玄米は、「ダイエットや健康に効果がある」とよく紹介される食品です。
しかし、玄米のダイエット効果についての情報は、間違っているものが多く、正しい効果はほとんど知られていません。
間違った情報を信じてしまうと、いくら玄米を食べても、体は変わらずに終わってしまいます。
確実に痩せられるように、玄米ダイエットの真相と、効果的なダイエット方法を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1.玄米ダイエットとは
玄米ダイエットとは、文字通り、玄米を食べるダイエット方法です。
玄米ダイエットでは、「玄米にダイエット効果があるため、白米に変えて玄米を食べれば痩せる」と言われます。
お米の種類を変えるだけで痩せられるなら、簡単で素晴らしいダイエットです。
しかし、本当に、玄米を食べるだけで痩せるということがあるのでしょうか?
この記事で、玄米のダイエット効果の真相を徹底解明します。
まずは、一般的な玄米ダイエットのやり方を紹介します。
1.1玄米と白米
玄米とは、精白していないお米です。
玄米は、白米の外側に、果皮や種皮といった固い皮が付いている状態です。
もみ殻から取り出したお米が玄米、そこから精白すると白米になります。
精白で取り除かれた皮が、米ぬかになります。
玄米は、精白する手間がかからず、米ぬかが取り除かれていない分、1粒がほんの少し大きくなります。
そのため、同じ種類のお米であれば、玄米は白米よりも少し安い値段で購入できます。
1.2玄米ダイエットのやり方
玄米ダイエットでは、いつも食べている白米を、玄米に変えるだけで痩せると言われます。
それは、「玄米にはビタミン・ミネラルが豊富で代謝をアップしたり、食物繊維が血糖値の上昇を抑え、食べたものが脂肪になるのを防ぐからだ」と言われます。
白米から玄米に変えただけで痩せるとしたら、ラクで簡単に痩せられる、夢のようなダイエット方法です。
しかし、玄米ダイエットの効果には、かなり間違った情報が混じっています。
この間違った情報にダマされてしまうと、いくら玄米を食べても、体は変わらずに終わってしまいます。
間違った情報にダマされず、正しいダイエットを実践して確実にカラダを変えられるように、玄米ダイエットの真相をお伝えします。
2.玄米の栄養とダイエット効果
玄米は栄養が豊富で、ダイエット効果があると言われます。
しかし、玄米ダイエットの記事で目にする情報は、間違ったものがほとんどです。
実際には、玄米にはどれぐらい栄養があり、その栄養にはどれぐらいダイエット効果があるのかを解明していきます。
2.1玄米の栄養
玄米は、白米を精白する前の、果皮などが付いたお米です。
この果皮には、ビタミン・ミネラル・食物繊維が含まれています。
実際に、白米よりも、玄米はビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な食品です。
玄米のビタミン・ミネラルを100%としたときの、白米のビタミン・ミネラルがこちらです。
玄米は、白米よりもビタミン・ミネラルを豊富に含んでいることが分かります。
2.2栄養のダイエット効果
玄米は、白米よりも栄養素が豊富な食品です。
しかし、栄養が豊富なことは、ダイエット効果とは関係がありません。
栄養をバランスよく摂れることは、健康には効果があります。
しかし、健康に良いこととダイエット効果はまた別物です。
栄養とダイエット
ダイエット情報では、よく「○○は栄養が豊富で、ダイエットにも効果的!」といった紹介がされます。
しかし、ビタミン・ミネラルといった栄養素を摂ることは、ダイエットとは特に関係がありません。
ダイエットの本質は、摂取カロリー<消費カロリーにすることです。
ビタミン・ミネラルには、カロリーはほとんどないので、摂取カロリーのプラスにはなりません。
しかし、特に摂取カロリーを下げるものでもありません。
そして、食事で少し多くビタミン・ミネラルを摂ったからと言って、特に消費カロリーを上がるわけでもありません。
つまり、ビタミン・ミネラルはカロリーに影響せず、特にダイエットに効果はないのです。
栄養と代謝
ビタミンB3など、特定のビタミンは、脂肪をエネルギーとして使うのに必要な栄養素です。
そのため、「脂肪を代謝するビタミンを摂ると、代謝がアップしてダイエットに効果的」と言われることがあります。
しかし、実際は、脂肪を代謝するときに必要というだけで、ビタミンB3を摂れば脂肪の燃焼が増えるというわけではありません。
脂肪の代謝を上げるには、消費カロリーを増やすことが必要です。
体が使うエネルギーが増えれば、脂肪をエネルギーとして使う量も増えます。
ただし、消費カロリーを増やさないと痩せないわけではありません。
いつも通りの消費カロリーでも、摂取カロリーを減らせば、体脂肪は減っていきます。
ダイエットの本質は、摂取カロリー<消費カロリーにすることです。
痩せるためには、ビタミン・ミネラルではなく、カロリーが最重要なのです。
参考記事:ダイエットを成功に導くカロリーの扱い方!
2.3玄米と血糖値のダイエット効果
玄米ダイエットでは、「玄米は食物摂取が豊富なため、血糖値を抑える効果があり、食べたものが脂肪になるのを防ぐ」と言われます。
糖質制限ダイエットなどでも、「血糖値が上がると、血中の糖が体脂肪に変わる」と言われます。
それでは、食物繊維が多い玄米は、血糖値の上昇を防ぎ、ダイエットに効果的なのでしょうか?
玄米と食物繊維
食物繊維とは、消化・吸収が出来なかったり、時間がかかる栄養素です。
そして、実際に、食物繊維が豊富だと、血糖値の上昇を抑えることもあります。
玄米は、白米の5倍ぐらいの食物繊維を含んでいます。
と言っても、玄米の食物繊維が非常に豊富というわけではありません。
ご飯1杯160gの食物繊維は、白米で0.4gぐらい、玄米で2gちょっとです。
例えば、えのきだと、100gで、食物繊維は4gぐらいです。
しかも、白米や玄米がお茶碗1杯で約270kcalありますが、えのきだと100gで20kcalちょっとです。
白米→玄米に変えると、確かに、摂れる食物繊維は増えます。
しかし、カロリーを抑えながら食物繊維を摂るためには、玄米はそこまで効果的な食品ではありません。
食物繊維と血糖値
食物繊維が豊富だと、血糖値の上昇を抑えられることもあります。
血糖値の上昇の目安として、よくGI値というものが使われます。
これは、食品を食べた後に、血糖値がどれだけの時間、どれぐらい上昇するかということを示した値です。
GI値は、白米が80~88ぐらいあるに対して、玄米は55と低い値です。
そのため、玄米は白米よりも血糖値を上昇させづらい食品と言えます。
血糖値とダイエット
確かに、白米に比べて、玄米の方が血糖値を抑えやすい食品です。
しかし、ダイエットと血糖値は特に関係がありません。
糖質制限などでは、「血糖値が上がると血中の糖が脂肪に変わる」とよく言われます。
しかし、実際は、血糖値が上がっても、別に糖→脂肪の変換は起きないことが分かっています。
糖→脂肪の変換が起きるのは、1日に6合ぐらいご飯を食べたときです。
根拠論文:Glycogen storage capacity and de novo lipogenesis during massive carbohydrate overfeeding in man.
普通に食事をしていれば、糖→脂肪の変換は起きません。
さらに、GI値が高いものと低いものを食べ比べた実験でも、特にダイエット効果に差はありませんでした。
このように、血糖値とダイエット効果は特に関係がないのです。
そのため、GI値の低い玄米を食べることに、特に意味はありません。
玄米でも白米でも、結局はカロリーが大事なのです。
参考記事:これが本当の糖質制限ダイエット!楽しく続けられる方法
2.4玄米と基礎代謝
玄米ダイエットでは、「玄米を食べることで基礎代謝を上げ、痩せやすい体になる」と言われることもあります。
この記事を書くにあたって、「玄米を食べると基礎代謝が上がる」と書いている記事をいくつか調べました。
しかし、しっかりとした根拠が示されているものはありませんでした。
玄米と基礎代謝についての実験・研究の論文も探しましたが、玄米と基礎代謝に関する論文は見つかりませんでした。
基礎代謝とは、食事も何もしていない時に消費するカロリーのことです。
普通、食事では基礎代謝は上がりません。
玄米を食べて基礎代謝が上がる可能性は否定できませんが、ゼロに近いと思います。
参考記事:ダイエットに成功する基礎代謝の活用法、完全ガイド!
3.玄米のダイエット効果の真相
玄米はビタミン・ミネラルといった栄養が豊富ですが、それらの栄養に、特にダイエット効果はありませんでした。
それでは、本当に玄米にダイエット効果はあるのか、なぜ玄米の栄養にダイエット効果があると言われるのか、真相を紹介します。
3.1玄米のカロリーとダイエット効果
ダイエットで最も大事なのは、カロリーです。
白米→玄米にすると、摂取カロリーや消費カロリーに変化が起きるなら、ダイエット効果があると言えます。
白米と玄米のカロリー
白米のカロリーは、炊く前の状態100gで356kcal、炊いた状態だと100gで168kcalです。
玄米のカロリーは、炊く前の状態100gで350kcal、炊いた状態だと100gで165kcalです。
若干カロリーが変わりますが、玄米と白米はほとんど同じカロリーなのです。
そのため、白米を玄米に変えるだけだと、摂取カロリーはほとんど変わりません。
白米と玄米の満腹効果
玄米は、白米よりも食物繊維が多い食品です。
そのため、「消化・吸収に時間がかかり、満腹効果が高い」と言われることもあります。
満腹効果が高く、他の食事から摂るカロリーを抑えられるなら、玄米にダイエット効果があると言えます。
しかし、白米と玄米の満腹効果を比べた実験・研究では、両者にほとんど違いはありませんでした。
根拠論文:A satiety index of common foods.
個人的には、玄米の方が若干腹持ちがいいような気はしますが、こちらの実験だと特に違いはありません。
玄米のダイエット効果
玄米は白米と同じぐらいのカロリーがあり、特に満腹効果も高くありません。
また、特に消費カロリーを高めるものでもありません。
つまり、玄米にダイエット効果はないのです。
それなのに、多くの記事では、「玄米にはダイエット効果がある」と紹介されます。
事実と異なるのに、どうしてこのような効果が謳われるのでしょうか?
3.2玄米のダイエット効果の真相
玄米には、特にダイエット効果はありません。
プレズ<Plez>でのダイエット指導でも、クライアントさんに玄米をススメることはなく、実際に食べている方もほとんどいらっしゃいません。
しかし、玄米ダイエットに関するだいたいの情報では、「玄米はダイエットに効果的!」と言われます。
これには、主に2つの理由があります。
記事の印象を良くする
ダイエットでは、健康に良いと言われるものは、いいかげんな根拠や何の根拠もなく、「ダイエットに効果的!」と言われる傾向があります。
このような情報は、いろいろな効果を謳って、ポジティブな情報で読者に良い印象を与えるためのものです。
間違った情報には、単なる無知で発信される場合もあれば、分かっていても商業のために書いている場合もあります。
このような間違った情報を信じてダイエットを実践しても、体は変わらずに終わってしまいます。
正しい情報を知って、間違った情報にダマされないようにしましょう。
今まで玄米ダイエットをやってきた人にとっては、「玄米はダイエット効果がない」と言われるのはショックかもしれません。
しかし、玄米にダイエット効果はないという真相を知って、本当に効果的なダイエットを実践して痩せられる方が、きっと結果としては良いと思います。
商品を売るため
間違ったダイエット情報には、記事の印象を良くするためのものが多くあります。
その一方で、商品を売るために発信される情報もあります。
ありもしない効果を謳って、ダイエットに必要もない商品が宣伝されている場合があります。
玄米でも、○○玄米など、普通の玄米よりも高額なものが、いろいろなダイエット効果を謳って販売されています。
このような間違えた情報にダマされて、ダイエット食品を使っても、お金は減りますが体脂肪は減りません。
ダイエットでは、「ラクに痩せたい」という気持ちにつけ込んで、意味のない商品を買わせるための情報がたくさんあります。
本当のダイエット
痩せるために、努力は必要です。
その努力も、正しい方向でなければ、いくらお金や時間や労力を使っても、体は変わらずに終わってしまいます。
正しい方向へ努力するために必要なのは、正しい知識です。
正しい知識があれば、効果的なダイエットを実践できて、最小限の努力で痩せることができます。
確実にダイエットに成功できるように、効果的なダイエット方法を紹介します。
4.玄米なしでできるダイエット
ダイエットの本質はカロリーです。
摂取カロリーは食事から摂るエネルギー、消費カロリーは体が使うエネルギーです。
そして、体脂肪はカロリーのカタマリです。
そのため、摂取カロリー<消費カロリーにすれば、体は不足したエネルギーを体脂肪から使い、自然と痩せていきます。
効果的なダイエットは、食事を変えてカロリーを抑えることです。
カロリーバランスが、プレズ<Plez>が提唱しているダイエットの本質です。
ポイントを押さえて食事を変えれば、体もどんどん変わっていきます。
4.1食事を変えるダイエット
効果的なダイエット方法は、食事を変えて摂取カロリーを抑えることです。
食べるのをガマンするわけではありません。
食べるものの種類を変えることで、摂取カロリーは抑えられます。
ダイエットに運動は不要
運動は摂取カロリーを高めるので、ダイエット効果があります。
しかし、意外と運動のダイエット効果は低いものです。
例えば、体重50kgの人が体脂肪を1kg落とすためには、ランニングで150km、ウォーキングだと300kmも必要になってしまいます。
これでは、努力をしてもなかなか体が変わらず、モチベーションも下がってしまいます。
一方、食事を変えてカロリーを抑えるようにすることで、効率的に体脂肪を落とすことができます。
それでは次に、具体的にどのように食事を変えるのが効果的かを紹介します。
参考記事:運動のダイエット効果の真相&楽しく痩せる運動方法!
正しく食事を変える
白米を玄米に変えることには、ほとんどダイエット効果がありません。
それは、カロリーが変わらないからです。
例えば、ご飯を変える場合、おかゆに変えてみましょう。
おかゆは普通に炊くよりもずっと水分が多く、白米の2.5倍ぐらいの量になります。
ご飯1杯:約160gで、白米だと270kcalぐらいですが、おかゆだと水分が多いので、100kcalぐらいになります。
ご飯をおかゆにすれば、同じ量を食べても、カロリーを60%カットできるのです。
このように、正しい知識があれば、同じ「食べるものを変える」という方法でも、正しいアプローチができます。
正しいアプローチは、白米を玄米に変えることではなく、カロリーが低いものに変えることです。
1日に3杯ご飯を食べている場合、白米→おかゆに変えるだけで、1ヶ月で体脂肪を2kgぐらい落とす効果があります。
白米を食べながらダイエット
「おかゆが好きじゃない」「普通のご飯じゃないと食べた気がしない」という場合は、いつも通り普通のご飯を食べても大丈夫です。
その代わり、おかずや飲み物を、カロリーが低いものに変えましょう。
例えば、牛肉だと、バラやロースといった部位は脂がのっていて高カロリーです。
100gで400kcalぐらいあります。
よくバラやロースを食べている場合、同じ牛肉でも、ヒレやモモといった脂質の少ない部位に変えてみましょう。
ヒレやモモは100gで150~200kcal程度です。
少し牛肉の種類を変えるだけで、カロリーを50~60%カットできます。
こうすれば、白米を食べて、食事の量も減らさず、食事を楽しみながらダイエットができます。
参考記事:おにぎりダイエットの効果を解明&誰でも痩せられる方法!
4.2玄米のダイエットへの取り入れ方
白米を玄米に変えることには、特にダイエット効果はありません。
しかし、ダイエット中に玄米を食べてはいけないわけではありません。
玄米が好きなら、ダイエット中に玄米を食べても大丈夫です。
玄米を食べれば、ビタミン・ミネラルを豊富に摂れます。
玄米の味や食感が好きでないなら、普通に白米を食べれば大丈夫です。
カロリーを中心に考えれば、ある程度好みに合わせて食事を選べるので、食事を楽しみながらダイエットができます。
玄米を食べなくても、主食・肉・魚・野菜・海藻・きのこ・果物など、いろいろな食材を食べれば、しっかり栄養が摂れます。
そして、何か1つの食材を食べ続けるダイエットよりも、カロリーに注目して、好みに合わせて食品を選ぶ方が、楽しくダイエットができます。
玄米のダイエット効果まとめ
玄米は白米よりもビタミン・ミネラルが豊富ですが、特にダイエット効果はありません。
ダイエットの本質は、カロリーです。
摂取カロリー<消費カロリーにすることが大事と分かれば、確実にダイエット効果のある方法を実践できます。
さらに、カロリーに注目すると、ある程度好みに合わせて食事を選べて、食事を楽しみながら確実に痩せることができます。
正しい知識を身につけて、間違った情報にダマされず、理想のスタイルと健康な体を手に入れましょう!
この記事のポイントまとめ
● 玄米にダイエット効果はない
● 好みに合わせて、玄米は食べても食べなくてもいい
● カロリーがダイエットの本質
● 食べるものを変えて、摂取カロリーを抑えるのが効果的なダイエット方法