水泳の具体的なダイエット効果をご存知でしょうか?
水泳はダイエット効果のある有酸素運動としてよく知られていますが、「具体的にどれぐらい効果があるか」はほとんど紹介されていません。
水泳の具体的な効果を知らずにダイエットに取り入れても、なかなか体が変わらないことがよくあります。
「水泳をやっているのに、全然痩せない・・・」と悩んでいる人もいるかもしれません。
また、ダイエットで水泳をやろうと考えているなら、実践する前に、ぜひこの記事を読んでいただきたいと思います。
この記事を読めば、水泳にどれぐらいダイエット効果があり、効果的に痩せるには何をすればいいかが分かります!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1.水泳の消費カロリー
ダイエットで最も大事なことは、摂取カロリー<消費カロリーにすることです。
この状態を作ることで、不足したエネルギーを体脂肪から使って、痩せていくのです。
そして、水泳は消費カロリーを高めるので、ダイエットに効果があります。
まずは、水泳で消費する具体的なカロリーを紹介します。
1.1水泳の消費カロリー計算
運動の消費カロリーは、運動量に比例して高くなります。
水泳の消費カロリーは、体重・スピードと、時間または泳いだ距離で計算できます。
時間を使う消費カロリーの計算式と、体重50kgの人が1時間泳いだ場合の目安がこちらです。
スピード | 計算式 | 消費カロリー |
---|---|---|
ゆっくり (50m:3分) | 体重×時間×4 | 200 |
普通 (50m:2分) | 体重×時間×5 | 250 |
速い (50m:1分) | 体重×時間×8 | 400 |
速さは、クロールでのスピードです。
目安として、一般の人が全力で泳いだ場合、50m40秒ぐらいです。
消費カロリーを計算する場合、休んでいる時間は除きます。
水泳は実働時間が分かりづらい場合もあるので、その時は、距離を元に計算しましょう。
速さ | 計算 体重(kg)・距離(km) |
---|---|
ゆっくり (50m:3分) | 体重×距離×4 |
普通 (50m:2分) | 体重×距離×3.3 |
速い (50m:1分) | 体重×距離×2.7 |
1.2水中歩行の消費カロリー計算
泳ぎが苦手だったり、体力的にキツイ場合、水中歩行を行うこともあると思います。
水中歩行の消費カロリー計算と、体重50kgの人が1時間運動した場合の目安がこちらです。
計算式 | 消費カロリー | |
---|---|---|
ラク | 体重×1.5×時間 | 75 |
普通 | 体重×3.5×時間 | 175 |
キツイ | 体重×6×時間 | 300 |
水泳よりもラクな分、消費カロリーは少なくなります。
1.3水泳は1時間で1,000kcal消費する?
ネットでは、「水泳は1時間で1,000kcal消費する!」という情報がけっこう出回っています。
普通の人が、これだけカロリーを消費することはまずありません。
体重が100kg以上など、よほど体格がいい人が体力の限界まで泳がない限り、こんなにカロリーは消費しません。
体重が50kgの人の場合、オリンピック選手と同じスピードで泳いでも、1時間で1,000kcalは消費できません。
つまり、普通は、水泳1時間で1,000kcal消費するのは不可能ということです。
1時間で1,000kcalを消費できるのは、マラソン選手が走る場合ぐらいです。
普通の人は、これだけ消費する前に、体力の限界が来てしまうのです。
参考記事:消費カロリーの正確な計算方法&効果的なダイエット法!
2.水泳のダイエット効果
水泳の消費カロリーの計算方法、消費カロリーの目安がお分かりいただけたと思います。
それでは次に、水泳にどのようなダイエット効果があるかを紹介していきます。
一般に紹介されている情報には、間違った効果を紹介しているものが多くあります。
こちらで、水泳の正しいダイエット効果が分かります。
2.1水泳の脂肪燃焼効果
水泳は脂肪燃焼効果が高い運動と言われます。
水泳は、カロリーを消費し、体脂肪をエネルギーとして使うので、脂肪を燃焼します。
そのため、脂肪燃焼効果はあります。
ただ、水泳に特別な脂肪燃焼効果はありません。
他の運動と同じです。
水圧がかかったり、プールの水によって体温が上がりにくかったりしても、特に脂肪燃焼は変わりません。
そもそも、脂肪燃焼効果というのは、ダイエットで注目する必要はないものです。
大事なのは、消費カロリーです。
消費カロリーの量によって、脂肪が減る量が決まるからです。
体のエネルギーになる栄養素は、主に糖質と脂肪です。
そして、運動で糖質と脂肪のどちらかを多く使っても、運動の後に糖質と脂肪を使う割合は自動で調整され、消費カロリー通りに脂肪は減ります。
別の角度から説明すると、体の中の糖質は標準的な量が決まっていて、一時的に増減しても、すぐに元の量に戻ります。
ダイエット前とダイエット後で体の中の糖質量は変わりません。
そのため、ダイエット中の摂取カロリーと消費カロリーの差は、ほとんど全て体脂肪から使うのです。
結局は、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが最も大事ということです。
運動のダイエット効果は、消費カロリー次第です。
泳ぐスピードを上げて無酸素になると、ほとんど脂肪を使いませんが、消費カロリーは上がるので問題ありません。
脂肪燃焼効果を考えるのではなく、運動量を上げて、消費カロリーを上げることに注目しましょう。
参考記事:脂肪燃焼の7つの誤解を解消&効果的なダイエット方法!
2.2水泳の筋トレ効果
水泳には、筋肉を鍛える効果があります。
特に、速いスピードで泳ぐと、筋肉を付ける効果が高まります。
男性・女性とも、バランスを考えて適度に筋肉を付けることで、キレイな体を作れます。
水泳は全身の筋肉を使いますが、特に背中、そして腕・脚の筋肉を付ける効果が高い運動です。
背中の筋肉(広背筋)は、腕を後ろに引く力を発揮します。
全ての泳法で、腕を引く力を多く使うので、水泳は背中をよく鍛えられる運動です。
背中の筋肉はあまり意識されませんが、後ろから見た時だけでなく、前から見た時のラインを作る効果もあります。
くびれの上から腕の付け根にかけてのラインを作ります。
この筋肉を鍛えることで、逆三角形の体を作り、くびれを強調させる効果があります。
筋トレには劣りますが、水泳は、筋肉を付ける効果がある運動です。
2.3水泳の部分痩せ・引き締め効果
水泳は全身運動で、特に腕と脚をよく使います。
そのため、脚痩せや腕の引き締め効果があると言われます。
たしかに、カロリーを消費するので、水泳にはダイエット効果があります。
しかし、水泳に部分痩せ効果はありません。
運動をする時、エネルギーとして使われる体脂肪は、血液によって運ばれてきた全身の体脂肪です。
脚を使ったから脚が痩せる、腕を使ったから腕が痩せる、という訳ではないのです。
ホルモンの違いなどにより、落ちやすい箇所・落ちにくい箇所というのはありますが、基本的に体脂肪はまんべんなく落ちていきます。
そして、特に引き締め効果もありません。
特に女性に対して、「筋トレをして体を引き締めましょう!」と指導するトレーナーは多くいます。
しかし、運動をして、筋肉がギュッと引き締まるということはありません。
逆に、筋肉を鍛えることは、筋肉を太くする行為です。
そして、筋肉が付いた箇所の脂肪が優先して減る、という訳でもありません。
全身の体脂肪をまんべんなく使うからです。
筋肉を付けるとハリが出て、脂肪が薄く見えるという効果はありますが、サイズは太くなります。
お腹を引き締めようとしてお腹の筋肉を鍛えると、逆にウエストサイズは増えてしまうのです。
プレズ<Plez>のダイエット・筋トレ方法では、筋トレは、「細く引き締めるため」ではなく「筋肉によってボディメイクをするため」に行います。
広背筋を大きくしてくびれを強調させる、というように筋肉を付けることで、キレイな体を作れます。
参考記事:効果的な脚やせダイエット&足を細くする方法が分かる!
2.4水泳の特別なダイエット効果
水泳はカロリーを消費するので、ダイエット効果があります。
しかし、カロリーを消費する以外の特別なダイエット効果はありません。
消費カロリー自体も、体を動かすからエネルギーを使うというだけです。
水圧や水の抵抗があっても、特にダイエット効果が上がるわけではありません。
ジョギングと同じカロリーを消費するためには、ジョギングと同じだけ労力を使い、同じだけ体を動かす必要があります。
消費カロリーは、運動量に比例して上がるのです。
水泳に特別なダイエット効果はありません。
水泳は運動の1つと考えて、どの運動をするか自由に選んでいただいて大丈夫です。
次に、他の代表的な運動と水泳の、消費カロリー・ダイエット効果の比較を行います。
3.水泳と他の運動のダイエット効果比較
3.1ウォーキングのダイエット効果
ウォーキングは水泳よりもラクな運動です。
その分、消費カロリー・ダイエット効果も低くなります。
水泳は泳げないと出来ませんが、ウォーキングは簡単にできて、設備もいらないという利点があります。
ウォーキングの消費カロリー計算式と、体重50kgの人が1時間運動した場合の目安がこちらです。
速さ | 計算 (体重・kg) (時間・h) | 消費 カロリー |
---|---|---|
ゆっくり (3km/h) | 体重×時間×1.5 | 75 |
普通 (4km/h) | 体重×時間×2 | 100 |
速い (6km/h) | 体重×時間×4 | 200 |
ランニング並 (8km/h) | 体重×時間×7.2 | 360 |
参考記事:ウォーキングの消費カロリー&効果的なダイエット方法!
3.2ジョギング・ランニングのダイエット効果
ジョギングは消費カロリーが大きく、ダイエット効果が高い運動です。
走るスピードを上げると、全運動の中でも、トップのカロリー消費量になります。
早く走ると、特に下半身の筋肉を付ける効果もあります。
ジョギングの消費カロリー計算式と、体重50kgの人が1時間運動した場合の目安がこちらです。
速さ | 計算 ( 体重・ kg) ( 距離・ km) | 消費 カロリー |
---|---|---|
ゆっくり (6.5km/h) | 体重×時間×5 | 250 |
普通 (8km/h) | 体重×時間×7 | 350 |
速い (10km/h) | 体重×時間×9 | 450 |
参考記事:ランニングのダイエット効果の真相&確実に痩せる方法!
3.3自転車のダイエット効果
自転車は、水泳と同じぐらいカロリーを消費する運動です。
自転車1つあれば出来る、手軽な運動です。
エアロバイクであれば、本を読んだりテレビを見たり、室内でながら運動ができます。
自転車の消費カロリー計算式と、体重50kgの人が1時間運動した場合の目安がこちらです。
速さ | 計算 (体重・kg) (距離・km) | 距離 | 消費 カロリー |
---|---|---|---|
ゆっくり (50m:3分) | 体重×距離×4 | 1km | 200 |
普通 (50m:2分) | 体重×距離×3.3 | 1.5km | 250 |
速い (50m:1分) | 体重×距離×2.7 | 3km | 400 |
参考記事:効果的な自転車ダイエット&消費カロリーを高める方法!
3.4筋トレのダイエット効果
筋トレは強度が高いですが、消費カロリーは少ない運動です。
セット間に休憩をはさむので、実働時間が短いからです。
1時間筋トレをしても実働は10~20分程度で、消費するのは50~150kcalぐらいです。
一方、筋トレは筋肉を付ける効果が最も高い運動です。
筋肉を付けてボディメイクをするのに最適な運動です。
ただし、「筋トレで筋肉を付けて、基礎代謝を上げて痩せましょう!」と言われるほど、基礎代謝は上がりません。
筋肉をやっと1kgつけて、上がる基礎代謝は10~30kcal/日程度です。
筋トレは、痩せためではなく、筋肉によってスタイルを作るために行いましょう。
参考記事:ダイエットと筋トレで美しい体を作る!キレイに痩せる方法
3.5水泳とのダイエット効果比較
消費 カロリー | 手軽さ | 筋肉 | |
---|---|---|---|
水泳 | △ | × | △ |
ウォーキング | × | ○ | × |
ランニング | ○ | ○ | △ |
自転車 | △ | ○ | △ |
筋トレ | × | △ | ○ |
4.水泳ダイエットのメリット・デメリット
水泳にはメリットもデメリットもあります。
メリットだけでなく、デメリットもしっかり理解しておかないと、やっても痩せなかったり途中で止めてしまう原因になります。
4.1水泳ダイエットのメリット
水泳は水中で行うので、関節への負担が軽いという利点があります。
ウォーキング・ランニングでは、ヒザなどに負担がかかってツラいという場合、水泳だとその負担を軽減できます。
また、運動用のプールは屋内にある場合が多いので、天候に左右されずにできるという利点があります。
さらに、泳ぐのが好きな人にとっては、楽しく実践できます。
ただ歩いたり走るだけでは面白みがないという人にとっては、水泳は楽しく実践できるかもしれません。
4.2水泳ダイエットのデメリット
水泳にはメリットがある一方、デメリットもあります。
水泳には設備が必要で、料金もかかります。
近くにプールがないと実践できず、近くにあってもわざわざ行ってやる必要があります。
わざわざやることは、そのうち面倒くさくなったり、忙しいとやらなくなって、途中で止めてしまうことがよくあります。
もう1つのデメリットは、消費カロリー以上にしんどいということです。
水泳は、呼吸がしにくい運動です。
そのため、ジョギングや自転車と比べて、同じ消費カロリーでも心肺的にツラい運動です。
そして、最大にデメリットは、なかなか痩せないということです。
痩せるためにどれぐらい泳ぐ必要があるかを知ると、きっと水泳をやらなくなると思います。
25mを1本とすると、体重50kgの人が体脂肪を1kg減らすためには、1,400本~2,200本も必要です。
体脂肪は、1kgで7,000~7,500kcalのエネルギーを持ちます。
1.1水泳の消費カロリー計算の計算式に当てはめていただくと分かりますが、体重50kgの人が1km泳いで消費するカロリーは、130~200kcal程度です。
25mだと、3~5kcalしか消費しないのです。
距離にすると、体脂肪を1kg落とすだけで、35km~55kmも必要になります。
走るだけでも大変なのに、これだけの距離を泳ぐ必要があるのです。
水泳は全身運動で、しっかりカロリーを消費する運動ですが、ダイエット効果は高くありません。
これは水泳に限ったデメリットではありません。
他の運動でも共通です。
運動は、労力や時間を使う割に、ダイエット効果は低いのです。
水泳で痩せるには、壮絶な努力が必要です。
それでは、痩せるためには壮絶な努力が必要かというと、そういうわけではありません。
ダイエットは、もっと効果的に出来る方法があります。
次に、誰でも確実に痩せられるダイエット方法を紹介します。
参考記事:運動のダイエット効果の真相&楽しく痩せる運動方法!
5.効果的なダイエット方法
ダイエットで最も大切なことは、摂取カロリー<消費カロリーにすることです。
水泳で消費カロリーを上げるのは、ダイエット方法の1つに過ぎません。
効果的なのは、食事のカロリーを抑えることです。
食事であれば、水泳よりもはるかに効率的にダイエットを行えます。
例えば、牛バラ100gを牛モモ100gに代えるだけで、水泳1~2kmの効果があります。
多くの人にとっては、1時間みっちり泳ぐより、牛肉の部位を変える方が良いと思います。
このように、低カロリーのものに変える方法であれば、食べる量を減らす必要もありません。
時間も労力もかからず、忙しくても実践できます。
そして、心肺の活動や体温の生成、立つ・歩くと言った日常の活動で、カロリーを消費して体脂肪を使っています。
いわば、日常生活が有酸素活動です。
そのため、摂取カロリーを抑えれば、特に運動をしなくても体脂肪は落ちていきます。
プレズ<Plez>のクライアントさんも、筋トレ以外運動をしない人が多いですが、平均して月3kgペースのダイエットに成功されています。
そして、その中で、水泳をしてはいけない訳ではありません。
カロリーを摂り過ぎた場合に水泳で消費したり、あらかじめ水泳でカロリーを消費してその分好きなものを食べたり、自由に調整を出来ます。
食事をメイン・運動を調整役にすることで、選択肢が広がり、楽しく効果的なダイエットを実践できます。
しっかり食事の管理を行い、上手く水泳や運動を使って、楽しくダイエットを成功させましょう!
水泳の消費カロリーと効果的なダイエットまとめ
いかがでしたでしょうか?
ダイエットのために水泳をやっている人、やろうと考えている人にとっては、ショックだったかもしれません。
しかし、水泳の具体的な効果と、正しいダイエットを知ったことで、効果的な方法を実践できると思います。
ダイエットで大事なことは、食事の管理です。
しっかり食事を管理すれば、どんどん体が変わっていきます。
そして、水泳などの運動を調整として使うことで、食事の自由度を上げることもできます。
食事をしっかり管理し、効果的なダイエットを実践して、理想のスタイルと健康な体を手に入れましょう!
この記事のポイントまとめ
● 水泳はカロリーを消費し、筋肉を付ける効果もある
● 水泳に特別なダイエット効果はない
● 水泳で痩せるのは非現実的
● 食事を管理することが、効果的なダイエット方法
● 食事をメイン・水泳を調整に使うと、楽しく効果的なダイエットを実践できる