甘酒は、テレビでダイエット効果が特集されるなど、人気のダイエット食品になりつつあります。
甘酒に関する記事も増えてきて、ダイエットに甘酒を取り入れている人もいるかもしれません。
しかし、よく目にするダイエット情報では、甘酒の本当の効果はほとんど紹介されていません。
真相を知らずに甘酒を取り入れると、逆に太ってしまうこともあります。
この記事で、甘酒の本当のダイエット効果と、確実に痩せられる甘酒の使い方を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1.甘酒ダイエットの効果
甘酒は栄養が豊富で、脂肪の代謝を促進したり、満腹効果を得られて、ダイエットに効果的と言われます。
「甘酒を飲むと痩せる」と言われても、「本当にそんなことで痩せるの?」と疑問を持ってしまうと思います。
実は、その通りです。
普通に甘酒を飲んでも、全く痩せません。
よく目にする甘酒のダイエット情報は、間違っているものがほとんどです。
甘酒は痩せる効果があると言われますが、普通に飲んでも、体は変わらずに終わってしまいます。
努力した分だけ体が変わり、確実にダイエットに成功できるように、甘酒の効果の真相をお伝えします。
まずは、一般的に言われている、甘酒ダイエットのやり方と効果を紹介します。
1.1甘酒ダイエットのやり方
甘酒は、米麹や酒粕から作られるお酒です。
甘酒は日本酒よりもずっとアルコールが少なく、アルコールが全くないソフトドリンクタイプもあります。
甘酒ダイエットでは、【1食を甘酒に置き換える】という方法がよく紹介されます。
置き換え以外にも、【食事にプラスする】【食間に甘酒を飲む】という方法も紹介されます。
一般的には、「甘酒はダイエット効果があるので、飲めば痩せられる」と言われています。
1.2甘酒のダイエット効果
一般的なダイエット情報では、「甘酒の持つ栄養素が、ダイエットに効果がある」と言われます。
甘酒の栄養素の効果としては、この2つがよく紹介されます。
● 脂質の代謝に必要なビタミンB群などを豊富に含んでいて、脂質の燃焼を活発にする
● ブドウ糖を含むので、血糖値が高まり、満腹効果がある
このように言われると、本当に痩せる効果があるかのように思ってしまいます。
しかし、この2つは間違った情報です。
甘酒ダイエットの本当の効果は、別のところにあります。
2.甘酒ダイエットの効果の真相
よくあるダイエット情報では、「甘酒はビタミンやアミノ酸、ブドウ糖を含んでいて、ダイエットに効果的」と言われます。
しかし、本当は、これらの栄養素には特にダイエット効果はありません。
2.1甘酒の栄養のダイエット効果
ビタミンとダイエット効果
「甘酒は、脂質の代謝を促進するビタミンBなどの栄養が豊富で、ダイエットに効果がある」と言われます。
確かに、ビタミンB3など、特定の栄養素は脂質の代謝に使われます。
しかし、ビタミンB3をたくさん摂ると脂質の代謝が増える、という訳ではありません。
「単に、脂肪の代謝に使われているだけ」なのです。
摂る量を増やしても、それだけでは代謝が上がらないのです。
脂肪の代謝を高めるには
脂質の代謝、つまり、脂肪をエネルギーとして使うためには、消費カロリーを増やす必要があります。
脂肪が燃焼されるのは、体がエネルギーを使う時だからです。
エネルギーが必要になる→
ビタミンなどを使って脂肪を燃焼→
エネルギーが発生
という流れです。
脂肪を燃焼するときに使われる栄養を摂っても、必要がなければ、脂肪は燃焼されません。
食事で多少ビタミン・ミネラルを多く摂っても、特に脂肪は燃焼されないのです。
参考記事:脂肪燃焼の7つの誤解を解消&効果的なダイエット方法!
甘酒のビタミン
ビタミン・ミネラルにダイエット効果はなくても、栄養を豊富に摂ることができれば、健康には効果的です。
しかし、甘酒のビタミン・ミネラルは豊富ではありません。
こちらは、文部科学省が公表している栄養素データです。
文部科学省HP:日本食品標準成分表 し好飲料類
索引番号:2040
すぐ上の青汁(ケール)と比べると、ビタミン・ミネラルははるかに少ない量しかありません。
さらにその上のココアと比べても、かなり少ないことが分かります。
甘酒は、特にビタミン・ミネラルが豊富ではないのです。
2.2甘酒の満腹効果
甘酒でもう1つ紹介されるのは、満腹効果です。
「甘酒はブドウ糖を含んでいて、血糖値を上げるので、満腹効果がある」と言われます。
これ自体は間違っていません。
甘酒には、お腹を膨らませる効果があります。
しかし、この効果は、「ブドウ糖を含むご飯は、満腹効果がある」というのと同じです。
これによって、他の食事のカロリーが自然に減るなら、ダイエット効果はあります。
しかし、ご飯を1杯増やせば、それ以上に、他の食事のカロリーが減ると言うことがあるでしょうか?
普通はありません。
それと同じように、普通は、ただ甘酒を飲むだけでは、それ以上に、他の食事のカロリーが減ることはないのです。
クライアントさんにダイエット指導をしてきた経験からも、「食品を追加で摂って、自然にトータルのカロリーが下がる」ということは、ほとんどありません。
甘酒のカロリー
甘酒は、100gで約80kcalあります。
ご飯が炊いた状態100gで約170kcal、和牛ロースが100gで約450kcalなので、食事として考えるとそれほど高カロリーではありません。
しかし、飲み物として考えると、かなり高カロリーです。
100g当たりで、だいたい、ビールが40kcal、コーラが45kcal、牛乳が65kcalです。
甘酒は、ビールやコーラよりも高カロリーの飲み物なのです。
豆乳を混ぜると効果的?
甘酒ダイエットでは、豆乳を混ぜた、【甘酒豆乳】がススメられることがあります。
豆乳は、「大豆イソフラボンが摂れて、女性ホルモンの分泌を促すので、特に女性のダイエットに効果的」とよく言われます。
一般的にも、豆乳や大豆はダイエット食品として認知されています。
しかし、実際は、豆乳や大豆にも特にダイエット効果はありません。
根拠論文:Effect of Soymilk Consumption on Waist Circumference and Cardiovascular Risks
豆乳はコーラと同じぐらいカロリーがあるので、むしろ逆効果です。
甘酒に豆乳を混ぜても、特にダイエット効果はないのです。
参考記事:豆乳のダイエット効果はウソ!?痩せる豆乳の飲み方!
2.3甘酒のダイエット情報
このように、甘酒自体には、特にダイエット効果はありません。
ダイエット効果があると思ってどんどん飲んでしまうと、カロリーが増えてしまい、むしろ太ってしまいます。
ダイエットの情報は、根拠のないいい加減な情報や、間違った情報があふれているのが現状です。
甘酒でよく紹介されるダイエット効果も、その1つです。
全くダイエット効果がなくても、記事を盛り上げるために、「甘酒には脂肪燃焼を促進するビタミンB群が豊富!」など間違った情報が書かれます。
このような情報にダマされてしまうと、いくら努力をしていくらお金を使っても、体は変わらずに終わってしまいます。
このような間違った情報にダマされず、確実に痩せられるように、甘酒で痩せるポイントを紹介します。
3.甘酒でダイエットをするポイント
ダイエットの本質は、カロリーです。
甘酒は、ただ飲むだけではダイエット効果はありません。
痩せるためには、カロリーをカットできるように甘酒を使うのがポイントです。
3.1高カロリーのものを甘酒に置き換える
痩せるために一番大事なのが、カロリーです。
摂取カロリー<消費カロリーにすることで、体脂肪が減って痩せていきます。
そのため、痩せるには、高カロリーのものを置き換えるのが効果的です。
主食や間食のおやつなど、カロリーを多く摂っている食品を置き換えることで、摂取カロリーを抑えられます。
極端な置き換えはストレス
一般的な甘酒ダイエットのやり方でも、置き換えが紹介されることがあります。
これは、正しいダイエット方法です。
高カロリーのものを甘酒に置き換えれば、摂取カロリーを減らせます。
そうすれば、摂取カロリー<消費カロリーの状態を作りやすくなります。
ただし、【夕食を甘酒だけに置き換える】というような方法は、あまりオススメではありません。
ストレスが大きいからです。
適度な置き換えが効果的
夕食が甘酒だけとなると、食事の楽しみも減ってしまい、人付き合いもしづらくなります。
そうなると、ダイエットがストレスになってしまいます。
ストレスが大きいと、途中で止めてしまったり、ダイエット後にドカ食いをして、リバウンドの原因にもなってしまいます。
極端に食事を減らすような置き換えは、あまりオススメではありません。
効果的な方法である置き換えも、適度に行うようにしましょう。
参考記事:リバウンドの3つの原因を解明&リバウンドしないダイエット
3.2甘酒をプラスしない
甘酒の一番良くない使い方は、今までの食事にプラスすることです。
甘酒自体には、痩せる効果はありません。
そのため、今までの食事に甘酒が増えても、体脂肪は減りません。
むしろ、摂取カロリーが増えるので、太ってしまいます。
他のものでも共通ですが、追加で食べて体脂肪が減る、という食品は基本的にありません。
甘酒も、ただ飲むだけでは摂取カロリーが増えてしまう、ということを押さえておきましょう。
4.効果的に甘酒をダイエットに取り入れる
それでは、具体的に、甘酒をダイエットに取り入れる方法を紹介していきます。
甘酒で上手くダイエットをするポイントは2つあります。
1つは、体脂肪を減らせるように、カロリーを抑えることです。
もう1つは、ストレスなくダイエットができるように、食事を楽しめることです。
4.1甘酒の取り入れ方
甘酒でダイエットをするコツは、単純に甘酒を飲むのではなく、高カロリーのものを置き換えることです。
ダイエットのポイントが分かっていれば、置き換えも柔軟に実践できます。
ご飯を甘酒に置き換える
甘酒でダイエットをする方法の1つは、高カロリーのものを置き換えることです。
1食を丸々甘酒に置き換える方法もありますが、それだとストレスになってしまいます。
ストレスを増やさないためにも、置き換えは適度に行いましょう。
例えば、ご飯を甘酒に置き換えることで、カロリーをカットできます。
甘酒は、同じ量のご飯と比べると、水分が多くてカロリーは半分ぐらいです。
食事のご飯1杯を、甘酒1杯に置き換えれば、食べる量を減らさずにカロリーを半分にできます。
置き換えとタンパク質
【ご飯1杯を甘酒に置き換える】という方法であれば、食事も楽しめ、おかずからタンパク質を摂ることができます。
1食全部を甘酒にするような置き換えでは、タンパク質がかなり減ってしまいます。
タンパク質は、体脂肪を減らすためには不要ですが、ダイエット中に筋肉をキープするのに大切な栄養素です。
普通にダイエットをすると、体脂肪と筋肉は、だいたい3:1の割合で減っていきます。
タンパク質の摂取量が少ないと、これよりも速いペースで、どんどん筋肉が減ってしまいます。
体脂肪が減っても、筋肉が少ないと、メリハリのない体になってしまいます。
逆に、筋肉を作る材料であるタンパク質をたくさん摂ると、ダイエット中に筋肉が減りにくくなります。
筋トレとタンパク質摂取を併せれば、筋肉をキープしたまま痩せることができます。
参考記事:ダイエット・肉体改造に成功するタンパク質の摂り方!
おやつを甘酒に置き換える
甘酒は、ご飯を置き換えるという方法の他に、おやつなどの間食を置き換える方法があります。
ダイエット中は、お腹が空いて、ついついおやつが食べたくなることもあると思います。
ガマンするというのも1つの手ですが、それではストレスになってしまいます。
そこで、おやつに甘酒を飲むようにすれば、間食をしながらダイエットもできます。
甘酒にもカロリーはありますが、量を抑えれば、そこまでカロリーは増えません。
特に、普段食べているおやつが高カロリーのものなら、それを甘酒に置き換えてみましょう。
甘酒はその名の通り甘いので、スイーツの代わりとして楽しむこともできます。
ノンアルコールのものであれば、日中に飲んでも大丈夫です。
ケーキ・チョコレート・ナッツなどの高カロリーのものを甘酒に変えれば、間食をしながら痩せることができます。
4.2食事を楽しめるダイエット方法
ダイエットを続けるには、ストレスが少なくなるように、食事を楽しめることも大事です。
ダイエットの本質を把握していれば、食事を楽しみながら痩せることも可能です。
置き換える食品は自由
甘酒を使って痩せるコツは、高カロリーのものを置き換えることです。
しかし、痩せるために置き換えるものは、必ずしも甘酒でなくても大丈夫です。
甘酒以外にも、好みに合わせて自由に食品を選べる方が、選択肢が広がって食事を楽しむことができます。
甘酒以外の置き換え
ご飯やケーキなどを甘酒に置き換えれば、カロリーをカットすることができます。
しかし、カロリーをカットできる食品は、甘酒だけではありません。
間食であれば、ケーキをヨーグルトにしたり、ゼロカロリーゼリーにすることでも、カロリーをカットできます。
ご飯であれば、おかゆにするという方法もあります。
おかゆは水分が多いため、ご飯よりも低カロリーです。
ご飯1杯をおかゆ1杯に変えれば、同じ量を食べながら、カロリーを約60%カットできます。
甘酒よりもおかゆの方が好きなら、おかゆに置き換えてみましょう。
ご飯が食べたい場合は、普通にご飯を食べて、おかずを変えてみましょう。
例えば、肉でも、牛バラを牛ヒレに変えるだけで、カロリーを約60%カットできます。
肉を肉に置き換えることでも、ダイエットは出来るのです。
甘酒だけにこだわらず、自由に置き換えをすることで、気分や好みに合わせて自由に食事ができます。
甘酒を楽しめるダイエット方法
甘酒を一番楽しめるのは、「好きなら飲む」というシンプルな方法です。
好みに合わせて飲む方が、甘酒を楽しめます。
甘酒が好きなら、「高カロリーのものを置き換える」という方法にこだわらず、普通に飲んでも大丈夫です。
その分、他の食事のカロリーをカットしましょう。
ご飯をおかゆにしたり、肉の種類を変えれば、カロリーをカットできます。
甘酒を普通に飲んでも、トータルのカロリーを抑えれば、ダイエットができます。
トータルのカロリーを減らせれば、好みに合わせて何を食べても大丈夫ということです。
プレズ<Plez>のダイエット指導でも、飲むものを限定することはありません。
好きじゃないのに、甘酒を飲み続ける必要はありません。
カロリーに注目すれば、好みに合わせて食事を楽しめて、確実に痩せることができます。
甘酒のダイエット効果まとめ
ダイエットをするポイントは、摂取カロリー<消費カロリーにすることです。
甘酒を飲むと、摂取カロリーが増えるだけで、特別なダイエット効果はありません。
甘酒でダイエットをする場合も、摂取カロリーを抑えることが大事です。
そして、「トータルのカロリーを抑えて、甘酒が好きなら飲む」という風にすれば、食事を楽しみながら痩せることができます。
カロリーが大事ということが分かっていれば、甘酒を飲みながらダイエットをすることも、甘酒だけにこだわらず自由に食事をすることもできます。
食事を楽しめる効果的なダイエット方法を実践して、理想のスタイルと健康な体を手に入れましょう!
この記事のポイントまとめ
● 甘酒にダイエット効果はない
● ダイエットは、トータルのカロリーを抑えることが大事
● 甘酒は好みに合わせて飲む
● 好みに合わせてカロリーカットを実践すれば、楽しくダイエットができる