デッドリフトの効果を高める9つのコツ&7つのフォーム!

デッドリフト

ウエイトを全身の力で引き上げる「デッドリフト」は、全トレーニングの中で最大の重量を扱えて、最も多くの筋肉を鍛えられる効果的な種目です。

トレーニング効果が非常に高いため、筋肉質な体を持つ人はほぼ全員、デッドリフトを実践しています。

デッドリフトは、競技のパフォーマンスを高めるのにも効果的な種目です。

その一方で、正しいフォームをマスターするのは難しく、正しいフォーム・効果的なやり方を指導できるトレーナーは残念ながら多くありません。

デッドリフトが苦手というトレーナーも多く、筋トレ上級者でも、フォームが間違っていることがあります。

デッドリフトを実践している人の中には、「正しいフォームでできているか分からない・・・」と悩んでいる人もいるかもしれません。

やるからには、正しい方法・フォームを実践して、目的通りの効果を得たいものです。

そこで、この記事で、デッドリフトの効果を高める9つのポイント・正しいフォームを紹介していきます。

「デッドリフトはどうやるの?」という疑問から、「効果を最大限に高めたい!」という希望に応えられるように、プレズ<Plez>のコンサルタントが、デッドリフトの効果的な実践方法を徹底解説します!

この記事は、科学的な知見と医師やトレーナーへの指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。

(ダイエットの結果には個人差があります)

1.デッドリフトとは

デッドリフトとは

デッドリフト(dead lift)とは、床やラックにセットしたウエイトを、全身の力で引き上げるウエイトトレーニングです。

スクワット・ベンチプレスとともに、ウエイトトレーニングのBIG3に数えられる、効果の高い種目です。

【デッドリフト】という名前の由来は諸説ありますが、静止状態のウエイトを持ち上げるという意味の、【dead weight lift】という説が有力です。

デッドリフトは、背中・お尻・脚を中心に、全種目の中で最も多くの筋肉を鍛えられるトレーニングです。

メインで鍛えられる筋肉
脊柱起立筋
大臀筋
ハムストリング

他に鍛えられる筋肉
背中全体
大腿四頭筋
腹筋
前腕
ふくらはぎ(つま先に重心を置いた場合)

デッドリフトで鍛えられる筋肉

デッドリフトでは、上腕・胸・肩以外の筋肉を一度に鍛えられます。

これだけ効率的に筋肉を鍛えられる一方、扱える重量が大きく、体への負担が大きい種目でもあります。

間違ったフォームで行うと、背骨を痛めてしまい、体がむしろ弱体化する可能性もあります。

体の負担を減らすためにも、トレーニング効果を高めるためにも、大事なのは正しいフォームで行うことです。

この記事を読んでいただいた方が、正しいフォームでデッドリフトを実践できるように、フォームのポイントと効果を高めるやり方を紹介していきます!

デッドリフトはフォームが難しい分、キレイなフォームで出来ていると、トレーニング上級者に見えるという特典もあります。

2.基本的なフォーム

1:床にバーベルをセットする

2:バーがスネにあたるぐらいの位置に立ち、脚を肩幅に開く

3:肩幅か、もう少し広い手幅でバーを握る

4:背中に自然なアーチを作り、胸を張って、背中の筋肉を締める

デッドリフトのフォーム

5:腹筋全体に力を入れたまま、腹式呼吸で息を吸う

6:息を止めて、4・5の姿勢をキープしたまま、体を起こしてバーベルを上げていく
(少し苦しそうな表情にすると、それっぽくなります)

デッドリフトのフォーム

7:完全に立ち上がったら、息を吐く

デッドリフトのフォーム

8:バーベルをゆっくり下ろしていく

デッドリフトのフォーム

9:4~8を繰り返す

デッドリフトの参考動画

3.効果を高める9つのポイント

デッドリフトのトレーニング効果を高めるにも、ケガを防ぐにも、重要なのはポイントを押さえた正しいフォームです。

正しいフォームで実践し、効果を高められるように、デッドリフトの9つのポイントを紹介します。

よく言われるポイントから、トレーナーも知らないようなコツまで紹介していきますので、ぜひじっくりご覧ください!

3.1背中にアーチを作る

ポイントpoint
背骨の負担を減らすために、背中に自然なアーチを作る

デッドリフトを行う際に最も大事なのが、背中に自然なアーチを作ることです。

背中が猫背になって丸まっていると、背骨に負担がかかり、ケガの原因になってしまいます。

デッドリフトでの背中のアーチ

背中にキレイなアーチを作ると、ウエイトの負荷が背骨全体に分散されます。

一方、背中が丸まっていると、ウエイトの負荷が1点に集中してしまい、ケガの原因になってしまいます。

背中にアーチを作っている時の背骨

デッドリフトを行う時は、背中にしっかりアーチを作っておきましょう。

背筋を伸ばして胸を張っている時の上半身の姿勢を、常にキープするイメージです。

背中のアーチ・猫背

この上半身の姿勢を、全てのポジションでキープしましょう。

バーベルが低い位置にあるポジションでは、お尻を少し後ろに突き出すようにすることで、アーチを作れます。

背中のアーチを常にキープしておけば、背骨の負担を減らして、ケガの可能性を低減できます。

3.2背中を締める

ポイントpoint
常に背中の筋肉を締めて、腕・肩を背中に引き寄せておく

あまり紹介されていませんが、デッドリフトを行う時に重要なポイントが、背中の筋肉を常に締めておくことです。

他のトレーナーに指導を行う際にも、背中が緩んでいる人をよく目にするため、あまり知られていないポイントだと思います。

背中の筋肉が緩んでいると、脚~腰で作った力が、背中や肩から逃げてしまいます。

背中が緩んでいる状態

背中~肩で力が抜けてしまうと、上半身を支えるために、脊柱起立筋・背骨に必要以上の負荷がかかります。

背骨の負担を減らすためにも、背中や他の筋肉をバランスよく鍛えるためにも、常に背中を締めておくことが大事です。

広背筋・僧帽筋を締めておくことで、脚~腰で作った力が、背中→肩→腕を通ってしっかりバーベルに伝わります。

デッドリフトを行う時は、しっかり背中を締めて、腕・肩を背中側に引いた状態を保ったまま、バーベルを上げていきましょう。

背中が締まった状態

広背筋は腕を背中側に引く働き、僧帽筋は肩甲骨を寄せて肩を背中側に引く働きをします。

背中を締める

デッドリフトで背中を締める

上げる時は、バーが足に擦れるぐらいウエイトを体に引き寄せながら上げることで、背中の締めをキープしやすくなります。

3.3バーベルのグリップ

ポイントpoint
高重量を扱えるように、リストストラップを使ったり、オルタネイトグリップでバーベルを握る

デッドリフトは、全トレーニングの中で最大の重量を扱えます。

扱う重量が大きいため、普通にバーを握ると、鍛えたい筋肉よりも先に握力が尽きてしまいがちです。

グリップ力をキープする方法の1つは、オルタネイトグリップでバーを握ることです。

オルタネイトグリップとは、片方を順手・もう片方を逆手で握る方法です。

オルタネイトグリップ

オルタネイトグリップで握ると、左右合わせたトータルのグリップ力が向上します。

高重量を扱うもう1つの方法は、リストストラップを使うことです。

リストストラップ

リストストラップは、グリップ力を高める効果があります。

加えて、握力が弱まってバーが落ちてくると、ストラップが手首に引っかかり、ストラップ自体がウエイトを支えてくれます。

リストストラップは、安いものなら1,000円ぐらいで購入できます。

【リストストラップ】とは別に、手首を保護する【リストラップ】というややこしい名前のものもあるので、注意しましょう。

リストストラップを使い、オルタネイトグリップでバーベルを握ると、高重量でもしっかりウエイトを支えられます。

グリップ力

ストラップ+オルタネイト > ストラップ > オルタネイト > 通常

リストストラップの使い方

1:ストラップの輪の部分にもう一方の端を通し、ストラップが親指と人差し指の間を通るように手首に付ける

リストストラップの使い方

2:バーの下にストラップを通す(順手の場合)

リストストラップの使い方

3:通したストラップをバーに巻きつける

リストストラップの使い方

4:ストラップが親指方向に進むように、バーに巻きつけていく

リストストラップの使い方

5:ストラップごとバーを握る

リストストラップの使い方

※逆から見た場合

リストストラップの使い方

3.4腹圧をかける

ポイントpoint
腹圧をかけて、筋肉で体を支える

デッドリフトでは、腹圧をかけたままウエイトを上げるようにします。

お腹内部の圧力である腹圧を高めることで、上体を筋肉で支えられ、背骨の負担を減らすとともに扱える重量も上がります。

ただ、「デッドリフトで腹圧が重要」とよく言われますが、腹圧のかけ方の具体的な説明はあまり目にしないのではないでしょうか?

実際のところ、上級者やトレーナーでも、腹圧をかけられていなかったり、間違ったかけ方をしている場合があります。

こちらで、正しい腹圧のかけ方、トレーニングベルトを使う場合・使わない場合の腹圧のかけ方を紹介します!

腹圧とは

腹圧とは、お腹内部の空気が、まわりの筋肉にかける圧力のことです。

お腹の内部は、筋肉(腹筋・横隔膜・背筋・骨盤底筋)が空気を密閉しています。

腹腔

腹式呼吸で大きく息を吸い、横隔膜を下げることで、お腹内部の空気が圧迫されて腹圧が高まります。

腹圧

普通にしていると、横隔膜を下げても、腹圧に押されてお腹や背中が膨らむだけです。

そこで、腹圧が逃げないように筋肉で空気を支えることによって、空気が圧迫されて腹圧が高まります。

腹圧は、お腹の中に堅いゴムボールがあるようなイメージです。

しっかり腹圧がかかれば、腹圧や筋肉が体をささえる働きをし、上体が安定します。

腹圧のかけ方

腹圧のかけ方は、トレーニングベルトを使うか使わないかによって、全く違ってきます。

トレーニングベルトを使うと、ベルトが腹筋・背筋を押さえつけることで、お腹の空気を圧迫し、腹圧がかかります。

トレーニングベルトを使わない場合は、腹筋・背筋に力を入れて、筋肉で圧力を支えることで、お腹の空気を圧迫して腹圧をかけます。

トレーニングベルトを使う場合の腹圧のかけ方

トレーニングベルト

トレーニングベルトを使う場合、腹式呼吸でめいっぱい息を吸い、お腹を膨らませましょう

ベルトが、膨らもうとする腹筋・背筋を押さえつけ、お腹内部の空気に圧力をかけて腹圧が高まります。

トレーニングベルトと腹圧

デッドリフトでは、セットポジションで息を大きく吸い込んで、腹圧をかけます。

そして、息を止めて腹圧を保ったままバーベルを上げていき、上げ切ってから息を吐きましょう。

ベルトを使う方が腹圧を高められるので、デッドリフトを行う時は、トレーニングベルトを使うことがオススメです。

トレーニングベルトを使わない場合の腹圧のかけ方

トレーニングベルトを使わない場合、腹圧のかけ方が変わってきます。

ベルト無しでお腹を膨らませても、圧力を受け止める物がなく、お腹が膨らむだけで腹圧は高まりません。

そこで、腹筋・腹斜筋・背筋など、お腹周りの筋肉に力を入れた状態で、腹式呼吸で息を吸いましょう。

そうすると、筋肉が空気を支え、圧力をかけることによって、腹圧が高まります。

トレーニングベルトなしの腹圧

「お腹をへこませる」のではなく、「腹筋に力をいれたまま息を吸う」イメージです。

このように、トレーニングベルトの有無で、腹圧のかけ方が全く変わってきます。

呼吸はトレーニングベルト使用時と同じで、セットポジションで大きく息を吸い、息を止めたままバーベルを上げ、上げきってから息を吐きましょう。

腹圧の練習

トレーニングをしたことがない人・トレーニング歴が浅い人にとっては、腹圧をかけるというのは馴染みがなく、あまりピンとこないかもしれません。

そして、腹圧をかける感覚を身に付けるには、少し慣れが必要です。

実際にデッドリフトを行う前に、まず、腹圧を練習してみるのがオススメです。

腹圧をかけ、その状態で背中を丸めようとしてみてください。

「腹筋が硬くてほとんど背中が曲がらない」という感覚があれば、上手く腹圧がかかっています。

3.5バーベルを一直線に上げる

ポイントpoint
力のロスを減らすために、ウエイトを一直線に上げる
上体をしっかり倒し、背中を締めて、バーを脚に引き寄せながら上げていく

デッドリフトでは、力のロスを減らすために、バーベルを一直線に上げましょう。

バーベルが前後にブレると、上方向以外に力が取られてしまい、力のロスが発生します。

ウエイトが一直線に上がると、筋力が一方向に発揮されているので、力のロスがなくなります。

バーベルを一直線に上げるポイント

バーベルを直線に上げる1番のポイントは、セットポジションでしっかり上体を倒すことです。

上体を起こしすぎると、ひざを深く曲げてバーをつかむ必要があります。

そうすると、バーがひざに当たってしまうので、ヒザを避けるために、バーを前に出さなくてはいけません。

ウエイトを一直線に上げるには、セットポジションでしっかり上体を倒し、ヒザが曲がりすぎないようにしましょう。

ウエイトを一直線に上げる

フォームのポイント

バーベルを一直線に上げるには、まず、バーがスネに当たるぐらいの位置に立ちましょう。

そして、肩がバーの少し前に出るぐらい、上体を倒しましょう。

肩をウエイトの前に出す

バーベルを上げる時は、まずはヒザを伸ばしてウエイトを上げていき、バーがヒザを通過したら上体を上げていく、というイメージです。

バーが地面~ヒザにあるときは、ヒザを伸ばす8:上体を起こす2ぐらいの割合、ヒザを通過したら、ヒザを伸ばす2:上体を起こす8という感じです。

また、背中の広背筋・僧帽筋を締めておき、バーが常に足をこするぐらいの位置をキープしましょう。

これらのポイントを押さえると、バーベルを一直線に上げられるようになります。

まずは、軽い重量を使って、ウエイトが一直線に上がるように練習するのがオススメです。

ウエイトの軌道を確認する

バーベルの軌道は、横に鏡を置いてデッドリフトを行うことで確認できます。

また、横から動画を撮れば、あとで見返して、繰り返しフォームをチェックできます。

バーベルを一直線に上げられるようになると、扱える重量も上がっていき、筋肉をしっかり鍛えられます。

3.6背中を反らしすぎない

ポイントpoint
背中のアーチを作るのは大事だが、やりすぎると逆効果。
自然なアーチを保つ

3.1背中にアーチを作る でお話ししたように、デッドリフトでは、背骨に負担がかからないよう背中にアーチを作ることが重要です。

かといって、背中を反らせすぎるのも問題があります

極端に背中を反らせると、逆に背骨の負担が増えてしまう場合もあります。

また、脊柱起立筋にばかり負荷がかかり、他の筋肉の負荷が減ってしまいます。

アーチを作りすぎない

脊柱起立筋は体幹を支える働きをする、競技では重要な筋肉です。

しかし、カッコイイ体を作る上では、あまり重要ではありません。

脊柱起立筋は他の筋肉の下に隠れている筋肉で、鍛えても黄色の部位が少し盛り上がるぐらいと、あまり見た目に変化が無いからです。

脊柱起立筋を鍛えた場合

カッコイイ背中を作るには、脊柱起立筋ばかり鍛えるよりも、広背筋・僧帽筋を鍛えることが重要です。

背骨の負担を減らすためにも、バランスよく筋肉を鍛えるためにも、背中は自然なアーチを保ちましょう。

フィニッシュポジションでも同様です。

「体を後ろに引く」というよりも「上に伸びる」というイメージにすることで、キレイなフォームになります。

上に伸びる

3.7 4つの筋肉で上体を起こす

ポイントpoint
上体は、脊柱起立筋・大臀筋・ハムストリング・腹筋の4つの筋肉で起こす。
それぞれの筋肉の働きを理解して、バランスよく筋肉を使う

デッドリフトでは、4つの筋肉を使って、上体を起こす力を作ります

上体を起こす力は、脊柱起立筋・大臀筋・ハムストリング・腹筋で生み出します。

それぞれの働きを理解してしっかり意識することで、これらの筋肉を同時に鍛えられます。

脊柱起立筋は、背骨を起こす働きをします。

脊柱起立筋の働き

大臀筋・ハムストリングは、股関節を起こす働きをします。

大臀筋・ハムストリングの働き

腹筋は、骨盤を前方に持ち上げる働きをします。

腹筋の働き
デッドリフトでは、お尻を後ろに引いた状態から骨盤を前方に持ってくるために、腹筋の力を使います。

デッドリフトにおける腹筋の働き

腹筋は、バーがヒザより下にあるときはあまり力を発揮しませんが、ヒザを超えたあたりから力を発揮してきます。

他の3つの筋肉に比べてあまり注目されませんが、実は、腹筋はデッドリフトでしっかり鍛えられます

デッドリフトでは、クランチやシットアップといった腹筋のトレーニングをしなくても良いぐらい、腹筋を鍛えられます。

3.8正しいフィニッシュポジション

ポイントpoint
フィニッシュポジションでしっかり体を上げきる

フィニッシュポジションでは、完全に立ち上がってウエイトを上げきりましょう。

ヒザ伸ばし、股関節を起こして、骨格でウエイトを支える「ロックアウト」の状態を作ります。

フィニッシュポジションで、「自然に立っている状態」と同じ姿勢を作れるのが理想です。

デッドリフトのフィニッシュ

フィニッシュポジションは、フィニッシュ時点だけで作るものではなく、セット・リフトからつながっています。

セット→リフトが正しいフォームで出来ていれば、フィニッシュポジションも正しく定まっていきます。

3.9背中(広背筋・僧帽筋)を鍛える

背中(広背筋・僧帽筋)を鍛える

ポイントpoint
広背筋・僧帽筋を鍛えるには、しっかり背中を締めたセットポジションを作ることが重要。
毎回、しっかりセットポジションを作ってからバーベルを上げる

デッドリフトは、広背筋・僧帽筋といった背中の筋肉を鍛える目的で実践することもできます。

ただし、ポイントを押さえた正しいフォームで実践しないと、広背筋・僧帽筋をあまり使わなくなってしまいます。

目的の筋肉をしっかり鍛えられるように、デッドリフトで広背筋・僧帽筋を鍛えるためのポイントを紹介していきます。

セットポジション

広背筋・僧帽筋を鍛えるには、セットポジションのフォームが最も重要です。

3.2背中を締める で紹介したように、スタートポジションで背中を締め、肩と腕を背中に引き付けておきましょう。

これをしないと、広背筋・僧帽筋にほとんど効かないといっても過言ではありません。

デッドリフトでの広背筋・僧帽筋の役割は、脚・腰で作った力を逃がさず、バーベルに伝えることです。

セットポジションでしっかり背中を締めておけば、広背筋・僧帽筋に負荷を乗せられます。

バーベルを上げる時

バーベルを上げ始めてからも、背中が締まった状態をキープしましょう。

広背筋・僧帽筋は、【ストレッチ→収縮させる】という形で力を発揮するわけではなく、【収縮した状態を保つ】という形で力を発揮します。

バーベルが脚に擦るぐらい引き寄せながらバーベルを上げることで、広背筋・僧帽筋に負荷が乗りやすくなります。

フィニッシュポジション

デッドリフトで広背筋・僧帽筋を鍛える上で、フィニッシュポジションはあまり重要ではありません。

セットポジションで広背筋・僧帽筋が緩んでいて、フィニッシュだけ収縮させても、負荷が乗っていないので、あまりトレーニング効果がありません。

広背筋・僧帽筋を鍛えるには、フィニッシュポジションよりも、セットポジションでしっかりフォームを作ることが重要です。

再度セットポジションを作る

バーベルを上げた後、下ろしていく時に、広背筋・僧帽筋はウエイトに負けて緩んでいきます。

そして、再びバーベルを上げる前に、一度ウエイトを完全に下ろして、きっちりセットポジションを作りましょう

デッドリフトは、ウエイトを地面に付けずに切り替えしたり、軽く地面にバウンドさせる方法が一般的です。

しかし、高重量を扱っている場合、この方法だとまず背中を締められません。

1回1回背中を締めて、丁寧にセットポジションを作ることで、広背筋・僧帽筋をしっかり鍛えられます。

背中を鍛えるバリエーション

デッドリフトはいろいろなバリエーションがあり、広背筋・僧帽筋を中心に鍛えられる種目もあります。

背中を中心に鍛えるにはハーフ(トップサイド)デッドリフト、広背筋の負荷を増やすにはワイドグリップデッドリフトが効果的です。

鍛えたい筋肉に応じて、最適な種目を選べるように、次にデッドリフトのバリエーションを紹介していきます。

4. 7つのバリエーション

デッドリフトは、ウエイトの種類やフォームによって色々なバリエーションがあり、それぞれ効果が異なってきます。

目的にあった効果を得られるように、デッドリフトのバリエーションと実践方法を紹介していきます!

4.1ダンベルデッドリフト

ダンベルデッドリフト

ポイントpoint
ダンベルデッドリフトの基本的な効果は、バーベルデッドリフトと同じ。
軌道が自由で背中の筋肉を収縮させやすい代わりに、不安定でフォームが難しくなる

ダンベルデッドリフトとは、ウエイトにダンベルを使うデッドリフトです。

ダンベルは軌道に制約がなく、バーベルよりも広背筋・僧帽筋を収縮させやすいという特徴があります。

一方、バーベルよりも不安定なため、扱えるウエイトは80%程度になります。

これは、筋肉の使用が減るという訳ではなく、ウエイトを安定させるために力を使うので、扱える重量がバーベルより減るというイメージです。

ただ、不安定な分、正しいフォームで行うことが少し難しくなります。

ダンベルデッドリフトの基本的な効果はバーベルデッドリフトと同じなので、バーベルが使えない場合に、代わりとして取り入れられます。

基本的なやり方は、バーベルデッドリフトと同じです。

1:床にダンベルを起き、肩幅程度に足を開いて、床に置いたダンベルを握る

2:背中にアーチを作り、背中を締め、大きく息を吸い込んで腹圧をかける

3:2の姿勢を維持したまま、ダンベルを脚・体に引き付けるようにしながら、一直線に上げる

4:完全に立ち上がるまでダンベルを上げたら、息を吐き、ダンベルを下ろしていく。

5:2~4を繰り返す

4.2スミスマシンデッドリフト

スミスマシンデッドリフト

ポイントpoint
軌道が固定されているので、バーベルが一直線に上がる
軌道が決まっているので、体の動きとバーベルの動きが合わない部分がある

スミスマシンデッドリフトとは、バーベルの軌道を上下に固定した、スミスマシンで行うデッドリフトです。

スミスマシンは軌道が固定されているので、ウエイトを一直線に上げるためのフォームをマスターしやすくなります。

「通常のバーベルだと一直線に上がらない!」という場合、スミスマシンを使えば、フォームを矯正したり直線に上げる感覚を養えます。

ただ、正しいフォームでデッドリフトを行っても、ウエイトを100%一直線に上げている訳ではありません。

そのため、スミスマシンの軌道と体の動きが若干合わない部分があり、フリーのバーベルより扱える重量が減ることもあります。

スミスマシンデッドリフトの基本的な実践方法はこちらです。

1:スミスマシンのバーベルを一番下に下ろしておき、プレートを付け、バーベルを握る

2:背中を締めてセットポジションを作り、大きく息を吸って腹圧を高める

3:息を止めたままバーベルを上げていく

4:完全に立ち上がるまでバーベルを上げたら息を吐き、バーベルを下ろしていく

5:2~4を繰り返す

4.3ハーフ(トップサイド)デッドリフト

ハーフ(トップサイド)デッドリフト

ポイントpoint
ヒザぐらいの高さまでしかバーベルを下ろさないデッドリフト。
背中を集中的に鍛えられる

ハーフ(トップサイド)デッドリフトとは、可動域を限定し、バーベルをヒザぐらいの高さまでしか下ろさないデッドリフトです。

効果の特徴は、背中を集中的に鍛えられることです。

下半身、特にヒザを伸ばす大腿四頭筋の使用が減りますが、可動域を限定するため、通常より20%ほど重い重量を扱えます。

使用重量が上がり、下半身の使用が減ることで、背中への負荷が高まります。

ハーフデッドリフトは、通常より高重量を扱うため、下ろしていったウエイトを切り返す際に広背筋・僧帽筋を締める、ということはまずできません。

そのため、しっかり背中を締めたセットポジションを作るためには、ラックやスミスマシンが必要です。

ラックを使ったやり方

ラックを使う場合、ヒザの高さにセーフティバーをセットしておきましょう。

ラックを使ってセーフティバーにバーベルを下ろす場合、上げ方・呼吸法は通常のデッドリフトと同じです。

背中をしっかり鍛えるには、毎回セーフティバーにバーベルを下ろし、セットポジションできっちり背中を締めるようにしましょう。

ラックなしのやり方

1:通常のデッドリフトでバーベルを持ち上げる

2:バーベルを下ろしながら息を吸い、腹圧を高めていく。

3:ヒザの高さまで降りたら、動きを切り替えし、呼吸を止めてウエイトを上げていく。

4:上げきったら息を吐き、息を吸いながらバーベルを下ろしていく

5:3・4を繰り返す

4.4スティッフレッグドデッドリフト

スティッフレッグドデッドリフト

ポイントpoint
ヒザを伸ばしたまま行うデッドリフト。
ハムストリング・大臀筋を集中的に鍛えられる

スティッフレッグドデッドリフトとは、脚を伸ばしたまま行うデッドリフトです。

ヒザを伸ばす力を使わない代わりに、股関節を起こすハムストリング・大臀筋を集中的に鍛えられます。

大腿四頭筋を使わないため、使用重量は、通常のデッドリフトの70%ぐらいになります。

体が硬い場合、床まで下ろさず、ハムストリングがストレッチする位置まで下ろせば大丈夫です。

1:通常のデッドリフトでバーベルを持ち上げる

2:お尻を後ろに引きながら、ヒザを曲げずに上体を倒していく。同時に、息を吸って腹圧を高めていく。

3:ハムストリングがストレッチする位置まで来たら、息を止めてバーベルを上げていく

4:バーベルが完全に上がったら息を吐く。

5:2~4を繰り返す

4.5ルーマニアンデッドリフト

ルーマニアンデッドリフト

ポイントpoint
あまりヒザを曲げず、上体を深く倒すデッドリフト。
大腿四頭筋の使用が減り、背中・大臀筋・ハムストリングの使用が増える

ルーマニアンデッドリフトとは、通常よりもヒザを曲げないデッドリフトです。

通常のデッドリフトとスティッフレッグドデッドリフトの中間、というイメージです。

各種デッドリフト

ヒザを伸ばす大腿四頭筋の使用が減り、ハムストリング・大臀筋・背中をメインで鍛えられます。

大腿四頭筋の使用が減るため、使用重量は、通常のデッドリフトの90%ぐらいになります。

大腿四頭筋を鍛えたいかどうかが、トレーニングプログラムに通常のデッドリフトを入れるかルーマニアデッドリフトを入れるかを決めるポイントです。

1:通常のデッドリフトよりもヒザを曲げず、上体を深く倒してバーを握る

2:アーチを作って背中を締め、息を吸って腹圧を高めて、バーベルを上げていく

3:上げきったら息を吐き、バーベルを下ろしていく。

4:通常のデッドリフトよりもヒザを曲げず、上体を倒すことでバーベルを下ろしていく

5:2~4を繰り返す

4.6ワイドグリップデッドリフト

ワイドグリップデッドリフト

ポイントpoint
手幅を広げたデッドリフト。
広背筋の使用が増える

ワイドグリップデッドリフトとは、通常よりも手幅を広く取ったデッドリフトです。

広背筋の負荷が増え、集中的に鍛えられます。

ワイドグリップデッドリフトでは、肩幅の2倍ぐらいの手幅でバーベルを握ります。

他の基本的なフォームは、通常のデッドリフトと同様です。

ダンベルではワイドグリップを作れないので、バーベルかスミスマシンで実践しましょう。

ワイドグリップでバーを握り、しっかり背中を締めてデッドリフトを行えば、広背筋を効果的に鍛えられます。

4.7スモウ(ワイドスタンス)デッドリフト

スモウ(ワイドスタンス)デッドリフト

ポイントpoint
足幅を広げたデッドリフト。
スクワットに近い筋肉の使い方をし、大腿四頭筋・大臀筋の使用が増える

スモウ(ワイドスタンス)デッドリフトとは、脚のスタンスを広く取ったデッドリフトです。

力士が四股を踏むような恰好でデッドリフトを行います。

デッドリフトよりスクワットに近い筋肉の使い方をし、背中の使用が減る代わりに、大腿四頭筋・大臀筋をメインで鍛えられます。

スモウデッドリフトは、パワーリフティングというデッドリフト・スクワット・ベンチプレスの重量を争う競技で、日本人のリフターがよく使うフォームです。

スクワット、特にワイドスタンススクワットとほぼ同じ筋肉を使うので、スクワットとの兼ね合いを考えて、トレーニングプログラムに取り入れましょう。

1:脚幅を広く取り、ヒザの負担を減らすために、つま先を外に向け、ヒザとつま先の向きを合わせておく

2:ヒザを深く曲げ、あまり上体を倒さずに、肩幅の間隔でバーベルを握る

3:背中の筋肉を締め、背中にアーチを作り、息を吸って腹圧をかける

4:息を止めて腹圧を保ったまま、ヒザを伸ばす力・股関節を起こす力でウエイトを上げていく

5:完全に立ち上がる位置までウエイトが上がったら息を吐き、ウエイトを下ろしていく

6:3~5を繰り返す

4.8デッドリフトのバリエーションまとめ

種目特徴
ダンベル軌道が自由で不安定
背中を締めやすい
スミスマシン軌道が固定
一直線に上がるが、軌道が合わないことも
ハーフ背中を集中的に鍛えられる
スティッフ
レッグド
大腿四頭筋を使わず、ハムストリング・大臀筋を集中的に鍛えられる
ルーマニアン大腿四頭筋の使用が減り、背中・ハムストリング・大臀筋の使用が増える
ワイド
グリップ
広背筋の使用が増える
スモウ下半身の使用が増え、背中の使用が減る
スクワットに近い

5.デッドリフトの効果

ここまでで、デッドリフトのフォームのポイント、様々なバリエーションを紹介してきました。

ところで、あなたはどのような目的でデッドリフトを実践しますか?

デッドリフトは、「カッコイイ体を作る」「ダイエットのため」「競技のパフォーマンスを高める」「健康な体を手に入れたい」など、様々な目的で実践されます。

ただ、中には、そもそもあまりない効果を期待して実践しているケースもあります。

「トレーニングをしているのに効果がない!」ということを防ぎ、目的通りの効果を得られるように、デッドリフトの具体的な効果・目的ごとの効果的な実践方法を紹介します!

5.1ボディメイク効果

ボディメイク効果

ポイントpoint
デッドリフトはボディメイクに効果的な種目。
体脂肪を落とすためではなく、筋肉を付けてスタイルを作るために実践する

デッドリフトを実践する目的として最も多いのが、「筋肉を付けてカッコイイ体を作る」というものです。

デッドリフトは、男女とも、ボディメイクに非常に効果的な種目です。

男性のボディメイク

男性は、一般的に、胸・背中・腹筋・肩・腕といった、上半身の筋肉を付けることでカッコイイ体を作れます。

デッドリフトは背中を全体的に鍛えられて、逆三角形の上半身・厚く広い背中を作る効果があります。

実践するバリエーションは、鍛えたい部位や他の種目との兼ね合いを考えて、選択しましょう。

女性のボディメイク

女性は、脚・お尻・背中の筋肉を鍛えると、キレイな体を作れます。

脚に適度に筋肉がつけることで、スラッとしたキレイな脚のラインを作れます。

お尻も、筋肉をつけることで、ハリのある丸いヒップになります。

女性も適度に広背筋を鍛えることで、上半身がゆるやかな逆三角形になり、ウエストを強調したラインになります。

デッドリフトでは、脚・お尻・広背筋を一気に鍛えられるので、女性のボディメイクにも非常に効果的です。

デッドリフトのダイエット効果

体脂肪を落とす目的で、デッドリフトを実践する必要はありません。

デッドリフトに体脂肪を落とす効果はほとんどないからです。

デッドリフトで体脂肪を落とそうと思うと、脂肪を1kg落とすだけで、1,000セットぐらい必要になってしまいます。

また、筋肉をやっと1kgつけても、基礎代謝は10~30kcal程度しか上がらず、体脂肪はほとんど減りません。

デッドリフトは、脂肪を落とすためではなく、筋肉によってスタイルを作るために実践しましょう。

筋肉をつけてスタイルを作るためには、デッドリフトは抜群の効果があります!

5.2競技のパフォーマンス向上効果

競技のパフォーマンス向上効果

ポイントpoint
デッドリフトは競技のパフォーマンスを高めるのに非常に効果的
競技の特性に合わせて、筋力・筋持久力を向上させる

競技のパフォーマンスを高めるためにも、デッドリフトは非常に効果的な種目です。

「デッドリフトでパフォーマンスの上がらない競技はない」と言っても過言ではないぐらいです。

デッドリフトでは、下半身・体幹・背中まで、多くの筋肉を鍛えられます。

広背筋・僧帽筋の働き

デッドリフトで鍛えられる背中の広背筋・僧帽筋は、腕・肩を引く働きをします。

柔道の引き手や、水泳で水をかく動作、パンチや突きで出した腕を戻す動作のほか、野球・ゴルフのスイング、ラケットのバックハンドなどでよく使う筋肉です。

体幹の筋肉の働き

脊柱起立筋・腹筋といった体幹の筋肉は、体勢を支えたり、下半身で作ったパワーを上半身に伝える働きをします。

柔道・ラグビー・相撲・サッカーなど、接触の多い対人スポーツで、特に重要性が高い筋肉です。

また、投げる動作・ラケットのスイングなどでも、体幹の筋肉が強ければ、下半身で作ったパワーをうまく上半身に伝えられます。

下半身の筋肉の働き

大臀筋・ハムストリング・大腿四頭筋といった筋肉は、下半身のパワーを作ります。

下半身の力はほとんどの競技・動きで使用しますが、特に、走る・跳ぶといった動作では、この3つの筋肉が主な力を作ります。

下半身の筋肉を鍛えるには、デッドリフトは、スクワット・レッグプレスの次に効果的な種目です。

競技のパフォーマンスを高めるには、競技の特性に応じて、筋力筋持久力を高めることが重要です。

筋力はパワー、筋持久力は筋力を継続して発揮できる持続力です。

筋力を高めるデッドリフト

筋力を高めるには

①筋肉を大きくすること
②神経を発達させて発揮する筋力を100%に近づけること

この2つが重要です。

筋肉を大きくするには、トレーニングでしっかり筋肉を使い切りましょう。

8回ぐらいが限界の重めの重量で、3セットのトレーニングが効果的です。

競技の練習で下半身・体幹の筋肉をよく使っていたり、すでにかなり筋力がある場合、トレーニングプログラムの調整が必要になります。

神経を発達させるには、2~3回が限界の高重量が適しています。

ギリギリ1回できる重量も効果的ですが、デッドリフトの場合、ギリギリの重量だと背中のアーチ・締めをキープできません。

ケガのリスクも高まるので、「2~3回は確実に上がる重量」がオススメです。

神経の発達・筋肥大の両方を狙う場合は、こちらのセットの組み方が効果的です。

1セット:2~3回の高重量
2セット:8回ぐらいの重量
3セット:8回ぐらいの重量

筋持久力

筋持久力を高めるには、低負荷で高回数のトレーニングが効果的です。

高回数のトレーニングを行うことで、筋肉周りの毛細血管が発達し、疲労物質の排除・エネルギーの供給が活発になります。

筋持久力を高めるには、30~50回出来る軽めの重量を使いましょう。

筋力と筋持久力を高める

筋力と筋持久力の両方を高める場合、こちらのセットの組み方が効果的です。

1セット:2~3回の高重量
2セット:8回ぐらいの重量
3セット:30~50回できる低重量

競技の動きに合わせたデッドリフト

競技の場合、個々の筋肉のパワー・持久力を向上させるだけでなく、筋肉の使い方・連動も重要です。

デッドリフトでは、かかとに重心を置くことが一般的です。

しかし、走る・跳ぶなど、競技の動作はほとんどがつま先重心です。

かかと重心の筋力発揮に慣れることは、競技にはマイナスです。

そのため、競技のパフォーマンスのためには、つま先重心でデッドリフトを行うようにしましょう。

筋肉の連動・瞬発力を高めるのに効果的な【クリーン】という種目でも、つま先重心で、デッドリフトと同じ動作を行います。

競技目的の場合、パフォーマンス向上にも、クリーンの正しいフォーム習得のためにも、つま先重心のデッドリフトが効果的です。

5.3健康促進効果

健康促進効果

健康な体を作り、ハリのある生活を送るためにも、デッドリフトは効果的な運動です。

健康な体を作るポイントの1つは、筋力を保つことです。

運動をしていないと、年齢の経過とともに筋肉が減って、筋力が落ちてしまいます。

特に、足腰の筋力が落ちると、将来的に歩くことが困難になります。

デッドリフトは、脚・腰・背中の筋肉を鍛え、筋肉の維持・成長や、筋力を向上させる効果があります。

また、脊柱起立筋など、背中・腰回りの筋肉を鍛えることは、腰痛の予防にも効果があります。

現時点で発症している症状の治療や、リハビリのためにデッドリフトを取り入れる場合は、医師・理学療法士などの指導に従ってデッドリフトを取り入れましょう。

実践方法

健康目的の場合、筋力を高めることが特に重要です。

ただ、競技目的のように2~3回しかできない高重量を取り入れて、神経の発達を狙う必要はありません。

8回ぐらい上がる重量で、神経はある程度発達し、筋力が向上します。

そして、筋肉が成長することによっても、筋力は向上します。

余裕をもってできる範囲で、安全にデッドリフトを取り入れて、健康な体を作っていきましょう!

6.必要な器具・設備

それでは、実際にデッドリフトを行うにあたって、必要な器具・設備を紹介していきます。

補助アイテムを使わなければ、デッドリフトはウエイト1つで実践できます。

効果的なトレーニングを行うには高重量が必要ですが、器具を揃えれば家トレも可能です。

6.1ジムの場合

ジムの場合、バーベル・ダンベル・スミスマシンの3種類のウエイトで、デッドリフトを行えます。

十分な重量のダンベルやスミスマシンが無い場合もありますので、状況に合わせてウエイトを選択しましょう。

ジムによっては、「ラックを使わないといけない」「ラック外ではパッドを敷く」などのルールがありますので、インストラクターに案内してもらいましょう。

自分で用意するものとしては、トレーニングベルトとリストストラップがあります。

トレーニングベルトは1,000~5,000円、ストラップは1,000~3,000円ぐらいで、ネット・スポーツショップ・ジムのフロントで購入できます。

ベルトとストラップは必須ではありませんが、効果的なトレーニングを行うには、ぜひ用意しておきたいアイテムです。

6.2家トレの場合

デッドリフトは高重量のウエイトが必要なので、ジムで行うことがオススメです。

ただ、十分なウエイトを揃えれば、自宅で行うことも可能です。

自宅で行う場合でも、手軽に揃うからと、5kgなどの低重量を使うのは止めておきましょう。

軽すぎて、トレーニング効果がほぼ0になってしまいます。

そろえるウエイトの目安はこちらです。

ダンベルかバーベルのどちらか一方で大丈夫です。

ダンベル
男性:体重の80%×2
女性:体重の40%×2

バーベル
男性:体重の200%
女性:体重の100%

ウエイトは、リーズナブルで、重量を調整できるこちらをオススメしています。

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ファイティングロード→
ファイティングロード

家トレ、特にマンション・アパートの場合、衝撃吸収マットを使うのがオススメです。

7.デッドリフトの平均・記録

最後に、使用重量の目安となるように、デッドリフトの平均重量とレベル別の目安を紹介します。

併せて、デッドリフトの日本記録・世界記録も紹介します。

もちろん、日本記録・世界記録はそう簡単に到達できるものではありませんが、デッドリフトを始めてすぐは、面白いように重量が伸びていきます。

フォームのマスター・神経の発達により、扱える重量が数ヶ月で2倍以上になることもあります。

ぜひ、正しいフォームをマスターし、筋力を高めて、効果的なトレーニングを行いましょう!

7.1デッドリフトの平均重量

デッドリフトの平均重量

はじめてデッドリフトを行う時に上げられる重量は、平均で女性:体重の60%男性:体重の100%ぐらいです。

平均体重を考慮すると、女性:30kgちょっと、男性:65kgぐらいが平均です。

デッドリフトを繰り返しトレーニングしていくと、使用重量も伸びていきます。

レベル別の重量目安がこちらです。

※体重に対する重量の割合

初心者中級者上級者マスター
~2.0倍2.0~2.5倍2.5~3.0倍3.0倍~

上げられる最高重量を知りたい場合、直接測定しなくても、こちらの表で目安を把握できます。

横の欄:扱っている重量
縦の欄:上げた回数
該当箇所:重量目安

例:40kgを8回上げられた場合、扱える重量の目安は50kg

上げた回数
使用
重量
2345678910
2345678910
20212222232424252627
25262728292930313233
30323233343536383940
35373839404142444547
40424344464748505253
45474950515355565860
50535456575961636567
55585961636567697173
60636567697173757780
65687072747679818487
70747678808285889093
757981838688919497100
80848689919497100103107
8589929497100103106110113
909597100103106109113116120
95100103106109112115119123127
100105108111114118121125129133
105111114117120124127131135140
110116119122126129133138142147
115121124128131135139144148153
120126130133137141145150155160
125132135139143147152156161167
130137141144149153158163168173
135142146150154159164169174180
140147151156160165170175181187
145153157161166171176181187193
150158162167171176182188194200
155163168172177182188194200207
160168173178183188194200206213
165174178183189194200206213220
170179184189194200206213219227
175184189194200206212219226233
180189195200206212218225232240
185195200206211218224231239247
190200205211217224230238245253
195205211217223229236244252260
200211216222229235242250258267
205216222228234241248256265273
210221227233240247255263271280
215226232239246253261269277287
220232238244251259267275284293
225237243250257265273281290300
230242249256263271279288297307
235247254261269276285294303313
240253259267274282291300310320
245258265272280288297306316327
250263270278286294303313323333

7.2デッドリフトの日本記録・世界記録

デッドリフトの日本記録は、市川正光さんが39歳で上げた、335kgです。

成人男性5人分の重量を1人で上げてしまっています。

世界記録では、さらに高重量が上げられています。

バーベルデッドリフトの世界記録は、Eddie Hall(イギリス)が28歳で上げた、500kgです。

なんと、成人男性約8人分の重量を上げ、その後に気を失って病院に搬送されました。

もちろん、これだけの記録はそう簡単に達成できませんが、男性で100kg、女性で50kgぐらいはけっこう簡単に達成できます。

デッドリフトはフォームが難しい種目ですが、非常にトレーニング効果が高く、重量も伸びやすい種目です。

ポイントを押さえた正しいフォームで実践すれば、筋力はしっかり上がっていき、筋肉も成長していきます。

正しいデッドリフトのフォームをマスターして、効果的なトレーニングを実践しましょう!

8.デッドリフトまとめ

デッドリフト

いかがでしたか?

デッドリフトは全種目の中で最も大きい重量を扱え、最も多くの筋肉を鍛えられる種目です。

ボディメイク・競技のパフォーマンス向上・健康のための筋力維持、どれをとっても抜群の効果があります。

その一方で、ポイントが多く、正しいフォームの習得が難しい種目でもあります。

ぜひ、この記事で紹介したポイントを繰り返し参照していただき、正しいフォームをマスターして、効果的なデッドリフトを実践しましょう!

 プレズ<Plez>

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