基礎代謝は、ダイエットで注目されるポイントです。
自分の基礎代謝や平均値がどれぐらいかを知っておくと、ダイエットを進める上で役に立ちます。
人によっては、平均値よりかなり低いこともあります。
ただ、基礎代謝量が低いからと言って、落ち込む必要はありません。
基礎代謝が低くても、ダイエットに成功することは十分可能です。
この記事で、基礎代謝量の平均値と、基礎代謝に関係なくダイエットできる方法を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1.基礎代謝の平均
基礎代謝とは、何もしないでも消費するカロリーのことです。
脳や心肺の活動、体温の生成などで消費するカロリーです。
立つ・座るといった姿勢の維持や、食事の消化・吸収に使うエネルギーも含まない、文字通り何もしないでも消費するカロリーです。
そのため、基本的に、生活スタイルによって変動するものではありません。
まずは、性別ごとの基礎代謝量の平均値、そして年齢別の平均値を紹介します。
1.1性別ごとの基礎代謝量の平均値
男性と女性を比べると、男性の方が基礎代謝量の平均が高い傾向にあります。
日本人の基礎代謝の平均は、成人男性:約1,450kcal、成人女性:約1,100kcalです。
男性の方が女性よりも体が大きいことが、主な要因です。
また、同じ体格でも、女性の方が平均して100kcalぐらい低い傾向にあります。
1.2年齢別の基礎代謝量の平均値
性別以外にも、年齢別で、基礎代謝の平均値は変わってきます。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
12~14歳 | 1,520kcal | 1,410kcal |
15~17歳 | 1,610kcal | 1,310kcal |
18~29歳 | 1,520kcal | 1,110kcal |
30~49歳 | 1,530kcal | 1,150kcal |
50~69歳 | 1,400kcal | 1,100kcal |
70歳以上 | 1,290kcal | 1,020kcal |
臓器の活動が自然減ったり、筋肉の減少などによって、加齢とともに基礎代謝量の平均値は下がっていきます。
ただ、年齢が上がると必ず減る、というものでもありません。
20代→30代にかけて、基礎代謝量の平均値は少し増えています。
これは、20代→30代にかけて体重が増えるからです。
簡単に言うと、20代半ばから体脂肪がついて太り、体が大きくなるので、基礎代謝量の平均が増えるのです。
成人後は、加齢の影響による基礎代謝の低下が、平均して1歳ごとに5kcal/日ぐらいあります。
しかし、年齢の他にも、基礎代謝量を変動させる要素があるのです。
2.基礎代謝が平均値と違ってくる要素
2.1身長・体重による基礎代謝量の違い
基礎代謝は、身長・体重といった体のサイズによっても変わります。
平均して、身長1cmで5kcal/日、体重1kgで10kcal/日ぐらい変わります。
体のサイズが大きくなると、体温を作る量や、臓器の活動が少し増えるからです。
身長や体重が増えると、体の表面積が大きくなって、空気中に逃げる体温の量が多くなります。
そうすると、自然と体温を作る量が増え、基礎代謝が高くなります。
ただ、脂肪や筋肉が増えて、体重が2倍になっても、脳や臓器の活動が2倍になるわけではありません。
そのため、体重が2倍になったからと言って、単純に基礎代謝量が2倍になるわけではありません。
2.2気温による基礎代謝量の違い
気温によっても、基礎代謝量は変動します。
「冬は体が冷えるので代謝が落ちる」と思われがちですが、実は逆です。
冬は気温が低く、体の熱が奪われやすいので、自然と体温を作る量が増えます。
夏と比べると、冬は5%ぐらい基礎代謝が高い傾向にあります。
2.3個人差による基礎代謝量の違い
基礎代謝は、平均値や、年齢・体重などでどれぐらい変わるかが分かっています。
ただ、これはあくまでも標準的な数値であって、完全に正確なものではありません。
ホルモンの違い、体温の違いなどで、個人差があります。
もし基礎代謝量を正確に測ろうと思ったら、専用の設備が必要です。
家庭用やジムなどの体脂肪計でも、正確な値を測ることはできません。
体脂肪計も、「身長1cmの違いが5kcal」などの推定計算をしていて、決して実測値ではないからです。
機体によっては、かなり精度が低い計算をしているものもあります。
そして、「基礎代謝が正確に分からないとダイエットはできない」という訳ではありません。
基礎代謝は、「どれぐらい食事でカロリーを摂れるか」を決めるための目安に過ぎないからです。
基礎代謝は大まかな目安として使うものなので、おおまかな値が分かれば大丈夫です。
参考記事:基礎代謝量の正確な計算・測定法&効果的なダイエット!
3.基礎代謝が平均より低いと太る?
基礎代謝が高いと太りにくく、低いと太りやすいと思われがちです。
完全に間違っているわけではありませんが、基礎代謝は太る・痩せるを決めるものではありません。
基礎代謝が低くても、ダイエットをすることは十分可能です。
3.1基礎代謝が低くても太らない?
基礎代謝の高い・低いは、太りやすい・太りにくいとあまり関係がありません。
習慣の方がはるかに大事だからです。
運動などの体を動かす習慣もありますが、ダイエットは食事習慣で80%ぐらい決まります。
ダイエットの本質は、摂取カロリー<消費カロリーにすることです。
基礎代謝は、消費カロリーの一部に過ぎません。
さらに、消費カロリー自体も、ダイエットの要素の1つに過ぎません。
実際に、基礎代謝が高い人と低い人を比べた実験でも、特に太りやすさに違いはありませんでした。
根拠論文:Does basal metabolic rate predict weight gain?
年代別の平均値を見ても、20代→30代にかけて、基礎代謝の平均が上がっています。
ところが、30代は20代より痩せやすい、という傾向はありません。
「基礎代謝量が高いと痩せる、低いと太る」という訳ではないのです。
ダイエットの本質は、摂取カロリーと消費カロリーのバランスです。
基礎代謝は、あくまでもダイエットの要素の1つです。
3.2基礎代謝と消費カロリー
消費カロリーは基礎代謝以外にも、体を動かすエネルギーと、食事の消化・吸収に使うエネルギーがあります。
基礎代謝が同じでも、運動をしたり、仕事や家事で体をよく動かす人は、多くのカロリーを消費します。
ただ、平均すると、消費カロリーの50~70%は基礎代謝が占めています。
さらに、食事の消化・吸収に使うエネルギーも、平均して消費カロリーの10%ぐらいあります。
60~80%は自然に消費しているカロリーなので、生活スタイルの違いによる消費カロリーの差は、それほど大きくないのです。
3.3ダイエットには食事習慣が重要
体脂肪が増えるか減るかを決めるのは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスです。
そして、最も影響が大きい要素が食事です。
食事の習慣は、太っている人と痩せている人で、大きく違います。
太っている人は、食べる量が多かったり、脂質の多い肉・揚げ物・乳製品・スイーツ・ジュース・カフェラテ・お酒など、カロリーが高いものを摂ったりしています。
摂取カロリーは習慣によって大きく差があるので、逆に言うと、食事を変えることでかなりカロリーを抑えられます。
ダイエットでは、運動をするよりも、食事を変えることが大事で効果的です。
参考記事:ダイエットに成功する摂取カロリーの使い方、徹底解説!
3.4運動と食事のダイエット効果
運動は消費カロリーを増やす効果があります。
運動で1kcal消費するのも、食事で1kcal抑えるのも同じ効果です。
しかし、食事で1kcal抑える方が、時間も労力もかからず効率的に実践できます。
体脂肪を1kg落とすには、摂取カロリー<消費カロリーを、7,000kcal~7,500kcalぐらい作る必要があります。
そして、体重50kgの人が1時間ウォーキングして消費するカロリーは、100kcalぐらいです。
そのため、ウォーキングの場合、1kg痩せるのに70時間ぐらい必要になります。
運動は、かなり効率が悪いのです。
食事であれば、コーラ500mlを水に変えるだけで、ウォーキング2.5時間分の効果があります。
しかも、手に取るものを変えるだけなので、時間も労力もかかりません。
体脂肪は、心肺の活動や体温の生成といった基礎代謝はじめ、歩く・立つといった活動の中で使われています。
そのため、食事を変えれば、特に運動をしなくても痩せていくのです。
参考記事:運動のダイエット効果の真相&楽しく痩せる運動方法!
4.基礎代謝を上げないダイエット方法
基礎代謝は、ダイエットの1つの要素でしかありません。
そして、痩せるために、基礎代謝を高める努力は必要ありません。
理由の1つは、基礎代謝を高めなくても痩せられるからです。
もう1つは、基礎代謝はほとんど上がらないからです。
4.1基礎代謝を上げる方法
基礎代謝を高める方法はこの3つです。
● 室温を下げる
● 薄着にする
● 体を大きくする
室温を下げたり薄着にすると、体温の発散が増え、体温を作る量が自然と増えます。
ただ、体調を崩す可能性もあり、現実的ではありません。
また、体を大きくすると、基礎代謝は上がります。
ただ、体を大きくすると言っても、体脂肪が増えたのでは意味がありません。
そのため、筋肉で体を大きくする必要があります。
しかし、筋肉が増えても、大して基礎代謝は上がらないのです。
4.2筋トレ・筋肉量による基礎代謝量の違い
よく、「筋トレをして筋肉を付けて、基礎代謝を上げて痩せましょう!」と言われます。
ダイエット・フィットネスでは、常識のようにもなっています。
しかし、「具体的にどれぐらい上がるか」ということは、ほとんど紹介されません。
実は、筋肉をやっと1kgつけても、上がる基礎代謝は10kcal~30kcal/日程度なのです。
根拠論文:The underappreciated role of muscle in health and disease.
この数値は、2.1で紹介した、「体重1kgの違いが10kcal/日ぐらい」というものとも近い数字です。
筋肉を1kgつけるには、筋トレを本格的に行い、タンパク質とカロリーをしっかり摂っても、男性で1ヶ月・女性で2ヶ月ぐらいかかります。
筋肉を付けることは、長期的に太りづらい体を作るには効果的です。
しかし、筋トレによる基礎代謝の向上でダイエットを行ったとしても、体脂肪量はほぼ変化しません。
筋トレは、痩せるためではなく、筋肉によるボディメイクのために行いましょう。
参考記事:基礎代謝を上げる5つの方法&効果的なダイエット法!
参考記事:ダイエットと筋トレで美しい体を作る!キレイに痩せる方法
4.3基礎代謝を上げなくても痩せる
基礎代謝はダイエットの1つの要素ですが、ほとんどコントロールすることが出来ません。
「基礎代謝は消費カロリーの70%もあるので、これを上げて痩せやすい体を作りましょう!」とよく言われます。
しかし、基礎代謝はほとんど上がらないのです。
そして、基礎代謝を上げる必要もありません。
基礎代謝や消費カロリーを高めなくても、摂取カロリーを抑えることで、摂取カロリー<消費カロリーの状態を作れるからです。
今までの食事からカロリーを減らせば、体脂肪はどんどん落ちていきます。
食事を変えてカロリーを抑えることが、効果的なダイエット方法です。
プレズ<Plez>のダイエット方法では、特に基礎代謝を上げるための努力をする必要はありません。
食事をしっかり管理すれば、誰でも確実に痩せることが出来ます。
基礎代謝の平均値とダイエット方法まとめ
いかがでしたでしょうか?
基礎代謝は体格や年齢によって平均値が違ってきますが、特に意識して上げる必要はありません。
基礎代謝はほとんど上げることができず、上げなくてもダイエットが出来るからです。
痩せるためには、食事に注意しましょう。
カロリーが低い物を選べば、食べる量を減らさなくても、体脂肪を減らすことが出来ます。
消費カロリーを増やす場合と違って、時間も労力もかかりません。
食事をしっかり管理して、体脂肪を落とし、理想のスタイルと健康な体を手に入れましょう!
参考記事:ダイエットに成功する基礎代謝の活用法、完全ガイド!
この記事のポイントまとめ
● 基礎代謝は、性別・年齢・体格などで平均値が変わる
● 太る・痩せるは、基礎代謝が高いか低いかでは決まらない
● 基礎代謝はほとんど上げることができず、上げる必要もない
● 食事のカロリーを抑えるのが、効果的なダイエット方法
● 摂取カロリーを抑えれば、基礎代謝が平均より低くても痩せられる