えるためには、糖質を減らしても脂質を減らしても大丈夫です。
糖質や脂質を極端に制限するより、カロリーを主軸にする方が、圧倒的に食事の選択肢が広がります。
実際、極端に糖質を制限すると、食べられるものの種類が一気に減ります。
ご飯NG、パスタ・うどん・そば・ラーメンなどの麺類NG、パンNGとなると、外食だと選択肢がほとんどありません。
確実に痩せるためにも、食事を楽しみながらダイエットを続けるためにも、カロリーを主軸にするのがオススメです。
糖質制限とココナッツオイル
糖質制限をすると、糖質のカロリーが一気に減ります。
糖質をカットすれば、ココナッツオイルを摂っても、トータルのカロリーを減らすこともできます。
しかし、その場合でも、ココナッツオイルを摂らない方が、トータルのカロリーが下がってダイエット効果は大きくなります。
糖質制限をしない場合でも、ココナッツオイルを摂らない方が、摂取カロリーを減らせます。
つまり、ココナッツオイルは摂らない方がダイエットに効果的なのです。
3.ココナッツオイルの栄養の効果・効能
ココナッツオイルが取り上げられるとき、
「ココナッツオイルはビタミン・ミネラルが豊富で、食物繊維も摂れる!」
「ココナッツオイルは健康・美容効果もバツグン!」
とよく紹介されます。
しかし、ココナッツオイルの栄養や健康・美容効果にも、かなり間違った情報が混じっています。
間違った情報にダマされてしまわないように、ココナッツオイルに含まれる栄養の真相を紹介します。
3.1ココナッツオイルの栄養
ビタミン・ミネラル
ココナッツオイルには、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれるとよく言われます。
栄養が豊富なので、さまざまな健康・美容効果があると言われます。
実際の、ココナッツオイルの栄養成分表がこちらです。
文部科学省HP:日本食品標準成分表2015年版 油脂類
索引番号:1836 ヤシ油
実際の成分表をご覧いただければ分かりますが、ミネラルはほぼありません。
ビタミンも、ビタミンEをわずかに含むだけです。
食物繊維も含まれていません。
ココナッツオイルは栄養豊富と言われますが、実際には、ほとんどビタミン・ミネラル・食物繊維がないのです。
カロリー
ダイエットをする上で、一番大事な栄養が、カロリーです。
カロリーを持つ栄養素は、主にタンパク質・脂質・糖質・アルコールです。
脂質・糖質・アルコールを減らすことが、ダイエットに成功する秘訣です。
脂質は、タンパク質・脂質・糖質・アルコールの中でも、1番高カロリーです。
そして、ココナッツオイルは、成分のほぼ100%が脂質です。
そのため、ココナッツオイルは、100gで約900kcalもある、全食品の中でもトップクラスの高カロリーなのです。
ココナッツオイルダイエットでは、ココナッツオイルを1日に大さじ2~3杯摂るだけで痩せると言われます。
しかし、実際は、カロリーが200~300kcal上がってしまうのです。
ココナッツオイルは、ダイエットには完全にマイナス効果の食品です。
わざわざ200~300kcalを増やすなら、ココナッツオイルより、ご飯やスイーツを食べる方が食事を楽しめると思います。
3.2ココナッツオイルの脂質
全般的に、オイルは高カロリーなので、摂る量を減らす方がダイエットに効果的です。
ただし、脂質を全く摂らないのは良くありません。
健康的にダイエットをするためには、脂質を摂るポイントがあります。
健康とダイエットの両立
糖質もそうですが、脂質も極端にカットすると、健康を害する危険があります。
脂質も糖質も、量を減らしつつ、適度に摂るようにしましょう。
健康とダイエットを両立させるためにもう1つ大事なのが、脂質のバランスです。
脂質に含まれる脂肪酸を、バランス良く摂ることが大事です。
脂肪酸には、摂り過ぎがちなものと、不足しがちなものがあります。
不足しがちなのは、オメガ3脂肪酸という脂質です。
これは、特定の油や魚に多く含まれる脂質です。
ココナッツオイルの脂肪酸
ココナッツオイルは、ほとんどが飽和脂肪酸という脂肪酸です。
飽和脂肪酸は、肉や乳製品に多く、摂り過ぎがちな脂肪酸です。
ココナッツオイルの脂質は、バランスが良い脂質ではありません。
不足しがちなオメガ3脂肪酸を摂るには、えごま油、あまに油、シソ油といった油が適しています。
普通に料理に使う油としては、ココナッツオイルよりも、一番ありふれている、キャノーラ油の方がオススメです。
キャノーラ油も高カロリーですが、ココナッツオイルよりもはるかにオメガ3脂肪酸を含んでいる、バランスの良い油です。
ココナッツオイルより、ありふれたキャノーラ油の方が、バランスよく栄養を摂れるのです。
4.ココナッツオイルの効果の真相
ココナッツオイルはダイエット効果があり、栄養も豊富で、健康・美容にも効果があると言われます。
しかし、実際は、ココナッツオイルはダイエット効果がないどころか、ダイエットにマイナスの食品です。
そして、ビタミン・ミネラルもほとんどなく、脂質のバランスも悪い食品です。
それなのになぜ、「ココナッツオイルはダイエットに効果的で、健康・美容にも効果のあるオイル」などと言われるのでしょうか?
4.1ココナッツオイルのダイエット効果
ココナッツオイルには、ダイエット効果はなく、栄養も豊富ではありません。
にもかかわらず、「ココナッツオイルは、ダイエットや美容・健康に効果的!」と言われるのは、記事を盛り上げたり、商品を売るためです。
商業的な目的で、「オイルを摂るだけで痩せる!カロリー制限なしで痩せる!美容健康に効果的!」と堂々と間違った情報が流されます。
ココナッツオイルは夢のような効果が謳われますが、実際は、ほとんどが間違いなのです。
ココナッツオイルが注目される理由
「キャノーラ油の方が脂質のバランスが良い!」と言っても、あまり記事が盛り上がりません。
そして、キャノーラ油はありふれた安い油なので、わざわざ記事で宣伝しても、宣伝した人のお金になりにくいのです。
珍しくて値段も高めのココナッツオイルの方が、宣伝した人の売上になりやすいというわけです。
間違った情報にダマされないために
「ココナッツオイルはモデルも取り入れる人気のダイエット法!」と言われると、すごく効果がありそうな気がしてしまいます。
しかし、実際は、ダイエット効果はないどころか逆効果です。
ココナッツオイルを取り入れているモデルの方は、ココナッツオイルで痩せたのではなく、痩せている人がココナッツオイルを摂っているだけです。
ダイエット効果のためにココナッツオイルを取り入れても、ムダどころか逆効果になってしまいます。
今までの食事にココナッツオイルをプラスしても、逆に体脂肪は増えてしまいます。
間違った情報にダマされず、確実にカラダを変えられるように、正しいダイエット方法を紹介します。
4.2効果的なダイエット
ダイエットの本質は、摂取カロリー<消費カロリーにすることです。
そして、効果的にダイエットをするためには、摂取カロリーを抑えるようにしましょう。
摂取カロリーを抑える
摂取カロリーを抑えて、摂取カロリー<消費カロリーにすることが、効果的なダイエット方法です。
摂取カロリーを抑えるというのは、食べるのをガマンするわけではありません。
摂取カロリーを抑えるには、【食事を変える】ことがオススメです。
いつも食べている食事を、低カロリーの食品を選んで変えることで、食べる量を減らさずにダイエットができます。
例えば、油漬けシーチキンを水煮シーチキンに変えれば、同じ量を食べてもカロリーを70%以上カットできます。
運動の効果
運動は消費カロリーを上げるので、ダイエット効果があります。
しかし、運動は効果が低いので、摂取カロリーを抑える方が効果的に痩せられます。
体重50kgの人の場合、2時間ウォーキングをして消費するカロリーは、200kcalぐらいです。
シーチキン100gを油付き→水煮に変えるだけで、同じダイエット効果を得られます。
2時間ウォーキングをするのと、シーチキンの種類を変えるのを比べれば、シーチキンの種類を変える方がラクだと思います。
運動で1kcal消費するのも、食事で1kcal抑えるのも同じダイエット効果ですが、食事の方が効率的にカロリーを抑えられます。
ココナッツオイルの取り入れ方
ココナッツオイルは高カロリーで、摂取カロリーが増える要因になってしまいます。
ココナッツオイルダイエットでは、1日に大さじ2~3杯のココナッツオイルを摂るように言われます。
しかし、それは、単純に200~300kcal摂取カロリーが増えるだけです。
ココナッツオイルは、あまり摂らない方がダイエットには効果的です。
ただ、一切摂ってはいけないわけではありません。
ココナッツオイルの風味が好きなら、量を抑えながら使う分には大丈夫です。
トータルのカロリーを抑えられれば、何を食べても大丈夫です。
ココナッツオイルが好きなら、量が増えないように気を付けながら使うことで、食事を楽しむこととダイエットの両立ができます。
ココナッツオイルの効果・効能まとめ
ココナッツオイルには、ダイエット効果は全くありません。
それどころか、摂取カロリーのプラスになるため、ダイエットには逆効果になってしまいます。
ココナッツオイルがダイエットや美容・健康に効果的というのは、記事を盛り上げるためや、商品を売るための過剰なうたい文句がほとんどです。
その情報にダマされてしまうと、お金だけ減って、体脂肪は減らずに終わってしまいます。
正しい知識があれば、効果的なダイエット方法を実践して、確実に痩せることができます。
効果的なダイエットを実践して、健康な体と理想のスタイルと健康な体を手に入れましょう!
この記事のポイントまとめ
● ココナッツオイルにダイエット効果はなく、あまり栄養もない
● どんなダイエット法でも、摂取カロリー<消費カロリーにならないと痩せない
● 食事のカロリーを抑えるのが効果的なダイエット方法