ダイエットの方法として、キックボクシングを実践している、もしくはしようと考えていませんか?
キックボクシングはダイエット効果がある運動ですが、正しい効果はあまり知られていません。
かなり間違った効果が広まっていて、そのせいで、「頑張っているのになかなか痩せない・・・」と悩んでしまうこともあります。
努力した分確実に痩せられるように、キックボクシングのダイエット効果と、正しいダイエット方法を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1.キックボクシングのダイエット効果
キックボクシングは、体を動かしてカロリーを消費するので、ダイエット効果があります。
カロリーを消費することで、体は脂肪をエネルギーとして燃焼し、痩せていくのです。
まずは、キックボクシングで消費するカロリーを紹介します。
1.1キックボクシングの消費カロリー
運動をすると、体を動かすためにカロリーを消費します。
消費カロリーは、運動量に比例して大きくなります。
こちらが、ボクシングの消費カロリー計算式と、体重50kgの人が1時間運動をした場合の目安です。
内容 | 計算 (体重・kg) (時間・h) | 消費 カロリー |
---|---|---|
サンドバック | 体重×時間×4.5 | 225 |
スパーリング | 体重×時間×7 | 350 |
試合 | 体重×時間×12 | 600 |
キックボクシングは全身運動で、カロリー消費もそこそこあります。
消費カロリーを高める方法はたった1つ、運動量を増やすことです。
運動の強度か、運動時間を増やす必要があります。
本格的な試合では、1時間当たりでみて、体重×12のカロリーを消費します。
これは、50m:12.5秒ペースで走り続けるぐらいの強度なので、かなりキツイ運動です。
プロの試合でも、キックボクシングは最長で計15分、ボクシングは最長で計36分なので、普通の人がこのペースを1時間行うことは、ほとんど無理です。
消費カロリーを増やすには運動量を増やすことが必要なので、効果を高めるには体力も必要になります。
参考記事:消費カロリーの正確な計算方法&効果的なダイエット法!
1.2他のエクササイズとの比較
キックボクシングのサンドバックやミット打ちは、【体重(kg)×4.5×時間(h)】ぐらいカロリーを消費します。
この消費カロリーを、他の運動と比べてみましょう。
代表的な有酸素運動の消費カロリーがこちらです。
右欄は、体重50kgの人が1時間運動をした場合の目安です。
● ウォーキング
速さ | 計算 (体重・kg) (時間・h) | 消費 カロリー |
---|---|---|
ゆっくり (3km/h) | 体重×時間×1.5 | 75 |
普通 (4km/h) | 体重×時間×2 | 100 |
速い (6km/h) | 体重×時間×4 | 200 |
ランニング並 (8km/h) | 体重×時間×7.2 | 360 |
● ジョギング
速さ | 計算 ( 体重・ kg) ( 距離・ km) | 消費 カロリー |
---|---|---|
ゆっくり (6.5km/h) | 体重×時間×5 | 250 |
普通 (8km/h) | 体重×時間×7 | 350 |
速い (10km/h) | 体重×時間×9 | 450 |
● 水泳
速さ | 計算 (体重・kg) (距離・km) | 距離 | 消費 カロリー |
---|---|---|---|
ゆっくり (50m:3分) | 体重×距離×4 | 1km | 200 |
普通 (50m:2分) | 体重×距離×3.3 | 1.5km | 250 |
速い (50m:1分) | 体重×距離×2.7 | 3km | 400 |
● 自転車
速さ | 計算 (体重・kg) (時間・h) | 消費 カロリー |
---|---|---|
ゆっくり (10km/h) | 体重×時間×3 | 150 |
普通 (15km/h) | 体重×時間×5 | 250 |
速い (20km/h) | 体重×時間×7 | 350 |
サンドバックやミット打ちはウォーキングよりカロリーが大きく、水泳や自転車と同じぐらいカロリーを消費します。
2.キックボクシングの筋トレ効果
キックボクシングは筋肉を使い、瞬発力を発揮する運動なので、ある程度筋トレ効果もあります。
ハードに行うほど、筋トレ効果も上がります。
パンチの動作では、腕を出す時に上腕三頭筋(二の腕)・肩・胸などの筋肉を使います。
腕を引く時には、背中・上腕二頭筋(力こぶ)を使います。
キックの動作では、脚・お尻や腹筋を使います。
また、パンチの動作でも、しっかり下半身の力を使うことで、脚・お尻の筋肉も鍛えられます。
ただ、筋肉を付ける効果は、筋トレに比べると低くなります。
ジムによっては筋トレを行う場合もありますが、腹筋・腕立て伏せなど、自重のトレーニングが主流です。
自重もしっかり筋肉を使えば効果があります。
ただ、筋肉を使い切れず、効果が低くなっている場合もよくあります。
筋肉を付ける・キープしながら痩せるには、しっかりウエイトを使った筋トレがベストです。
筋トレ効果を比較すると、このようになります。
● 軽い運動<キックボクシング<自重筋トレ≦ウエイトを使った筋トレ
3.ボクサーの減量は効果的?
プロのボクサーは、試合に合わせて数kg減量を行います。
多い人になると、数週間で10kg以上体重を落とします。
これだけ一気に体重を落とせるので、ボクサーの減量方法・食事などが、ダイエットの参考にされることがあります。
確かに、ボクサーの減量と一般のダイエットには、共通する所もあります。
しかし、この2つは目的が全く違うので、ボクサーの減量メニューを取り入れても、目標通りに体が変わらないこともあります。
3.1ボクサーの減量とダイエット
ボクサーが減量を行う目的は「計量の時点で、既定の体重を下回ること」です。
一時的に体重を落とすことが目的なので、脂肪を落とすだけでなく、体の水分もかなり抜きます。
一方、ダイエットの目的は「体脂肪を落として、キレイな体や健康を手に入れること」です。
この2つは、体脂肪を落とすという点では共通します。
しかし、体の水分を抜いても見た目はほとんど変わらないので、ダイエットで水分を減らす必要はありません。
3.2体重が減る≠体脂肪が減る
ダイエットの目的は、「体重を減らすこと」と思われがちです。
しかし、これは間違っています。
ダイエットの目的は体脂肪を落とすことです。
体重は体脂肪が落ちた目安に過ぎません。
そして、体重は体脂肪と連動することもあれば、全く関係なく動くこともあります。
特に、短期間で見ると、体重は体脂肪より水分によって動きます。
「ダイエットを始めて数日で体重が2kg減った」「食べ過ぎた翌日に体重が2kg増えた」
これは、ほとんどが水分の影響です。
もしかすると、体重の動きに合わせて、体脂肪計の体脂肪率も変動しているかもしれません。
しかし、それは体脂肪計の誤差です。
体脂肪計は誤差が大きく、正確な体脂肪率を測れないのです。
体脂肪は多くても1日に100g程度しか変動しません。
一方、水分は、数時間~1日で簡単に1~2kg動きます。
体重と体脂肪は連動することも、全く関係なく動くこともあるのです。
参考記事:ダイエットに成功する体重の使い方、完全マニュアル!
3.3ボクサーの減量方法とダイエット
サウナスーツで汗を流したり、摂る水分を減らしたり、食べる物の重さを減らすことは、ボクサーの減量には有効です。
しかし、ダイエットでは全く必要ありません。
汗を流しても体脂肪は減らず、水分を摂れば体重は元に戻ります。
カロリーが低ければ、2kgぐらい食事をしても体脂肪にはならず、その内自然と排泄されます。
また、ボクサーは短期間で減量をしますが、計量後の食事で数kg体重が戻ります。
これは、体脂肪が増えたわけではなく、減っていた水分や体の中の糖質が戻っただけです。
このように、もともと目的が違うので、ボクサーの減量とダイエットは、違う部分がかなりあるのです。
4.引き締め・女性のシェイプアップ効果
キックボクシングは全身の筋肉を使う運動なので、「体の引き締め・シェイプアップ効果がある」と言われることがあります。
確かに、キックボクシングにはダイエット効果・シェイプアップ効果があります。
しかし、この効果は、少し過大に語られることが多いと感じます。
過剰な効果を期待して、後からガッカリしてしまわないように、キックボクシングの正しい引き締め効果を解説します。
4.1部分痩せ効果
キックボクシングは腕や脚を使うので、部分痩せの効果があると思われがちです。
しかし、キックボクシングで部分痩せは出来ません。
脚の筋肉を使ったからと言って、脚の脂肪を優先して使うわけではないからです。
筋肉を動かす時に使う体脂肪は、血液によって運ばれてきた、全身の体脂肪です。
そのため、基本的に体脂肪はまんべんなく落ちていくのです。
これは、他の運動でも共通です。
キックボクシングはカロリーを消費するので、ダイエット効果があります。
ただ、これは特別なものではなく、他の運動でも共通のダイエット効果です。
キックボクシングなどの運動に、特に部分痩せ効果はないのです。
参考記事:脚やせダイエットの真相&効果的に足を細くする方法!
4.2引き締め効果
「引き締め」と言うのは、ダイエット・フィットネスでよく使われる言葉です。
一般的なイメージとしては、「脂肪が少なく、適度に筋肉がついた健康的な体」が「引き締まった体」だと思います。
キックボクシングには、「引き締まった体」を作る効果がある程度あります。
カロリーを消費し、筋肉を付ける効果があるからです。
ただ、キックボクシングは、ダイエット効果も筋トレ効果もそれほど高くありません。
具体的な効果を見てみると、キックボクシングで痩せるのはかなり厳しいことが分かります。
5.効果的なダイエット方法
キックボクシングは、間違いなくダイエットに効果があります。
しかし、具体的な数字を使って考えると、キックボクシングで痩せるのはあまり効率的ではないことが分かります。
ダイエットは、もっと効果的に実践できる方法があります。
5.1キックボクシングの具体的な効果
体脂肪は1kgで7,000~7,500kcalのカロリーを持っています。
体脂肪を1kg減らすには、これだけの分摂取カロリー<消費カロリーの差を作り、体脂肪をエネルギーとして使う必要があります。
体重50kgの人が、サンドバックやミット打ち1時間やって消費するのが、250kcalぐらいです。
そのため、キックボクシングで体脂肪を1kg落とそうと思ったら、30時間ぐらい必要なのです。
1回1時間、週に2回行ったとして、体脂肪を1kg減らすだけで3か月もかかります。
自分で変化が分かる目安が体脂肪△1kg、人に気づいてもらえるのが△3kgぐらいです。
努力をしてもなかなか成果が見えないので、モチベーションも落ちてしまいます。
キックボクシングで体脂肪を1kg落とすために必要な、運動時間の目安がこちらです。
体重 | 時間 |
---|---|
40kg | 40h |
50kg | 32h |
60kg | 27h |
70kg | 23h |
80kg | 20h |
※サンドバック・ミット打ちの場合
5.2効果的なダイエット
ダイエットで大切なのは、摂取カロリー<消費カロリーにすることです。
この状態を作るために必要なのは、食事のカロリーを抑えるか、運動でカロリーを消費することです。
そして、効果的なのは、運動ではなく食事のカロリーを抑えることです。
運動は労力や時間がかかる割に、あまり効果が高くありません。
一方、食事の場合、少し食べる物を変えればカロリーを抑えられます。
唐揚げ100gを皮なしのチキンステーキに代えるのが、ミット打ち1時間と同じぐらいのダイエット効果です。
時間もかからないので、忙しくても実践できます。
そして、体温を作ったり、心肺の働き、立つ・歩くという日常の活動によって、体脂肪をエネルギーとして使っています。
そのため、食事のカロリーを抑えれば、特に運動をしなくても体脂肪は落ちていくのです。
プレズ<Plez>のクライアントさんも、筋トレ以外運動をしない方が多いですが、平均して月3kgペースのダイエットに成功されています。
参考記事:運動のダイエット効果の真相&楽しく痩せる運動方法!
5.3筋肉をキープするダイエット
体脂肪は摂取カロリー<消費カロリーの状態を作ることで落ちていきます。
ただ、それだけでは、体脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまいます。
だいたい、筋肉と脂肪は3:1の割合で減っていきます。
筋肉が減ってしまうと、体のメリハリがなくなったり、たるみが残ったりします。
そこで、筋肉を減らさないために効果的なのが、筋トレとタンパク質摂取です。
キックボクシングにも筋肉をキープする効果はありますが、筋トレの方が効果は高まります。
キックボクシングにもダイエット・筋トレ効果がありますが、食事の管理と筋トレを行う方が、効果的にダイエット・ボディメイクを行えるのです。
参考記事:ダイエットと筋トレで美しい体を作る!キレイに痩せる方法
参考記事:ダイエット・肉体改造に成功するタンパク質の摂り方!
5.4キックボクシングのアプローチ
プレズ<Plez>のダイエット方法では、キックボクシングなどの運動は、ダイエットの調整として使います。
食事をメインで痩せることが効果的ですが、運動をしてはいけない訳ではありません。
食べ過ぎたときに運動で消費したり、運動した分好きなものを食べたり、自由に調整ができます。
こうすれば、食べられる物の幅も広がり、食事を楽しみながらダイエットが出来ます。
食事をメインにして、キックボクシングなどの運動を調整として使うのが、オススメのダイエット方法です。
キックボクシングのダイエット効果まとめ
いかがでしたでしょうか?
キックボクシングはダイエット効果がありますが、期待しすぎると、思っていたほど痩せずに終わってしまいます。
ダイエットは食事のカロリーを抑えること、ボディメイクには筋トレとタンパク質摂取が効果的です。
そして、キックボクシングなどの運動を調整として使うことで、楽しくダイエットを進められます。
食事の管理をしっかり行い、キックボクシングを上手く取り入れて、理想のスタイルと健康な体を手に入れましょう!
この記事のポイントまとめ
● キックボクシングはある程度ダイエット・筋トレ効果がある
● キックボクシングに特別な引き締め・部分痩せ効果はない
● 食事の管理が効果的なダイエット
● 筋トレとタンパク質摂取をすれば、筋肉をキープしながら痩せられる
● キックボクシングを上手く取り入れると、食事を楽しみながら痩せられる