骨盤を矯正し、代謝をアップして痩せるという、骨盤矯正ダイエットが人気になっています。
矯正のためのグッズや、体操・ストレッチなども紹介されていて、実践している人もいると思います。
しかし、紹介される効果はほとんどが間違っていて、骨盤矯正の正しい効果はほとんど知られていません。
骨盤矯正の効果を勘違いして、ストレッチや体操を行っても、全く痩せずに終わってしまいます。
努力したのに体が変わらないことがないように、骨盤矯正の本当の効果と、誰でも痩せられる正しいダイエット方法を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
骨盤矯正のダイエット効果
骨盤矯正は、ダイエットや美容・健康に色々な効果があると言われています。
一番よく言われるのが、「骨盤を矯正することで、血行が良くなって、代謝がアップする」というものです。
他にも、骨盤を矯正することで、脚・お尻周りに脂肪が付きにくくなったり、むくみが取れたりすると言われます。
しかし、下半身・全身問わず、脂肪がついてしまうのは、骨盤の歪みが原因ではありません。
そして、脂肪を落とすのに効果的な方法も、骨盤矯正ではありません。
間違った方法を実践しても、体は期待通りには変わりません。
効果を勘違いして、努力がムダになってしまわないように、骨盤矯正の7つの誤解の真相を解明します。
誤解1:骨盤矯正で代謝がアップする
骨盤矯正でよく言われる効果が、「骨盤を矯正すると、血流が良くなって、代謝がアップする」というものです。
この、○○で代謝をアップ!というのは、ダイエット情報で良く使われる言葉です。
ダイエットの本質は、摂取カロリー<消費カロリーにすることです。
摂取カロリー<消費カロリーにすると、不足したエネルギーを体脂肪から使って、痩せていきます。
ダイエットでいう代謝とは消費カロリーのことなので、代謝が上がれば、ダイエットに効果があります。
ただ、問題は、骨盤を矯正しても代謝は上がらないことです。
「骨盤矯正で代謝アップ!」というのは良く目にしますが、「具体的にいくらアップするか」というのは全く紹介されません。
骨盤矯正をしても、特に代謝が上がらないからです。
骨盤矯正と代謝アップ効果
人の体は、脳や心肺の活動・体温の生成・体を動かすなどで、カロリーを消費しています。
カロリーを消費するのは、それらの活動によって、エネルギーが必要になる時です。
逆に言うと、必要がなければ、カロリーは消費されません。
仮に骨盤矯正で血行が良くなったとしても、活動が増えてエネルギーが必要にならなければ、代謝は上がらないのです。
代謝を上げる方法は1つ
代謝を上げる方法は、現実的には1つだけです。
それは、体を動かすことです。
これ以外の方法で代謝を上げようとしても、ほとんどの場合、ムダな努力になってしまいます。
ショウガやとうがらしで代謝アップ、半身浴で体を温めて代謝アップ、水を飲んで老廃物を排出して代謝アップなど、全てありもしない効果です。
筋肉を付けて基礎代謝をアップというのもよく言われますが、筋肉をやっと1kgつけて、1日に10~30kcal程度しか上がりません。
根拠論文:The underappreciated role of muscle in health and disease.
長期的に太りづらい体を作るには効果的ですが、これで痩せるというのは現実的ではありません。
同じように、骨盤を矯正して代謝をアップというのも間違った情報なのです。
「骨盤を矯正して、足腰が絶好調になって、歩く距離が自然と増えた!」なんてことがない限り、ダイエットに効果はないのです。
血行が良くなったり、姿勢が良くなっても、ほとんど代謝は上がりません。
代謝を上げるには、運動などで体を動かす量を増やしましょう。
誤解2:脚が太くなるのは骨盤の歪みが原因
代謝以外にも、「骨盤が歪んでいると、血行が悪くなって、脂肪が付きやすくなる」と言われます。
そして、矯正によって痩せやすい体質になると言われます。
しかし、これも代謝アップと同様、過剰に謳ったありもしない効果です。
骨盤矯正と、脂肪のつきやすさは関係ありません。
脂肪が付くのは、摂取カロリー<消費カロリーになった時です。
カロリーは、食事で摂った内の約95%が吸収されます。
個人差もほとんどなく、骨盤を矯正して変わるものではありません。
そして、誤解1で紹介したように、消費カロリーも上がりません。
つまり、骨盤は摂取カロリーにも消費カロリーにも影響しないので、ダイエットに関係ないのです。
また、骨盤と、下半身の脂肪のつきやすさも関係ありません。
脂肪は、全身まんべんなく付いていきます。
ホルモンによって、男性はお腹周りと内臓に、女性はお尻とあり周りに脂肪が付きやすい傾向はあります。
このような性別差や個人差は多少ありますが、基本的には、脂肪は全身まんべんなく付き、まんべんなく落ちていきます。
上半身がガリガリで、お尻・脚だけ太っている人はいませんよね?
太るのは、摂取カロリー>消費カロリーになることが原因です。
そして、摂取カロリー<消費カロリーにすると、体質に関係なく、誰でも痩せることが出来ます。
誤解3:産後に太るのは骨盤が原因
女性の場合、「産後は骨盤が開いて、脂肪が落ちづらくなる」と言われることがあります。
誤解1・2で紹介したように、脂肪が落ちない原因は骨盤にはなく、矯正してもダイエット効果はありません。
妊娠中は体脂肪が増える傾向にあるというだけで、骨盤とダイエットは関係ありません。
誤解4:骨盤矯正がむくみの解消・デトックスに効果的
骨盤を矯正すると、脚のむくみやデトックスに効果があるとも言われます。
脚、特にふくらはぎは、むくみやすい部位です。
むくみは、疾患でなければ、筋肉を長時間動かさないことによって、一時的に水分がたまっている状態です。
歩くなどで少し筋肉を動かせば、むくみはすぐに解消します。
そして、毒素や老廃物をデトックスというのは、エセ科学です。
ダイエット・美容・健康でいう、老廃物や毒素を排出というものは、根拠がありません。
体脂肪が付く原因は、老廃物ではなく、摂取カロリー>消費カロリーになることです。
摂取カロリー<消費カロリーの状態を作れば、デトックスなど関係なく、痩せることが出来ます。
誤解5:ぽっこりお腹の解消に骨盤矯正が効果的
お腹がぽっこり出てしまうのは、骨盤の歪みが原因と言われることがあります。
お腹が出る原因はいろいろ紹介されますが、9割方は、体脂肪が原因です。
特に男性の場合、内臓脂肪とお腹周りの皮下脂肪が付きやすい傾向があります。
そして、ほとんどの場合、お腹をひっこめるのに有効なのは、ダイエットで体脂肪を落とすことです。
体脂肪以外だと、腹筋が内側からの圧力に負けたり、内臓が下がって、お腹がぽっこり出ることもあります。
これは、お腹の筋力が弱いことが原因です。
解決のために有効なのは、お腹の筋力を高めること、つまり、筋トレです。
骨盤矯正をしても、腹筋が強くなるわけではありません。
ぽっこりお腹を解決するには、ほとんどの場合はダイエットが効果的で、筋力が弱いことが原因であれば筋トレが効果的です。
参考記事:ぽっこりお腹を解決する3つのダイエット&筋トレ方法!
誤解6:骨盤はダイエットのために矯正する
骨盤矯正ダイエットは色々な記事で紹介されていますが、これまでに解説したように、ダイエットに効果はありません。
骨盤矯正が必要なのは、腰痛が起きるなど、体に不調がある場合です。
ダイエットのために、骨盤矯正ベルトやタオル枕などの器具、ストレッチや体操などを取り入れる必要はありません。
太ってしまう原因は骨盤ではないので、原因に対応しない方法を実践しても、体は変わりません。
骨盤の矯正は、ダイエットではなく、体の不調がある場合に行いましょう。
その場合は、整体など、専門的な治療を受けることがオススメです。
誤解7:骨盤矯正は痩せるから紹介される
ダイエットに効果がないのもかかわらず、ほぼすべての関連記事で、骨盤矯正はダイエットに効果的と言われています。
これには、2つ理由があります。
1つは、記事を盛り上げるためです。
効果をきちんと調べることもなく、ポジティブな情報を詰め込んで、記事を盛り上げたり印象を良くすることが目的です。
その記事を読んだ時は、「こんなラクな方法で痩せるんだ!」と嬉しくなるかもしれません。
また、実践している最中は、やっている感があって楽しいかもしれません。
しかし、効果を期待して努力を続けても、結局は痩せずに終わってしまいます。
もう1つの理由は、商品やサービスを売るためです。
矯正ベルトやバランスボール、骨盤を矯正して痩せると謳うストレッチ・ヨガなどのサービスを売るために、間違った情報が流されます。
骨盤矯正がダイエットに効果的と言われるのは、痩せるからではありません。
商業的な理由なのです。
プレズ<Plez>では、クライアントさんに骨盤矯正を推奨したことは1度もありませんし、骨盤を矯正しなくてもダイエットに成功されています。
骨盤矯正に限らず、ラクをして痩せたいという気持ちにつけ込んだ情報は、たくさんあります。
努力をせずに痩せようとすると、間違った方法や、何の効果もないサプリ・ダイエット食品などにダマされてしまいます。
痩せるためには、努力が必要です。
そして、正しい方向に努力をすれば、最小限の努力で、体はどんどん変わっていきます。
毎日何時間も運動をしないといけない訳ではありません。
次に、確実にダイエットに成功できるように、正しい効果的なダイエット方法を紹介します。
骨盤矯正なしの効果的なダイエット方法
これまで紹介したように、痩せるために最も大事なことは、摂取カロリー<消費カロリーの状態を作ることです。
そのための方法は、2つです。
● 食事のカロリーを抑える
● 体を動かして消費カロリーを上げる
これ以外のダイエット方法は間違いと思っていただければ、いい加減な情報にダマされなくなります。
そして、効果的にダイエットをする方法は、食事のカロリーを抑えることです。
食事のカロリーを抑えて、摂取カロリー<消費カロリーの状態を作れば、体脂肪はどんどん落ちて痩せていきます。
ダイエットで運動をしない?
誤解1で紹介したように、消費カロリーを上げるには、体を動かすことが必要です。
ただ、消費カロリーを増やすことが、ダイエットに必要という訳ではありません。
消費カロリーを上げなくても、日常生活でカロリーを消費しています。
そのため、食事のカロリーを抑えれば、摂取カロリー<消費カロリーの状態を作れます。
そして、運動はかなり効果が低いので、食事の管理で痩せることが効果的です。
体重が50kgの人が体脂肪を1kg落とす場合、ランニングで150km、ウォーキングだと300kmぐらい必要になってしまいます。
これでは、努力をしてもなかなか体が変わらず、モチベーションも下がって、途中で止めてしまいます。
食事なら、もっと効率的にカロリーを抑えることが出来ます。
参考記事:ダイエットを成功に導くカロリーの扱い方!
食事で痩せるのが効果的なダイエット
プレズ<Plez>のダイエット方法では、運動ではなく、食事で脂肪を落とします。
それは、運動でカロリーを消費するより、食事のカロリーを抑える方が、はるかに効率的だからです。
ウォーキング2時間分の消費カロリーと、カフェラテ1杯をコーヒーに変えるカロリーが、同じぐらいです。
食事のカロリーを抑えるには、時間も労力も必要ありません。
そして、食事をしっかり管理すれば、1週間~10日で体の変化が分かり、1ヶ月で周りの人に気づいてもらえるぐらい痩せられます。
正しい知識を持って、効果の高いダイエット方法を実践すれば、誰でも確実に痩せることが出来るのです。
骨盤矯正のダイエット効果まとめ
いかがでしたでしょうか?
一般的に正しいと思われている情報が、実は完全に間違っているということが、ダイエットではよくあります。
正しい知識があれば、お金だけ減って体脂肪が減らない、ということもなくなります。
ダイエットで必要な努力は、骨盤を矯正することではありません。
食事を管理することです。
しっかり食事を管理すれば、体質に関係なく、誰でも痩せることが出来ます。
正しい知識を身につけ、効果的なダイエット方法を実践して、理想のスタイルと健康な体を手に入れましょう!
この記事のポイントまとめ
● 太ってしまう原因は、骨盤ではない
● 骨盤矯正にダイエット効果はない
● 食事を管理することが、効果的なダイエット方法
● 骨盤矯正は、体に不調がある場合に行う
初めまして。私は44歳の女性です。ここ5年程かけて顔から足まで、全体的に太ってしまい、運動は愚か動く事も面倒になりました。下腹はポッコリ、お尻、太腿、ふくらはぎ、顔から首、瞼、腰回り、背中。あらゆる所がサイズアップしてます。アルコールを摂る様になり食事も高カロリー。そのくせ、運動は皆無です。部分痩せもしたいが、どうせ効果はないだろうと諦めています。低カロリーの食事で、こんな私でも痩せられますか?料理は苦手なので手っ取り早く口にできる物はありますか?
因みに、夜の勤務で、生活習慣も良くありません。
竹居さま
はじめまして、ご質問ありがとうございます。
しっかり食事を管理していただければ、生活習慣に関係なく、体脂肪を落として痩せることが出来ます。
立つ・歩く・呼吸・心拍・体温の生成など、日常生活で体脂肪を使っているので、食事のカロリーを抑えれば体脂肪は落ちていきます。
コンビニ・スーパーなどでカゴに入れる食事や、店での注文を変えていただくことが重要ですね!