BMIの正しい使い方を知っていますか?
BMIの計算方法や自動計算フォームはよく目にしますが、正しい使い方を紹介できている情報はほとんどありません。
そして、BMIには2つの問題点があります。
この2つの問題点と、正しい使い方を知っていないと、「BMIが下がったのに、思っていたスタイルにならない!」となることもあります。
理想のスタイルが手に入るように、BMIの計算方法と、正しい使い方を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1. BMIの計算方法
BMIは、こちらのフォームで自動計算できます。
● BMI計算式 体重(kg)÷身長(m)÷身長
● 判定一覧表
BMI | 判定 |
---|---|
18.5未満 | 痩せ |
18.5~25未満 | 標準 |
25~30未満 | 肥満 |
30以上 | 高度な肥満 |
BMIは、ボディマスインデックスという体格を表す指数で、肥満度を判定するために使われます。
日本人の標準は、男性23・女性22です。
身長が高い人は高めに、身長が低い人は低めに計算される傾向にあります。
そのため、身長が低い子供の肥満度を判定するには、別の計算式・判定方法を使います。
2.子供用のBMI計算方法
乳幼児のBMI計算方法
乳幼児用の指数は、カウプ指数とも言います。
計算方法はBMIと同じですが、判定基準が異なります。
● 判定一覧表
BMI(カウプ指数) | 判定 |
---|---|
14以下 | 痩せぎみ |
15~17 | 普通 |
17以上 | 太りぎみ |
学童児の指数計算方法
学童児の指数を、ローレル指数と言います。
● ローレル指数計算式 体重(kg)÷身長(m)÷身長÷身長×10
● 判定一覧表
ローレル指数 | 判定 |
---|---|
100より小さい | やせすぎ |
100~115 | やせてる |
115~145 | ふつう |
145~160 | ふとってる |
160より大きい | ふとりすぎ |
3. BMIの2つの問題点
BMIは、肥満の判定やダイエットの目安として広く使われている指数です。
身長を考慮した計算方法なので、身長150cmの人と180cmの人が単純に体重を比べるよりも、精度は高くなります。
しかし、BMIには2つ問題点があります。
BMIだけを見ていると、判断が狂ったり、思っていたスタイルにならなかったりします。
3.1 BMIはあまり見た目を表さない
BMIはもともと肥満度判定のために作られた指数ですが、ダイエットのためにも使われます。
一般的に、ダイエットの場合も、判定一覧に従って痩せている・太っているの判定を行います。
しかし、BMIは、あまり見た目の実態を表せるものではありません。
BMIの平均は22~23で、25未満だと「標準」の判定になります。
しかし、25に近い場合、だいたいの人が「痩せたい」と希望します。
また、BMIで「痩せ」の判定になるには、18.5を下回る必要があります。
しかし、実際は、20を下回っていればけっこうスリムな見た目になります。
女性でも、18.5を下回るとかなり華奢な印象になります。
男性の場合だと、18.5を下回るとなると、ガリガリの部類になってきます。
BMIの判定だけを見ても、あまり実態に当てはまらないのです。
また、18.5を下回るような低体重だと、体調不良や摂食障害など、健康面でリスクも出てきます。
女性の場合、痩せすぎると、生理停止のリスクもあります。
イタリアとスペインには、「BMIが18を下回るモデルを採用しない」という基準を設けているファッションショーもあります。
参考記事:女性のBMI計算とキレイな体を作れるBMIの使い方!
3.2 BMIの計算では体脂肪量は分からない
BMIは、肥満の判定のために使われる指数です。
しかし、BMIは体脂肪量を表せるものではありません。
大きな欠点は、キレイな体とBMIは関係ないということです。
BMIは、身長と体重を使って計算されます。
しかし、そもそも、体重は体脂肪量を表すものではないのです。
体重は体脂肪量の目安にはなりますが、完璧に連動するものではありません。
体重は、体脂肪以外に2つの要因によって変動します。
3.3 BMIは水分で変動する
体脂肪以外で体重が変動する要因の内、1つは水分量です。
水分量には個人差があり、また、水分量は短期間でかなり変化します。
体脂肪は、多くても1日に100g程度しか変化しません。
一方、水分は、簡単に1~2kg変動します。
「ダイエットをして数日で2kg減った」「食べ過ぎた翌日に体重が2kg増えた」などは、ほとんどが水分の影響です。
3.4 BMIはボディメイクと無関係
体重を変化させるもう1つの要因は、筋肉です。
男女とも、バランスを考えて適度に筋肉をつけることで、キレイな体を作れます。
しかし、筋肉が増えて体重が増えると、太った訳でもないのに、BMIの肥満度は上がってしまいます。
source:https://jp.pinterest.com/pin/91127592433680808/
例えば、ボディビルの元世界チャンピオン、アーノルド・シュワルツェネッガーが現役選手だったときのBMIは、32です。
source:https://www.bodybuilding.com/fun/arnold-schwarzenegger-blueprint-trainer-day-48.html
体重は100kg以上ありますが、脂肪はわずか数kgしかありません。
にもかかわらず、BMIを使うと、高度な肥満と判定されて今います。
また、筋肉が減った場合も、痩せたわけではないのに、肥満度は下がります。
このように、BMIは、ダイエット・ボディメイクと関係しないことがあるのです。
参考記事:キレイな体を作れる、BMIと体脂肪率の正しい使い方!
筋肉が減った方が値は良くなるので、BMIを減らすことばかり考えると、細いだけでメリハリのない体になってしまうこともあります。
ダイエットの目的は、体脂肪を落とすことであって、体重を落とすことではありません。
体脂肪量を表すものとしては、BMIよりも、はるかにダイエットに使える指数があります。
4.体脂肪量を表すBMI計算方法
ダイエットのために使うBMIは、こちらの計算がオススメです。
プレズ<Plez>が独自に作った、ダイエットの指数です。
● BMI計算式 ウエスト(cm)÷身長(m)×100
● 判定一覧表
性別 | BMI (ウエスト) | 判定 |
---|---|---|
男性 | 45以下 | 痩せている |
45~50 | 標準 | |
50より上 | 太っている | |
女性 | 40以下 | 痩せている |
40~50 | 標準 | |
50より上 | 太っている |
4.1 BMI(ウエスト)の信頼性
こちらで紹介した数値は、ウエストと身長をもとにした計算式です。
ウエストは、脂肪量がもっとも顕著に現れる部位です。
そして、あまり筋肉量の影響を受けません。
例えば、アーノルド・シュワルツェネッガーは筋肉量が多く、体重・胸囲・腕は、日本人平均の1.5~2倍ぐらいあります。
しかし、ウエイトサイズはほとんど変わりません。
脂肪が少ないので、ウエストを使った数値は、むしろ日本人男性の平均より低い値になります。
シュワ ちゃん | 日本人 男性 | 比率 | |
---|---|---|---|
身長 | 189cm | 171cm | |
体重 | 112kg | 69kg | 1.6 |
胸 | 145cm | 86cm | 1.7 |
腕 | 56cm | 26cm | 2.2 |
ウエスト | 86cm | 85cm | 1.0 |
BMI (体重) | 31.4 | 23.6 | 1.3 |
BMI (ウエスト) | 45.5 | 49.7 | 0.9 |
ウエストは筋肉による影響が少なく、脂肪量によって大きく変化するので、ダイエットの目安として効果的に使えます。
ダイエット指導の経験上、男性で45以下、女性で40以下が痩せている基準です。
4.2 ウエストの測定方法
ウエストを測定するときは、空腹時に、腹筋に力を入れた状態で測定しましょう。
一般的にはリラックスした状態で測定しますが、腹筋に力を入れた方が、お腹の張りなどの影響が出にくくなります。
体脂肪量以外による差が出にくいので、脂肪量の変化を把握しやすくなります。
ウエストは、くびれのある位置で、おへその5cm上が目安です。
この方法でウエストを測り、ウエストサイズの基準を使えば、脂肪量に連動して値が変化します。
目標と目安が一致するので、普通のBMIよりも、ダイエットの成果を的確に把握できます。
ダイエットでは、ウエストサイズで計算する基準を使い、体脂肪を減らす目標にしましょう。
参考記事:正しいウエストの測り方&くびれを作るダイエット方法!
BMI計算方法と使い方まとめ
いかがでしたでしょうか?
BMIは体重と身長から簡単に計算できますが、その値は、筋肉量や水分量によっても変化します。
そのため、BMIばかり見ていると、ダイエットの判断が狂ってしまうリスクがあります。
BMIや体重は単なる目安でしかないので、その目安が正確でないなら、気にしすぎる必要はありません。
ダイエットでは、ウエストを使った基準の方が、体脂肪量やダイエットの成果を的確に把握できます。
男性なら45以下、女性なら40以下を目標にダイエットを進め、理想のスタイルと健康な体を手に入れましょう!
参考記事:ダイエットに成功するBMIの使い方!
この記事のポイントまとめ
● BMIは体重と身長から計算して、簡単に肥満度を判定できる
● 体重とBMIは、筋肉量と水分量によっても変化する
● BMIは、必ずしもダイエットの成果を表さない
● ウエストサイズを利用した基準の方が、ダイエットの成果を的確に把握できる