腹筋ローラーは、腹筋中心に多くの筋肉を鍛えられる、トレーニング効果が高い筋トレ器具です。
ただし、腹筋ローラーをただひたすらやるだけでは、なかなか筋肉は成長せず体は変わりません。
筋力のレベルに合わせた使い方や回数、トレーニングのペース、そして食事がトレーニング効果を高める大事な要素です。
トレーニング効果を最大限に高められる、腹筋ローラーの使い方・食事方法を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1.腹筋ローラーの効果
腹筋ローラーは、腹筋を中心に、多くの筋肉を鍛えることが出来る器具です。
ローラー1つあれば、自宅で空き時間にトレーニングが出来ます。
腹筋ローラーは、倒した上体を上げるために、腹筋の力を非常に使います。
腹筋のトレーニングの中でも、最高クラスに負荷が高く、それだけ効果の高いトレーニングが出来ます。
1.1腹筋ローラーの目的
ところで、腹筋ローラーを使う目的は何でしょうか?
腹筋をつけたい、シックスパックを作りたい、お腹を引き締めたいなど、いろいろな目的があると思います。
目的は人によって様々ですが、「お腹を引き締める」「お腹の体脂肪を落とす」ためであれば、腹筋ローラーは必要ありません。
腹筋ローラーに、お腹の体脂肪を落とす効果はないからです。
1.2腹筋ローラーのダイエット効果
腹筋ローラーを使っても、お腹の脂肪は減りません。
腹筋を使っても、特にお腹の脂肪を優先して使うわけではないのです。
筋肉が体脂肪を使う時、血液によって運ばれてきた全身の体脂肪を使っています。
体脂肪が付くときは全身まんべんなく付き、減る時はまんべんなく減っていきます。
そのため、腹筋をしたからといって、お腹の脂肪が減るわけではないのです。
そして、腹筋ローラーは、そもそもダイエット効果が高い運動ではありません。
筋肉への負荷は大きいですが、ランニングなどより運動量が少なく、時間も短いので、消費カロリーが少ないからです。
そのため、全身の体脂肪を落とす効果も低いのです。
参考記事:ぽっこりお腹を解決する3つのダイエット&筋トレ方法!
1.3腹筋ローラーのボディメイク効果
腹筋ローラーには、お腹の脂肪を落とす効果はありません。
一方、腹筋を付けるには抜群の効果があります。
腹筋ローラーは、ダイエットではなく、腹筋によるボディメイクのために実践するものです。
腹筋ローラーは、お腹の脂肪を落とすためではなく、筋肉のラインを出したり、シックスパックを作るなど、筋肉をつけるために行います。
体脂肪を減らして筋肉を増やしたい場合は、ダイエットと併せて腹筋ローラーを使いましょう。
普通にダイエットをすると、体脂肪と筋肉は、だいたい3:1の割合で減っていきます。
ダイエットと併せて筋トレ&タンパク質摂取をすると、筋肉を減らさずにダイエットが出来ます。
腹筋ローラーで、腹筋を減らさずにダイエットをすれば、筋肉のラインが浮いてきて、まるで脂肪減+筋肉増になったように体が変わります。
目的ごとに何をすればいいかは、このチャートで簡単に分かります。
参考記事:誰でも効率的にシックスパックを作れる食事&筋トレ方法!
2.背筋にも効果的な腹筋ローラー
腹筋ローラーは、その名の通り、腹筋を鍛えるのに効果的な器具です。
そして、腹筋だけでなく、背筋や胸・腕・脚の一部も鍛えることが出来ます。
腹筋ローラーをする時にメインで使うのは、上体を丸める力です。
これは、腹筋が発揮する力です。
腹筋ローラーでは、他にも、腕を下げる力(体に寄せる力)を使います。
この力を発揮するのは、広背筋という背筋がメインで、胸筋の一部も使います。
普段筋トレをしない人にとって、広背筋はあまり馴じみがないかもしれません。
広背筋は、腕を引く時や、腕を下に下ろす時に使う筋肉です。
ここの筋肉が大きいと、上半身が逆三角形になります。
男性が筋肉質な体を作れるだけでなく、女性も適度に広背筋をつけることで、くびれを強調させる効果があります。
また、腕が曲がらないようにするために上腕三頭筋を使います。
上腕三頭筋は、二の腕の筋肉です。
ここの筋肉が大きいと、二の腕にハリが出て、たるみにくくなります。
二の腕の脂肪が減るわけではありませんが、筋肉が張り出すことで、脂肪が薄く見えます。
さらに、股関節を曲げるために、脚の筋肉も一部使います。
大腿直筋という太ももの筋肉は、ヒザを伸ばす時にも使いますが、股関節を曲げる働きもあります。
ここの筋肉は、股関節を曲げ上体を上げるために使います。
3.腹筋ローラーの効果的なやり方・使い方
腹筋ローラーは、かなり負荷が大きいトレーニングです。
初心者や女性にとっては、腹筋ローラーをフルで使うのはなかなか難しいものです。
そこで、レベル別に使い方を変えることで、筋力に合った負荷でトレーニングができます。
ケガや強烈な筋肉痛を避けるためにも、まずは軽めの負荷から始めるのがオススメです。
3.1レベル別の腹筋ローラーの使い方
腹筋ローラーは、①足を付く位置 と ②ローラーの位置 が遠くなるほど、負荷が大きくなります。
負荷を調節する方法は3つあります。
● 腕を伸ばすと負荷が上がる
切り返すポジションを前にするほど、負荷が上がります。
腕が伸びきる前(①)に切り返すと、軽い負荷でトレーニングが出来ます。
腕が伸びきるまで(②)ローラーを進めると、負荷が最大になります。
● つま先で支えると負荷が上がり、ヒザをつくと負荷が下がる
つま先で立った状態で行うと負荷が高くなり、ヒザを着いた状態で行うと負荷が下がります。
● 足を開くと負荷が下がる
足を開くと、横から見たローラーと足の距離が縮まるので、負荷が下がります。
足を開く幅によって、負荷を微調整出来ます。
レベル | 腕の位置 | 足 | |
---|---|---|---|
1 | 顔の下 | ヒザ | 開く |
2 | 顔の下 | ヒザ | 閉じる |
3 | 顔の下 | つま先 | 開く |
4 | 顔の下 | つま先 | 閉じる |
5 | 伸ばす | ヒザ | 開く |
6 | 伸ばす | ヒザ | 閉じる |
7 | 伸ばす | つま先 | 開く |
8 | 伸ばす | つま先 | 閉じる |
筋力に合わせて、負荷を調整したトレーニングを行いましょう。
筋力を上げてトレーニングのレベルが上がっていくことも、モチベーションになります。
トレーニング中は、血圧の上昇を防ぐため、呼吸をしながら行いましょう。
体を落としていく時に息を吸います。
そして、上げる時に息を吐くか、息を止めて上げていき、上げきってから息を吐きます。
こうすることで、力を発揮しやすくなります。
3.2腹筋ローラーで腰を痛めないポイント
腹筋ローラーは、腰に近い部分の背骨に少し負担がかかります。
ケガを防止するためには、背骨ではなく、筋肉で体を支えるようにしましょう。
そのために、腰が反らないフォームで行います。
少し猫背にしたまま、トレーニングを行うイメージです。
骨盤を前傾させて腰を反ると、背骨で体を支えるので負担がかかってしまいます。
少し腰を丸めて行うと、腹筋などの筋肉で体を支えられます。
背中を丸めると、背骨の負担を減らしながら、より筋肉を使うことが出来ます。
どうしても腰が反ってしまう場合は、負荷を減らしたフォームに変えて、背中を丸めるようにしましょう。
4.腹筋ローラーの効果的な回数・ペース
腹筋ローラーの効果を高めるためには、フォームだけでなく、回数・負荷・トレーニングのペースも大事です。
効果を最大に出来るトレーニング方法を紹介します。
4.1腹筋ローラーの回数と負荷
筋トレの効果を高めるには、トレーニングで筋肉を使い切ることが大切です。
筋肉を使い切ることで、タンパク質が筋肉に合成される量が高まり、筋肉が成長します。
筋肉を使い切るためには、高めの負荷で腹筋ローラーを行いましょう。
具体的には、10回ぐらいで限界が来る負荷がオススメです。
軽い負荷で高回数を行っても、しっかり筋肉を使い切れば、筋肉は成長します。
根拠論文:Resistance exercise load does not determine training-mediated hypertrophic gains in young men
しかし、軽い負荷だと、最後の数回がツラすぎて、なかなか筋肉を使い切れません。
高めの負荷で行う方が、実際はラクに筋肉を使い切れます。
また、高負荷の方が筋力を上げやすくなります。
筋肉量の増加はそれほど変わりませんが、高負荷の方が神経が発達しやすいので、筋力が上がります。
慣れないうちは、20回ぐらいできる軽めの負荷でやり方をマスターして、徐々に負荷を高めていきましょう。
男女とも、高負荷のトレーニングがオススメです。
女性の場合、筋肉を引き締め、太くならないようにと、低負荷をすすめるトレーナーもいます。
しかし、それだと筋肉を使い切っていない場合が多く、効果が下がってしまいます。
筋トレに筋肉を引き締めるという効果はなく、筋肉を大きく太くする目的で行うものです。
筋肉を太くせず、体脂肪を減らして細くなりたい場合は、ダイエットだけで大丈夫です。
女性はもともと男性よりも筋肉が付きづらいので、わざわざ効果を下げると、ほとんど効果がなくなってしまいます。
トレーニング効果を得るためには、男性女性問わず、しっかり負荷を上げて行いましょう。
4.2腹筋ローラーのセット数
筋トレの効果を高めるには、4セット行いましょう。
1セットだと筋肉を使い切れず、セット数が多すぎると、効果が上がらないのに疲労ばかり溜まってしまいます。
その兼ね合いで、4セット行うのがオススメです。
1セット→1~2分休憩→2セット→・・・
という風にトレーニングを行います。
4.3腹筋ローラーは毎日やらない
筋肉をしっかり使うために、トレーニングを毎日は行わず、休みを挟んで行うことが効果的です。
腹筋ローラーを毎日行うと、疲労回復が間に合わず、筋肉をしっかり使うことが出来ません。
しっかり休息を入れる方が、効果的なトレーニングを行えます。
具体的には、週に2回のトレーニングが効果的です。
「腹筋は回復が早いので毎日できる!」という情報もありますが、しっかり筋肉を使っていると、毎日では回復が間に合いません。
ペースを落とす方が、逆に、効果の高いトレーニングが出来ます。
参考記事:毎日の筋トレは逆効果!?確実に筋肉が成長する方法!
また、初めからハードにトレーニングをすると、立ち上がるのもイヤなぐらいの筋肉痛になります。
そのため、軽めのトレーニングから始めましょう。
そして、トレーニングを続けていると、だんだん筋肉痛が起きなくなっていきます。
筋肉痛が起きないからといって、効果がなくなったり、疲労しなくなった訳ではありません。
筋肉痛と、筋トレの効果・疲労は別物です。
しっかり筋肉をつかえていればトレーニング効果は得られますし、筋肉は疲労します。
そのため、変にペースを崩さず、一定のペースでトレーニングを行うことがオススメです。
参考記事:筋肉痛知らずの運動・筋トレ&効果的な筋肉痛の治し方
5.腹筋ローラーの効果を高める食事
腹筋ローラーは、効果の高いトレーニングが出来る器具です。
しかし、食事がおろそかになっていると、トレーニング効果がなくなるどころかマイナスになることもあります。
食事は、トレーニング以上に大事な要素です。
食事のポイントを押さえることで、筋トレの効果を最大にすることが出来ます。
5.1タンパク質をしっかり摂る
腹筋ローラーは、筋肉を付ける効果があります。
そして、実際に筋肉になる材料が、タンパク質です。
食事で摂るタンパク質が少ないと、筋トレをしても筋肉は付ません。
タンパク質をたくさん摂ると、筋肉が付く量を増やすことが出来ます。
こちらが、体重1kgにつき、1日に摂るタンパク質の目安です。
タンパク質の必要量は脂肪を除いた体重で変わるので、プレズ<Plez>の食事方法では、体重と脂肪量をもとに目安を決めます。
体脂肪 | タンパク質 |
---|---|
少ない | 2.0g |
普通 | 1.75g |
多い | 1.5g |
体重が60kgで、体脂肪量が普通の人であれば、
60kg×1.75g=105gとなります。
特に、筋トレ後の食事でしっかりタンパク質を摂るようにすると、トレーニング効果を高めることが出来ます。
参考記事:美しい体を作る高タンパク質の食品・食べ物・食材99選!
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5.2カロリーをしっかり摂る
筋肉をつけるために、最も大事なのがカロリーです。
摂取カロリー<消費カロリーの状態だと、脂肪と一緒に筋肉も減っていきます。
トレーニングをしてタンパク質を摂ると筋肉をキープできますが、それでもキープ程度です。
一方、摂取カロリー>消費カロリーの状態だと、脂肪と一緒に筋肉も付いていきます。
この状態にすれば、筋トレをしなくても、筋肉は増えていきます。
このように、筋肉を増やすために一番大事な要素が、カロリーなのです。
プレズ<Plez>のダイエット・筋トレ方法では、カロリーコントロールを最も重視しています。
まず体脂肪を減らしたい場合は、筋トレとタンパク質摂取で筋肉をキープしながら、摂取カロリー<消費カロリーの状態を作りましょう。
まず筋肉をつけたい場合は、筋トレとタンパク質摂取をしながら、しっかりカロリーを摂りましょう。
そうすれば、効率的に筋肉が増えていきます。
摂取カロリー>消費カロリーが+200~300kcalになるのが目安です。
増量と減量を組み合わせることで、効率的に肉体改造が出来ます。
参考記事:ダイエットと筋トレで美しい体を作る!キレイに痩せる方法
6.おすすめの腹筋ローラー
腹筋ローラーはネットで購入できるほか、ジムやスポーツショップ、ドン・キホーテや東急ハンズなどにも売っています。
種類による差も少しはありますが、フォームや回数の方がはるかに大事です。
いろいろな種類があり、どれがいいか迷ってしまわないように、オススメ3選を紹介します。
プレズ<Plez>では、公正な立場から正しい情報を発信し、純粋にオススメのものを紹介できるよう、アフィリエイトを行っておりません。
購入いただいても、プレズ<Plez>に一切の利益が入らないようにしています。
ベーシックな腹筋ローラーです。
とりあえずトレーニングが出来ればいいという場合は、こちらがオススメです。
片手で1つずつ使うタイプの腹筋ローラーです。
前後だけでなく、腕を横に開く形でのトレーニングもできます。
腕を開くようにすると、胸の筋肉をより使うようになります。
ベーシックな構造ですが、静音素材を使っているので、マンションでも安心してトレーニングが出来ます。
腹筋ローラーまとめ
いかがでしたでしょうか?
腹筋ローラーは、腹筋と一緒に背筋なども鍛えられ、効率的なトレーニングができます。
筋力に合わせてトレーニングフォームを変えることで、誰でも効果的に腹筋を鍛えることが出来ます。
さらに、食事でしっかり栄養を摂れば、腹筋ローラーの効果を最大化できます。
筋肉を成長させる食事、そして腹筋ローラーを使った効果的なトレーニングを行い、理想の腹筋を手に入れましょう!
この記事のポイントまとめ
● 腹筋ローラーは効果の高い腹筋トレーニングができ、複数の筋肉を一度に鍛えられる
● フォームを変えることで、筋力に対応したトレーニングが出来る
● 腰を痛めないように、少し腰を丸めたままトレーニングを行う
● 回数・負荷・セット数・ペースによって、トレーニング効果を高められる
● 食事でしっかりカロリー・タンパク質を摂ることで、筋肉を成長させられる