摂取カロリーはダイエットにどういう役割があるか、1日にどれぐらい摂取カロリーを摂ればいいか、ご存知でしょうか?
摂取カロリーは、ダイエットで非常に重要なポイントです。
摂取カロリー次第でダイエットが決まる、と言っても過言ではありません。
頑張って運動をしても、カロリーの摂り方がマズイと痩せませんし、運動をしなくても、カロリーの摂り方によって痩せることも出来ます。
この記事で、摂取カロリーの役割と、ダイエットに成功できるカロリーの摂り方を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1.摂取カロリーとは
摂取カロリーとは、食品から摂る、人体のエネルギーのことです。
食品から摂ったエネルギーを、脳や心肺の活動・体温の生成・運動などに使います。
食品が持つエネルギーの内、体が使えるものだけを摂取カロリーに含めます。
例えば、ガソリンにはエネルギーがありますが、人体のエネルギーにならないので、摂取カロリーにはなりません。
また、胃腸で消化・吸収できるカロリーは全体の約95%で、消化・吸収できる部分が摂取カロリーになります。
1.1カロリーを持つ栄養素
カロリーを持つ栄養素は大きく分けて3つ、細かく分けると5つあります。
カロリーをもつ栄養素と、それぞれのカロリーがこちらです。
栄養素 | 1g当たりカロリー | |
---|---|---|
タンパク質 | 4kcal | |
脂質 | 9kcal | |
炭水化物 | 糖質 | 4kcal |
食物繊維 | 0~2kcal | |
アルコール | 5kcal |
※アルコールは、体温の上昇など、消費カロリーを増やす分を差し引き
● 各栄養素を含む、代表的な食べ物
栄養素 | 食品 | |
---|---|---|
タンパク質 | 肉・魚・プロテイン | |
脂質 | 油・肉・乳製品 | |
炭水化物 | 糖質 | ご飯などの主食・砂糖 |
食物繊維 | 海藻・きのこ・野菜 | |
アルコール | お酒 |
1.2 1日の摂取カロリー平均
1日の摂取カロリーは、成人の平均で1,870kcal、成人男性で2,130kcal、成人女性で1,660kcalです。
年齢別の平均を見ると、10代の成長期に摂取カロリーが最も多くなります。
成人後は、20代~60代にかけて、ゆるやかに増加する傾向にあります。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1~6 | 1,310kcal | 1,180kcal |
7~14 | 2,110kcal | 1,810kcal |
15~19 | 2,370kcal | 1,780kcal |
20~29 | 2,140kcal | 1,660kcal |
30~39 | 2,120kcal | 1,650kcal |
40~49 | 2,160kcal | 1,640kcal |
50~59 | 2,180kcal | 1,710kcal |
60~69 | 2,210kcal | 1,720kcal |
70~ | 1,990kcal | 1,600kcal |
2.ダイエットにおける摂取カロリー
ダイエットにおいて、摂取カロリーは非常に大事な要素です。
摂取カロリーで、ダイエットの70%は決まります。
ダイエットでの摂取カロリーの役割と、ダイエットに成功する方法を紹介します。
2.1摂取カロリーとダイエット
ダイエットの本質は、摂取カロリー<消費カロリーにすることです。
体脂肪は体が溜めているカロリーのカタマリで、1gで7kcalちょっとあります。
摂取カロリー<消費カロリーの状態を作ると、不足したエネルギーを体脂肪から使って、自然と体脂肪が減っていくのです。
エネルギーとして使った体脂肪は、水と二酸化炭素になって、体から排出されます。
摂取カロリーを抑えるか、消費カロリーを高めて、摂取カロリー<消費カロリーの状態を作ることが、ダイエットの本質です。
プレズ<Plez>の他の多くの記事でも、共通してこちらの本質を紹介しています。
それぐらい、ダイエットで大切なポイントなのです。
2.2効果的なダイエット方法
痩せるためには、摂取カロリーを抑えるか、消費カロリーを上げることが必要です。
この2つを避けようとすると、効果のないダイエットにダマされてしまいます。
そうすると、努力や時間がムダになってしまったり、お金だけ減って、脂肪は減らずに終わってしまいます。
ダイエットをするには、摂取カロリー<消費カロリーの状態を作ることが必要です。
ただし、摂取カロリーを抑えることと消費カロリーを上げることを、両方しないといけないわけではありません。
両方してもいいですし、どちらか一方でも大丈夫です。
そして、効果的なのは、摂取カロリーを抑えることです。
2.3消費カロリーを上げないダイエット
消費カロリーを上げるには、体を動かすことが必要です。
「体を動かす以外に消費カロリーを上げる方法はない」と思っていただければ、間違ったダイエット方法にダマされにくくなります。
「筋肉を付けて基礎代謝を上げて痩せる」というのも、現実的ではありません。
筋肉をやっと1kgつけて、上がる基礎代謝は10~30kcal/日程度だからです。
参考記事:基礎代謝を上げる5つの方法&効果的なダイエット方法!
消費カロリーを上げて痩せるには、運動などで体を動かすことが必要です。
そして、運動は効率的なダイエット方法ではありません。
運動は、時間や労力が必要な割に、上がる消費カロリーが少ないからです。
運動をメインにしてしまうと、ほとんど全ての場合、痩せる前にダイエットを止めてしまいます。
プレズ<Plez>のクライアントさんからも、指導前のカウンセリングで、「運動をしているのに痩せません」とよく聞きます。
一方、「運動で痩せたことがあります」というのは、あまり聞いたことがありません。
2.4運動をしないダイエット
体重50kgの人が体脂肪を1kg落とすには、ランニングで約150km、ウォーキングだと約300km必要になってしまいます。
これでは、なかなか体が変わらず、モチベーションが下がって、途中で止めてしまいがちです。
一方、摂取カロリーを抑えるのであれば、少し食べる物を変えるだけです。
唐揚げ100gを皮なしチキンステーキに変えたり、カフェラテ1杯をブラックコーヒーや水に変えるだけで、ウォーキング2時間分ぐらいの効果があります。
そして、体脂肪は、心肺の活動・体温の生成・立つ・歩くといった、日常生活の中で使われています。
そのため、摂取カロリーを抑えれば、特に運動をしなくても、体脂肪は減っていきます。
クライアントさんも、ほとんど運動をせずに、平均して月3kgペースのダイエットに成功されています。
プレズ<Plez>のダイエット方法では、運動ではなく食事で体脂肪を落とします。
参考記事:運動のダイエット効果の真相&楽しく痩せる運動方法!
2.5摂取カロリーとタンパク質
よく、「ダイエットでは、タンパク質を摂ることが大事」と紹介されます。
確かに、ダイエットでタンパク質を摂ることは大事です。
しかし、タンパク質自体にダイエット効果はありません。
1.1カロリーを持つ栄養素で紹介したように、タンパク質には摂取カロリーがあります。
そのため、タンパク質を追加で摂ると、摂取カロリーのプラスになり、ダイエットにはマイナスです。
ただし、タンパク質を摂ることにはメリットもあります。
まず、タンパク質をたくさん摂ると、ダイエット中に筋肉が減りにくくなります。
何もしないと、体脂肪と筋肉は3:1ぐらいの割合で減ってしまいます。
そこで、筋トレとタンパク質摂取を行うと、筋肉をキープしたままダイエットが出来ます。
そして、筋肉を分解してエネルギーとして使う量が減るので、若干ですが脂肪を使う量が増えます。
また、タンパク質は消化・吸収に時間とエネルギーがかかります。
タンパク質100kcalを消化・吸収するのに、30kcalぐらいエネルギーを使います。
消化・吸収に時間がかかる分、満腹感も得られたり、空腹を感じにくくなります。
タンパク質は、摂取カロリーのプラスになるので、ダイエット効果はありません。
しかし、同じカロリーを摂るなら、脂質・糖質・アルコールより有利なのです。
タンパク質の役割をまとめると、こうなります。
● タンパク質を追加で摂ると、ダイエットにはマイナス
● タンパク質を多く摂ると、筋肉をキープしながら痩せられる
● 同じカロリーを摂るなら、脂質や糖質よりもダイエットに効果的
アプローチとしては、摂取カロリーを抑えながら、タンパク質を多く摂るようにします。
ダイエット・ボディメイクには、高タンパク低カロリーの食品が最適です。
参考記事:高タンパク低カロリーの食品109選!
3. 1日の摂取カロリー計算
ダイエットにおける、摂取カロリーの役割がお分かりいただけたと思います。
それでは、次に、1日にどれぐらい摂取カロリーを摂ると良いかを説明します。
摂取カロリーのアプローチには2つの方法があり、1つは比較的手軽に実践できます。
3.1 1日に摂るカロリーの計算
摂取カロリーのアプローチの1つは、「摂取カロリーの目標を設定する方法」です。
1日の消費カロリーを見積もって、そこからダイエットのペースに合わせて、摂取カロリーを設定します。
● 消費カロリー計算
生活スタイル | 係数 |
---|---|
ほとんど体を動かさない | ×1.35 |
デスクワークなど座位が中心。 通勤・家事で少し体を動かす。 | ×1.5 |
立ち仕事・外回り・家事で かなり体を動かしたり、 軽いスポーツを行っている | ×1.75 |
肉体労働や本格的なスポーツを 行っている | ×2 |
消費カロリーの計算にはいろいろな方法がありますが、こちらは、日本人に合わせた精度の高い方法で計算しています。
こちらで計算した消費カロリーの目安をもとに、摂取カロリーの設定を行います。
参考記事:消費カロリーの正確な計算方法&効果的なダイエット法!
3.2摂取カロリーとダイエットのペース
1ヶ月に落とす体脂肪1kgにつき、△250kcalを作りましょう。
消費カロリーが2,000kcalだとすると、1ヶ月に体脂肪を1kg落とすなら1日の摂取カロリーを1,750kcal、2kg落とすなら1,500kcalを目安にします。
運動をするなら、その分、摂取カロリーを増やしましょう。
食事で痩せるのがオススメですが、運動をしてはいけない訳ではありません。
運動をすれば、摂れるカロリーが増えるので、食事の自由度が上がります。
このあたりは、好みに合わせて自由に選べます。
ただ、よほど運動好きでなければ、食事メインでダイエットをしましょう。
3.3 1日に必要な摂取カロリー
ダイエットをする時、早く痩せたいからと言って、カロリーを減らしすぎるのは止めておきましょう。
1ヶ月に体脂肪△6kgなどのダイエットをしようとすると、体脂肪が6kg減る前に、健康を損なってしまいます。
また、ダイエットでのストレスが大きいと、継続できなかったり、ドカ食いをしてリバウンドする原因にもなります。
体脂肪を落とすペースは、現在の体格や体脂肪量にもよりますが、体重の4~6%を上限にしておきましょう。
1日の摂取カロリーについては、「基礎代謝は生きていく上で必ず消費するカロリーなので、これを下回ってはいけない」と言われることがあります。
しかし、基礎代謝は「何もしなくても消費するカロリー」というだけで、「これだけは絶対に摂らないといけないカロリー」という意味はありません。
摂取カロリーが基礎代謝を下回った分は、体脂肪からエネルギーが使われていきます。
そもそも、摂取カロリー<消費カロリーになった分は、体脂肪からエネルギーを使うのです。
基礎代謝を下回ると、エネルギー不足になるという訳ではありません。
生活の中でほとんど体を動かしていない場合、ダイエット中に摂るカロリーが、基礎代謝を下回ることもあります。
ただ、摂取カロリーを抑えすぎることは危険なので、過度なダイエットをしないように注意しましょう。
参考記事:ダイエットに成功する基礎代謝の活用法、完全ガイド!
3.4摂取カロリーを計算しないダイエット方法
摂取カロリーのアプローチには、目標を設定する方法以外に、「今までの食事からカロリーを減らす方法」があります。
摂取カロリーの目標を決め、それに合わせた食事をするのではなく、今までの食事を変えるようにします。
消費カロリーの計算・摂取カロリーの設定はせず、今までの食事をベースにして、必要な分だけ摂取カロリーを減らします。
この場合も、同様に、1ヶ月に減らす体脂肪1kgにつき250kcalを減らします。
1ヶ月に1kg体脂肪を落とすなら、今までの食事から250kcalを減らし、2kg落とすなら500kcalを減らしましょう。
コツは、食べる量を減らすのではなく、2.4運動をしないダイエットで紹介したように、食事を変えることです。
食べる物を低カロリーのものに変えれば、食べる量を減らさずにダイエットが出来ます。
3.5摂取カロリーの設定方法
摂取カロリーのアプローチには、①摂取カロリーの目標を設定する方法 と ②今までの食事からカロリーを減らす方法 があります。
①摂取カロリーの目標を設定する方法 の方が、食事で摂るカロリーが安定し、ダイエットの精度が上がります。
そのため、プレズ<Plez>のダイエット指導でも、こちらの方法を採用しています。
しかし、こちらの方法の場合、摂取カロリーの調整が必要になってしまいます。
消費カロリーは、精度が高くても、あくまでも推定計算です。
消費カロリーの実測値ではないので、ダイエットの進み具合を見て、摂取カロリーを調整する必要があります。
しかし、これには経験が必要です。
体重は、体脂肪量と完璧に連動するわけではありません。
短期的に見ると、体重は、体脂肪量よりも水分量の変化で動きます。
そして、体脂肪計の体脂肪率・体脂肪量は、全く正確ではありません。
そのため、どれぐらい体脂肪が減っているかを考えて調整するには、かなり経験が必要になります。
一方、②今までの食事からカロリーを減らす方法 であれば、調整を行わずにダイエットが出来ます。
1日に摂るカロリーは日によってブレやすいですが、推定計算がなく、「○kcal減らす」というだけなので、調整を行う必要がありません。
4.摂取カロリーの計算
①摂取カロリーの目標を設定する方法 の場合、食べたもののカロリーをある程度把握しておく方が、精度が上がります。
といっても、1kcal単位で計算する、なんてことは必要ありません。
ざっくり、50kcal・100kcal単位で大丈夫です。
特に、主食・肉・揚げ物・お菓子など、カロリーを多く摂るものを、ざっくり把握しておきましょう。
スーパーやコンビニであれば、カロリー表示のある食品も多いので、カロリーが低い物を選びやすくなります。
慣れてくれば、だいたいの感覚でカロリーが分かるようにもなります。
また、カロリーの記録は、特に必要ありません。
カロリーを記録することではなく、実際にいくらカロリーを摂るかが大事だからです。
カロリー計算も、面倒ならやらなくても大丈夫です。
ある程度カロリーを把握しておくと精度が上がりますが、やはり、実際にどれだけカロリーを摂るかが大事です。
特に、②今までの食事からカロリーを減らす方法 の場合、カロリー計算は必要ありません。
カロリーの計算ではなく、「何を変えるか、何を減らすか」を考えましょう。
ダイエットの本質が分かっていれば、好みや性格に合わせて、自由にダイエット方法を選択できます。
参考記事:ダイエットを成功に導くカロリーの扱い方!
摂取カロリーまとめ
いかがでしたでしょうか?
摂取カロリーはダイエットで非常に重要な要素です。
ダイエットの本質は、摂取カロリーと消費カロリーのバランスです。
そして、効果的にダイエットを行うには、摂取カロリーを抑えることです。
摂取カロリーをコントロールできれば、ダイエットの成功はグッと近づきます。
しっかり食事を管理して、効果的なダイエットを実践し、理想のスタイルと健康な体を手に入れましょう!
この記事のポイントまとめ
● 摂取カロリーはダイエットで重要なポイント
● 摂取カロリー<消費カロリーにすることがダイエットの本質
● 摂取カロリーを抑えることが、効果的なダイエット方法
● 摂取カロリーのアプローチには、2つの方法がある
● 今までの食事を変える方法であれば、摂取カロリーの計算や調整を行わずに、ダイエットが出来る