BMIの正しい使い方をご存知でしょうか?
BMIはダイエットで広く使われる基準ですが、2つの問題があります。
BMIの使い方を間違えると、判断を誤ったり、思っていた体にならなかったり、ダイエットに失敗する原因になります。
この記事で、ダイエットに成功できる、BMIの正しい使い方を紹介します!
この記事は、科学的な知見とトレーナーや医師への指導経験も持つ、プレズ<Plez>のコンサルタントが作成しました。
(ダイエットの結果には個人差があります)
1. BMIとは? BMIの計算方法
BMIとは、ボディマスインデックスという、体格を表す指数です。
BMIは体重と身長をもとに計算します。
● 計算式
体重(kg)÷身長(m)÷身長
こちらのフォームで自動計算できます。
2. BMIの標準値
BMIは、性別・年齢によって標準値が変わります。
こちらが、性別・年齢別の標準値です。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
平均 | 23.4 | 22.4 |
15~19歳 | 20.9 | 20.4 |
20~29歳 | 22.4 | 21.1 |
30~39歳 | 23.5 | 21.8 |
40~49歳 | 24.0 | 22.2 |
50~59歳 | 23.9 | 22.7 |
60~69歳 | 23.6 | 22.8 |
70歳以上 | 23.1 | 22.8 |
BMIは女性の方が低く、男性・女性とも、年齢が上がると平均値が上がる傾向にあります。
男性は20代半ば~40代、女性は2代半ば~50代に体脂肪が増えて、体重とBMIが上がる傾向にあります。
これは、仕事・家事・スポーツなどでの運動量が減ったり、食生活の変化、基礎代謝が下がることが要因です。
基礎代謝は、年齢の影響で、1年に平均5kcal/日下がる傾向にあります。
また、BMIの平均値は、年代とともに変化してきました。
※1950~2014年まで5年ごとに集計。身長・体重から計算した年齢別のBMIを平均
source:厚生労働省 身体状況調査
戦後、男性のBMIは右肩上がりに上昇しています。
これは、飽食や洋食化による摂取カロリーの増加、デスクワークや車・家電の普及による、運動量の減少があります。
同様の要因は女性にも当てはまりますが、女性の場合、意識の変化の影響もあります。
ファッション業界などで、より細いスタイルを美しいとする傾向があり、特に若い女性で、ダイエットに取り組む人が増えています。
実際に年齢別に見ると、10代・20代女性のBMIは減少している傾向にあります。
※上記グラフと同じ集計方法・元データ
そして、BMIで肥満度を判定するときには、一般的にこちらの基準値を使います。
BMI | 判定 |
---|---|
18.5未満 | 痩せ |
18.5~25未満 | 標準 |
25~30未満 | 肥満 |
30以上 | 高度な肥満 |
参考記事:BMIの標準値・基準値&理想の体を作るBMIの使い方!
3. BMI指数の問題点
BMIは、肥満度を判定する指数として、ダイエットで広く使われています。
しかし、BMIには、2つの大きな問題点があります。
それによって、健康を損なったり、ダイエットに失敗する原因になることもあります。
3.1 BMIの標準値とスタイル
BMIの1つ目の問題点は、BMIの判定はあまりアテにならないということです。
基準値をもとにした判定では、18.5~25が「標準」となります。
しかし、18.5と25では、スタイルにかなり違いがあります。
体重で見ても、「標準」の範囲内で、15~20kgぐらい差があります。
身長 | 標準 |
---|---|
140cm | 36~49kg |
150cm | 42~56kg |
160cm | 47~64kg |
170cm | 53~72kg |
180cm | 60~81kg |
BMIが25に近い場合、多くの人が、もう少し痩せたいと希望します。
一方、20を下回れば、「標準」の判定であっても、かなりスリムです。
18.5を下回ると、痩せているというより、痩せすぎになることもあります。
BMIの判定は、健康面・医療面では、適切かもしれません。
しかし、ダイエットで使うには、「標準」の範囲が広すぎて、実際のスタイルを的確に表せないのです。
3.2 BMIの精度
BMIのもう1つの問題は、BMIとスタイルの良さは、必ずしも関係しないということです。
BMIは身長と体重を基にした指標で、体重と連動して動きます。
そして、「体重は体脂肪量と連動するので、スタイルの良さを表す」と思われがちです。
しかし、実際は、体重は体脂肪以外の要因でも変動します。
短期間で見ると、体重は、体脂肪より水分量によって大きく動きます。
体脂肪は、ダイエットを頑張っても、食べ過ぎても、1日に100g程度しか変わりません。
一方、水分は、簡単に1~2kg変わります。
「ダイエットを始めたらすぐに2kg減った」「ホットヨガをしたら体重が2kg減った」「食事を制限しているのに体重が1kg増えた」「食べ過ぎた翌日に体重が2kg増えた」
これらは、体水分の影響です。
短期間で見ると、体重は体脂肪より変動しやすいのです。
プレズ<Plez>のダイエット方法では、体重は、短期間の変動ではなく週・月単位での変化を見るようにします。
そして、長期的に見ると、体重は体脂肪だけでなく、筋肉量とも連動します。
筋肉量が増えれば、体脂肪が増えていなくても、BMIの肥満度が上がります。
BMIを使うと、脂肪がほとんどないボディビルダーでも、「肥満」と判定されてしまいます。
男性・女性とも、適度に筋肉がある方が、メリハリのあるキレイな体を作れます。
しかし、筋肉が増えた場合、よりキレイな体になっても、BMIの肥満度は上がるのです。
このように、BMIは必ずしも体脂肪と連動するわけではなく、ダイエットの成果を表さないこともあるのです。
4.女性のBMI指数の理想
女性の中には、過度に低い体重・BMIを目指す方がいます。
BMIが16などのモデルや女性芸能人の数値を目指して、ダイエットに励む方もいます。
しかし、低すぎるBMIを目指すと、健康を損なってしまう危険性があります。
頭痛や倦怠感などの体調不良をはじめ、ひどい場合、生理停止や、摂食障害という病気になる危険性もあります。
モデルや女性芸能人のBMIも、ある一時点のものであって、実際の値より低い場合もあります。
プレズ<Plez>でダイエット指導を受けられる方の中にも、過去に、極端なダイエットをして生理が止まった経験のある方もいらっしゃいます。
海外のファッションショーには、「BMIが18以下のモデルを起用しない」という基準を設けているものもあります。
健康的な体・女性らしいラインを作るには、ある程度の体脂肪も必要です。
「体重やBMIは低ければ低いほど良い」というのは、人工的に作られた価値観です。
体脂肪やBMIを減らしすぎず、適度にダイエットを行うことで、健康的でキレイなスタイルを作ることが出来ます。
参考記事:女性のBMI計算とキレイな体を作れるBMIの使い方!
5. BMI指数と体脂肪率との関係
BMIは、必ずしも体脂肪量と連動して動く指数ではありません。
体脂肪量と連動する数値としては、体脂肪率があります。
● 体脂肪率の計算式
体脂肪量(kg)÷体重(kg)
体脂肪率は体重と体脂肪量から計算され、的確に体脂肪量を表せます。
BMIと体脂肪率の関係を表すと、このようになります。
体脂肪率は、こちらの画像と比較することで、だいたいの数値を把握できます。
source:https://www.builtlean.com/2012/09/24/body-fat-percentage-men-women/
体脂肪率を把握するとき、多くの人は、体脂肪計を使うと思います。
体脂肪計は、体脂肪率を測定するための装置ですので、当然正しい値を測れそうなものです。
しかし、体脂肪計は誤差が大きく、正しい体脂肪率を測れません。
体脂肪計は実際に体脂肪量を測っているわけではなく、身長・体重・電気抵抗などのデータを利用して、体脂肪率の推定を行っています。
しかし、個人差が大きく、推定方法も機種によってバラバラなので、なかなか実態通りの数値を示せないのです。
詳細な数値は把握できませんが、実際のスタイルを画像と比較する方が、はるかに信頼度は高くなります。
参考記事:キレイな体を作れる、BMIと体脂肪率の正しい使い方!
6. BMI指数の正しい使い方
ダイエットの目的は、体脂肪を落とすことです。
BMIは、ダイエットの目的ではなく、目安に過ぎません。
体脂肪を落とすためにダイエットを行い、その変化を把握するための目安の1つとして、BMIを使いましょう。
6.1体脂肪を落とすダイエット
ダイエットで体脂肪を落とすために最も大事なのは、摂取カロリー<消費カロリーの状態を作ることです。
摂取カロリー<消費カロリーにすると、不足したエネルギーを体脂肪から使って、自然と痩せていきます。
そのために必要なのは、食事のカロリーを抑えるか、体を動かすことです。
これを避けようとすると、効果のないダイエットを行ってしまいます。
その結果、時間や労力がムダになったり、お金だけ減って体脂肪は減らずに終わってしまいます。
効果的なのは、食事を変えてカロリーを抑えることです。
運動にもダイエット効果はありますが、時間や労力を使う割にかなり効果が低く、なかなか体は変わりません。
体重が50kgの人の場合、体脂肪を1kg落とすだけでも、ランニングで約150km・ウォーキングだと約300km必要になってしまいます。
一方、食事であれば、ジュースや豆乳を水やお茶に代えたり、ロース100gをヒレやモモに代えるだけで、ウォーキング2時間分ぐらいの効果があります。
カロリーが低いものに変えれば、食べる量を減らす必要もありません。
食事の方が、はるかに効率的にダイエットを実践できます。
プレズ<Plez>のクライアントさんも、ほとんど運動をせず、食事の管理で、平均して月3kgペースのダイエットに成功されています。
参考記事:運動のダイエット効果の真相&楽しく痩せる運動方法!
6.2筋肉をキープするダイエット
ダイエットをして体脂肪を落とすと、一緒に筋肉も減ってしまいます。
これは、食事で痩せても運動で痩せても、あまり変わりません。
体脂肪と筋肉は、約3:1の割合で減っていきます。
筋肉が落ちると、体重も減って、BMIの肥満度は下がります。
しかし、筋肉が減ってしまうと、メリハリのない体になったり、たるみが残ったりします。
男性も女性も・バランスを考えて適度に筋肉を付ける方が、キレイなスタイルになります。
BMIが減りにくくなるとしても、筋肉をキープしながらダイエットをする方が、キレイな体を作れます。
source:https://jp.pinterest.com/pin/91127592433680808/
筋肉をキープしながら体脂肪を落とすには、筋トレとタンパク質摂取を行いましょう。
筋肉をキープしたまま痩せると、筋肉のラインが浮かんできて、筋肉増+体脂肪減になったように体が変化します。
参考記事:ダイエットと筋トレで美しい体を作る!キレイに痩せる方法
参考記事:ダイエット・肉体改造に成功するタンパク質の摂り方!
6.3 BMIの正しい使い方
ダイエットは、BMIを下げることを目的にせず、体脂肪を減らすことを目的に行いましょう。
BMIを下げることを目的にすると、筋肉も減らす方が、目的を達成できてしまいます。
しかし、そうすると、ハリがなくなったり、たるみが出たりします。
BMIは、スタイルの良さと連動する場合も、反対に動く場合もあります。
体脂肪量を的確に表す指数として、プレズ<Plez>が作った指標がオススメです。
ウエストサイズをもとにした指数で、体脂肪量の変化を正確にとらえることが出来ます。
ダイエットの目的は、キレイな体を作ったり、健康な体を手に入れるために、体脂肪を落とすことです。
数値は、体の変化を分かりやすくするための手段に過ぎません。
体脂肪を落とし、キレイなスタイル・健康な体を作れば、結果として、数値も良くなります。
キレイな体を作ることを目標にして、数値を目安として使い、ダイエット・ボディメイク行いましょう。
BMI指数の正しい使い方まとめ
いかがでしたでしょうか?
BMIはよく使われる指標ですが、なかなか正しい使い方は知られていません。
BMIは、ダイエットの成果を把握するための、目安の1つに過ぎません。
体脂肪量と連動する場合もあれば、関係なく動く場合もあります。
そして、低ければ低いほどキレイなスタイルになる、というものでもありません。
ダイエットで大事なのは、体脂肪を落として、キレイな体・健康な体を手に入れることです。
BMIを目安に使い、体脂肪を落とすことを目的に、効果的なダイエットを実践して、理想のスタイルと健康な体を手に入れましょう!
この記事のポイントまとめ
● BMIは「標準」の範囲が広く、スタイルを適切に表せない
● BMIは体脂肪量だけでなく、水分や筋肉量によっても変化する
● 健康のために、BMIを下げ過ぎないようにする
● ダイエットの目的は体脂肪を落とすことで、BMIはそれを把握するための目安
● ダイエットで体脂肪を落とし、スタイルが良くなると、数値も自然と良くなる