ストレッチは、代謝アップや血行促進によって、ダイエットに効果的と言われています。
ネットや雑誌でも痩せるためのストレッチが紹介されていて、実践している人もいると思います。
しかし、ストレッチに関する情報は間違っているものが多く、正しい効果はほとんど知られていません。
効果を勘違いして、ダイエットにストレッチを取り入れても、結局は痩せずに終わってしまいます。
努力した分だけ確実に痩せられるように、誰でも出来る効果的なダイエット方法を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1.ストレッチのダイエット効果
ストレッチには色々なダイエット効果があると言われます。
よく紹介される情報には、このようなものがあります。
● 血行が良くなり代謝がアップする
● 骨盤を矯正して代謝が上がる
● 脚痩せ・下半身痩せに効果的
● ストレッチで脂肪が燃焼する
● むくみの解消・デトックスができる
● 朝・お風呂上がり・寝る前など、タイミングによって効果が高まる
● ストレッチで引き締まったしなやかな体になる
こういった効果はよく目にしますし、一見正しそうな気がしてしまいます。
しかし、これらはストレッチの本当の効果を全く表していません。
これらの情報を信じてダイエットにストレッチを取り入れても、体は変わらずに終わってしまいます。
努力がムダになってしまわないように、ストレッチのダイエット効果の真相をお伝えします。
2.ストレッチの7つのダイエット効果の真相
2.1ストレッチで代謝がアップする
ストレッチのダイエット効果でよく言われるのが、「血行が良くなって代謝が上がる」というものです。
ストレッチで代謝が上がること自体は間違っていません。
大事なのは、ストレッチで具体的にどれぐらい代謝が上がるかということです。
ダイエットでいう代謝とは、消費カロリーのことです。
そして、消費カロリーはメッツという運動の強度と、体重・運動時間から計算できます。
消費カロリーは、運動量に比例して上がるからです。
計算式:体重(kg)×(メッツ-1)×時間(h)
ストレッチのメッツは、2.3です。
メッツ一覧表:国立健康・栄養研究所-身体活動のメッツ(METs)表
(コード:2101)
体重50kgの人が1時間ストレッチをした場合の消費カロリーは、
50kg×(2.3-1)×1h=65kcal
となります。
体脂肪を1kg減らすには、7,000~7,500kcalを消費する必要があるので、ストレッチだと100時間以上必要になってしまいます。
ストレッチは代謝を上げる効果がありますが、具体的な効果はかなり低いのです。
実は、ストレッチで代謝が上がるのは、体を少し動かすからです。
血行と代謝は大して関係ありません。
たとえ血行が良くなっても、必要がなければカロリーを消費しないからです。
そして、ストレッチは運動量が少ないので、消費カロリーも少ないのです。
消費カロリーを増やすには、ランニングなど、運動量が多いものの方が効果的です。
2.2股関節のストレッチで骨盤を矯正して痩せる
股関節のストレッチを行うことで、骨盤が矯正され、下半身痩せの効果があると言われます。
骨盤を矯正すると、下半身の血行が改善して、代謝が向上するからと説明されます。
しかし、たとえ血行が良くなったとしても、必要がなければ消費カロリーは上がりません。
そのため、骨盤を矯正しても代謝は上がらないのです。
他にも、骨盤矯正をすると姿勢が良くなって、代謝が上がると言われることもあります。
しかし、立つ・座る時に、姿勢を維持するために使っているカロリーは、1時間で10~30kcal程度です。
元の消費カロリーが大したことないので、もしストレッチで骨盤が矯正されて姿勢が変わっても、代謝はほとんど変わらないのです。
不調があるようなら骨盤矯正は必要ですが、ダイエットのためには必要ありません。
脚や下半身に体脂肪が付いているとしたら、それは骨盤が原因ではありません。
骨盤を矯正しなくても、後程紹介する正しいダイエット方法を実践すれば、確実に体脂肪は落ちていきます。
2.3ストレッチが脂肪燃焼に効果的
ストレッチは、血行の促進・代謝の向上によって、脂肪の燃焼に効果があると言われます。
しかし、実際は、ストレッチではあまり代謝が上がらないので、脂肪燃焼効果はほとんどありません。
脂肪燃焼は、脂肪がエネルギーとして使われる時に起こります。
エネルギーを取り出すために、脂肪を酸素と結びつけて分解するのが、体脂肪の燃焼です。
体がエネルギーを使わなければ、この脂肪燃焼は起こりません。
つまり、脂肪燃焼を高めるには、消費カロリーを増やす必要があるのです。
ストレッチをしても、大して消費カロリーは高まらないので、脂肪燃焼にもあまり効果がないのです。
脂肪燃焼を増やすには、運動などで体を動かす量を増やして、カロリーを消費することです。
参考記事:脂肪燃焼の7つの誤解を解消&効果的なダイエット方法!
2.4ストレッチにむくみの解消・デトックス効果がある
ストレッチは血流を良くするので、むくみの解消や、老廃物を排出するデトックスにも効果的と言われます。
確かに、ストレッチでむくみが取れることもあります。
むくみというのは、疾患でなければ、一時的に水分がたまっている状態です。
ストレッチでもいいですが、少し筋肉を動かすことでむくみは解消します。
例えば、ふくらはぎがむくんだときだと、少し歩くことでむくみは解消します。
また、老廃物や毒素を排出するデトックスというものは、ダイエットや美容・健康に大事とよく言われます。
しかし、デトックスに科学的根拠はありません。
そもそも、老廃物や毒素とは具体的に何かということも、ほとんど説明されません。
薬物中毒の患者を治療する際に、体から薬物を抜くことを、デトックスと言います。
一方、健常者が、体内に溜まっている老廃物や毒素をデトックスというのは、エセ科学なのです。
そのため、デトックスのためにストレッチをする必要はなく、ダイエットでデトックスというのを意識しなくて大丈夫です。
2.5ストレッチで脚痩せ・下半身痩せができる
股関節や脚のストレッチで筋肉を伸ばすことで、脚痩せ・下半身痩せに効果があると言われます。
これは、単にイメージから来るもので、実際にはストレッチで脚痩せ・下半身痩せはできません。
筋肉を動かしたり、伸ばしたとしても、そこの部位の体脂肪を使うわけではないからです。
筋肉がエネルギーとして体脂肪を使う時は、血液によって運ばれてきた、全身の体脂肪を使っています。
脚の筋肉を使ったから脚の脂肪を使う、という訳ではないのです。
そして、ストレッチで筋肉を伸ばしても、筋肉が細くなるわけではありません。
ストレッチの最中、筋肉は伸ばされて細くなりますが、ストレッチを終えると元の太さに戻ります。
また、ダイエット・ボディメイクでは、普通、筋肉を細くする必要はありません。
筋肉によって太くなるほど、筋肉量が多い人はほとんどいないからです。
筋肉によって太いというのは、長年ハードなスポーツや筋トレを続けている人ぐらいです。
むしろ、男女とも、適度に筋肉がある方がキレイなスタイルを作れます。
体が太いと感じる場合、その原因は体脂肪です。
そして、ダイエットをして全身の体脂肪を落としていけば、脚や下半身も痩せることが出来ます。
参考記事:エクササイズ不要で成功できる、下半身痩せダイエット!
2.6朝・お風呂上がり・寝る前のストレッチが効果的
朝・お風呂上がり・寝る前など、タイミングを合わせてストレッチを行うと、効果がさらに高まると言われることがあります。
朝やると血行が良くなって代謝が高くなったり、寝る前にやると、快眠できてなぜか基礎代謝が上がるようです。
もちろん、実際は、ストレッチをする時間とダイエット効果は関係ありません。
そもそも、ストレッチにはダイエット効果がほとんどないので、いつやっても大した効果はないのです。
朝にやると目覚めが良くなったり、寝る前にやると寝つきが良くなったりすれば、実践するのは良いと思います。
ストレッチはいつやってもあまり痩せる効果はないので、ダイエット以外の効果を考えて実践すれば大丈夫です。
2.7ストレッチで引き締まったしなやかな体になる
ストレッチをすると、柔軟性が上がって、しなやかな体になると言われます。
しなやかな体というのは、動きが滑らかだったり、適度に筋肉が付いた細い体をイメージする言葉だと思います。
柔軟性を高めることで、関節の可動域が広がって、体がスムーズに動くということはあります。
しかし、ストレッチに体のラインを変える効果はありません。
ストレッチは、体脂肪量にも筋肉量にも影響しないからです。
柔軟性と動きの滑らかさには関係があっても、柔軟性と脂肪・筋肉量には全く関係がありません。
しなやかな体というと、ダンサーや体操選手などがイメージに合うかと思います。
その人たちは、柔軟性を高めることで、筋肉が付いた細い体を手に入れたわけではありません。
体を作っているのは、日々のトレーニングや筋トレ、食事管理です。
それによって体を作った人が、競技のパフォーマンスのために、柔軟性も高めているだけです。
単に柔軟性だけを高めても、体のラインは変わりません。
例えば、力士はかなり柔軟性が高いですが、【しなやかな体】という言葉でイメージする体格ではないですよね?
3.ストレッチの本当の効果
ストレッチには、よく言われるようなダイエット効果はありません。
ダイエットの本当の効果は、柔軟性を高めることです。
体が硬くて日常生活で支障が出たり、スポーツでパフォーマンスやケガの予防に柔軟性が必要なら、ストレッチは効果的です。
また、ストレッチでリラックスできるなら、実践していただくと良いと思います。
それ以外のほぼ全ての場合、ストレッチは必要ありません。
ストレッチは、筋肉痛の予防・解消にも効果はありません。
参考記事:1番有効な筋肉痛の治し方!筋肉痛知らずの運動&筋トレ
また、運動の前に長時間のストレッチをすると、筋力が十分発揮できないなどのマイナス面もあります。
根拠論文:Effect of acute static stretch on maximal muscle performance: a systematic review.
そして、ダイエットにはあまり効果がないので、痩せるためにストレッチをする必要はありません。
プレズ<Plez>では、クライアントさんにストレッチを推奨したことはありません。
痩せるためには、ストレッチよりもはるかに効果的な方法があります。
正しいダイエット方法を実践することで、誰でも確実に痩せることが出来ます。
4.効果的に痩せるダイエット方法
ダイエットで最も重要なのは、摂取カロリー<消費カロリーにすることです。
摂取カロリーは食事で摂るエネルギー、消費カロリーは体が使うエネルギーです。
摂取カロリー<消費カロリーになると、不足したエネルギーを体脂肪から使って、自然と痩せていきます。
そして、そのために効果的なのは、食べる物を変えてカロリーを抑えることです。
ダイエットに効果はありますが、運動は労力や時間が必要な割に、消費カロリーが少ない方法です。
ランニングはストレッチよりもはるかに効果的ですが、それでも、体脂肪を1kg減らすために10~30時間の運動が必要です。
食事であれば、鶏肉100gの皮を外すだけで、ストレッチ2時間分ぐらいの効果を得られます。
プレズ<Plez>のダイエット方法では、運動ではなく、食事で体脂肪を落とします。
参考記事:運動のダイエット効果の真相&楽しく痩せる運動方法!
5.痩せるためにストレッチをしない!
効果的に痩せる方法は、食事を変えてカロリーを抑えることです。
痩せるために、ストレッチをする必要はありません。
ほとんどダイエット効果がないのに、ストレッチで痩せると言われているのには、3つの理由があります。
1つは、情報を発信するトレーナーなども、具体的な効果を知らずに、他の情報の受け売りをしているからです。
もう1つは、記事などを盛り上げるために、ポジティブな情報をとりあえず載せるからです。
そして最後に、商品やサービスを売るために作られた情報です。
ストレッチ器具や、ストレッチで痩せるというサービスを売るために、ありもしない効果や過剰な効果が謳われます。
ダイエット情報には、ラクをして痩せたいという気持ちにつけこんだ情報があふれています。
これらの情報にダマされてしまうと、いくら努力をしても、ほとんど痩せずに終わってしまいます。
ダイエットに、ストレッチは必要ありません。
正しい情報を身に付ければ、間違った情報にダマされず、効果的なダイエットを実践できるようになります。
ストレッチと効果的に痩せるダイエット方法まとめ
いかがでしたでしょうか?
痩せるために日々ストレッチを行っていた人にとっては、ショックだったかもしれません。
しかし、ストレッチの本当の効果と、正しいダイエット方法を知ったことで、効果的なダイエットを実践できると思います。
しっかり食事を管理すれば、体はどんどん変わっていきます。
食事のカロリーを抑えれば、誰でも確実に痩せることが出来ます。
正しい知識を身につけて、効果的なダイエット方法を実践し、理想のスタイルと健康な体を手に入れましょう!
この記事のポイントまとめ
● ストレッチにはほとんどダイエット効果がない
● ストレッチの本当の効果は、柔軟性を高めること
● ダイエットは食事を変えてカロリーを抑えることが効果的
● ストレッチをしなくても、摂取カロリーを抑えれば確実に痩せられる